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モストロ・ラウンジで働き、くたくたに疲れて寮の自室へ戻る。
「ふぅ」
寮服を脱ぎ、部屋着に着替えて一息ついた。
モストロ・ラウンジで警備の仕事をしている俺にとって、今日は厄日だったのである。
朝は、サバナクローの不良に絡まれて遅刻しそうになるし、放課後は、教師に雑用を押し付けられて仕事に遅れそうになるし。おまけに、モストロ・ラウンジにはクソみたいな客がやって来たし。
「疲れたな…………」
ベッドに寝転がり、目を閉じる。
瞼の裏に映るのは、ポイントを改竄しようとした客をシメるリーチ兄弟。
俺は、彼らの暴力に魅せられている。かつて自分の非力さを嘆いていた俺は、強い力には憧れがあるのだ。
彼らが自分の絶対的な味方だという妄想をすると、心底安心出来る。自分が双子の間に立ち、ふたりが周りの敵に睨みを利かせるという妄想をする。
しかし、妄想は妄想で。そんなことは、ありえないのだ。あの双子が真の意味で他人に与するとは思えない。
それはそれとして、実はもうひとつ、ある妄想が頭の片隅に存在している。
それは、ふたりに徹底的に害される妄想。人魚の姿の双子に巻き付かれ、首もとを噛まれ、最終的には補食される妄想である。
守られたい。害されたい。相反する感情が、胸の内に渦巻く。
自分の心は、どうしてしまったのだろう? 何故、こんなにおかしなことになってしまったのだろう?
自分にとって、被虐的な方の妄想は、なかなかに受け入れ難いものだった。
しかし、圧倒的な力は、時に美しいものだと思う。それが、根っこにある被虐妄想なのかもしれない。
結局、深夜まで、まどろみの中で双子のことを考えてしまった。
俺は、あのふたりに対して、歪な愛を抱いている。
あの美しい兄弟に守られるのが無理ならば、どうか、せめて俺の命を奪ってほしい。
彼らの手によってもたらされる終わりは、美しいに違いないのだから。
「ふぅ」
寮服を脱ぎ、部屋着に着替えて一息ついた。
モストロ・ラウンジで警備の仕事をしている俺にとって、今日は厄日だったのである。
朝は、サバナクローの不良に絡まれて遅刻しそうになるし、放課後は、教師に雑用を押し付けられて仕事に遅れそうになるし。おまけに、モストロ・ラウンジにはクソみたいな客がやって来たし。
「疲れたな…………」
ベッドに寝転がり、目を閉じる。
瞼の裏に映るのは、ポイントを改竄しようとした客をシメるリーチ兄弟。
俺は、彼らの暴力に魅せられている。かつて自分の非力さを嘆いていた俺は、強い力には憧れがあるのだ。
彼らが自分の絶対的な味方だという妄想をすると、心底安心出来る。自分が双子の間に立ち、ふたりが周りの敵に睨みを利かせるという妄想をする。
しかし、妄想は妄想で。そんなことは、ありえないのだ。あの双子が真の意味で他人に与するとは思えない。
それはそれとして、実はもうひとつ、ある妄想が頭の片隅に存在している。
それは、ふたりに徹底的に害される妄想。人魚の姿の双子に巻き付かれ、首もとを噛まれ、最終的には補食される妄想である。
守られたい。害されたい。相反する感情が、胸の内に渦巻く。
自分の心は、どうしてしまったのだろう? 何故、こんなにおかしなことになってしまったのだろう?
自分にとって、被虐的な方の妄想は、なかなかに受け入れ難いものだった。
しかし、圧倒的な力は、時に美しいものだと思う。それが、根っこにある被虐妄想なのかもしれない。
結局、深夜まで、まどろみの中で双子のことを考えてしまった。
俺は、あのふたりに対して、歪な愛を抱いている。
あの美しい兄弟に守られるのが無理ならば、どうか、せめて俺の命を奪ってほしい。
彼らの手によってもたらされる終わりは、美しいに違いないのだから。