創作企画「冥冥の澱」
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農園のお兄さん、優しいから好き。
僕が通ってる学校、たまにボランティア部でお手伝いしてるんだよね。それで、熊谷穣さんと知り合った。
「穣さん!」
「矢木くん」
「ろっくん!」
「ろ、ろっくん……」
「はぁい♡」
えへへ。嬉しいな。
「どうしたの? 何か用事?」
「用事がないと来ちゃダメなのぉ?」
「えっ? いや、別にいいけど」
「嘘だよ。あるよ、用事。穣さんと仲良くなりたいなって思って」
「仲良く?」
「僕と寝て?」
「寝る? いいよ」
「わーい!」
家に上がらせてくれた。それから、寝室に。
「僕ね、穣さんのこと好きだよ! だから、仲良くしてね?」
「うん。ありがとう」
その後、一緒に布団に入って……あれ…………?
「ろっくんは、いい子だね……」
「僕は…………」
並んで、向き合って、頭を撫でられている。
「いい子、いい子。ゆっくり、おやすみ」
「うん…………」
あったかくて、いい気持ち。僕は、そのまま目を閉じた。
◆◆◆
「…………」
起きたら、隣に穣さんがいる。穏やかな表情で、眠っている。
ぱちぱち。僕は、まばたきした。こんなに近くにいるのに。手を伸ばせば触れられるのに。
僕には、それが出来なかった。
なんで? どうして?
僕は、お昼寝しに来た訳じゃない。なのに、どうして?
“いい子だね”
僕は、いい子じゃないよ。だって、悪魔だもん。悪魔はね、なんでも出来るの。人間が好きなの。だから、好かれるためにカワイイの。
天使はね、凄く気持ち悪いんだよ。グロテスクな見た目なの。だって、人間に好かれる必要がないから。
マリア様も、別に天使のこと好きじゃないし。
神様は、一番神様のことを愛してた天使を、地獄に落としたよ。その天使が、人間を好きになれなかったから。その天使は、悪魔になって、反逆者と呼ばれてるの。おかしいよね。神様のこと、大好きなのに。
僕は、いい子じゃない。そんなの、つまらない。天使でいるなんて、機械でいることと同じだもん。
だから、僕は悪魔なんだよ。人間のことが大好きで、ずっと一緒に遊んでいたい。僕は、そういう生き物なんだよ。
穣さんは、あなたは、僕の……神様……?
それなら、僕は、あなたの何?
分かんないよ。
でもね、ひとつだけ分かることがあるんだ。それは、ずっと昔から変わらないこと。きっと、これからも変わらないこと。
それが、僕には悲しいことのように思えるけど、それって、“正しいこと”なんだって。
清らかで正しくて、残酷な真実。神様は、絶対に悪魔と交わることはないの。
僕が通ってる学校、たまにボランティア部でお手伝いしてるんだよね。それで、熊谷穣さんと知り合った。
「穣さん!」
「矢木くん」
「ろっくん!」
「ろ、ろっくん……」
「はぁい♡」
えへへ。嬉しいな。
「どうしたの? 何か用事?」
「用事がないと来ちゃダメなのぉ?」
「えっ? いや、別にいいけど」
「嘘だよ。あるよ、用事。穣さんと仲良くなりたいなって思って」
「仲良く?」
「僕と寝て?」
「寝る? いいよ」
「わーい!」
家に上がらせてくれた。それから、寝室に。
「僕ね、穣さんのこと好きだよ! だから、仲良くしてね?」
「うん。ありがとう」
その後、一緒に布団に入って……あれ…………?
「ろっくんは、いい子だね……」
「僕は…………」
並んで、向き合って、頭を撫でられている。
「いい子、いい子。ゆっくり、おやすみ」
「うん…………」
あったかくて、いい気持ち。僕は、そのまま目を閉じた。
◆◆◆
「…………」
起きたら、隣に穣さんがいる。穏やかな表情で、眠っている。
ぱちぱち。僕は、まばたきした。こんなに近くにいるのに。手を伸ばせば触れられるのに。
僕には、それが出来なかった。
なんで? どうして?
僕は、お昼寝しに来た訳じゃない。なのに、どうして?
“いい子だね”
僕は、いい子じゃないよ。だって、悪魔だもん。悪魔はね、なんでも出来るの。人間が好きなの。だから、好かれるためにカワイイの。
天使はね、凄く気持ち悪いんだよ。グロテスクな見た目なの。だって、人間に好かれる必要がないから。
マリア様も、別に天使のこと好きじゃないし。
神様は、一番神様のことを愛してた天使を、地獄に落としたよ。その天使が、人間を好きになれなかったから。その天使は、悪魔になって、反逆者と呼ばれてるの。おかしいよね。神様のこと、大好きなのに。
僕は、いい子じゃない。そんなの、つまらない。天使でいるなんて、機械でいることと同じだもん。
だから、僕は悪魔なんだよ。人間のことが大好きで、ずっと一緒に遊んでいたい。僕は、そういう生き物なんだよ。
穣さんは、あなたは、僕の……神様……?
それなら、僕は、あなたの何?
分かんないよ。
でもね、ひとつだけ分かることがあるんだ。それは、ずっと昔から変わらないこと。きっと、これからも変わらないこと。
それが、僕には悲しいことのように思えるけど、それって、“正しいこと”なんだって。
清らかで正しくて、残酷な真実。神様は、絶対に悪魔と交わることはないの。