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今日も、売人から買った大麻を吸う。そうすると、脳ミソが溶けたみたいに気持ち良い。
音楽は天上の調べになり、食べ物は極上の味になる。
トリップ中の男は、涎を垂らして恍惚とした表情を浮かべていた。
気分が良い。男は、アパート一階の自室から外へ出ることにした。
世界が輝いて見える。美しい。
そうだ。天国に電話をかけよう。
男は自身のスマートフォンを上着のポケットから取り出し、デタラメに操作する。
その時、奇跡のようなことが起きたのである。
しばらく、夢見心地でフラフラと歩いていると、天使がいるのが見えた。
純白の翼を持つ、拘束具と鎖を身に付けた、天使。
「天使、さま…………?」
男が訊き、偶然召喚した悪魔、いや、天使が頷く。
この日から、いつも傍らに天使がいる生活が始まった。召喚者にサマナーの自覚がないままに。
◆◆◆
「…………」
天使は沈黙している。男以外にとっては。
「分かりました、天使さま。あの暴虐の徒を必ずや始末してみせます……!」
誓ったのは、他のサマナーたちを消すこと。
「…………」
天使は語らない。
「必ず、あの悪魔たちを消し去ります。オレの天使さま……!」
天使は、何も囁いていない。
そうしてサマナー狩りをして過ごしていると、ある日、男に敗北が訪れた。
「がはァッ……!」
男は致命傷を受け、血を吐く。
「天使さま……! 天使さまァ……! お助けくださいィっ!」
常なら、天使が回復魔法を行使するのだが、今回はいつまで経っても行われない。
しかし、男が絶望したのは、そのことではなく。
「天使さまが見えないッ! 見えないよぉ!」
彼の崇拝する天使の姿がないことだった。
「あ、ああ、そんな……オレの天使、さま……」
路地裏には、男の死体と、壊れたスマートフォンが残された。
音楽は天上の調べになり、食べ物は極上の味になる。
トリップ中の男は、涎を垂らして恍惚とした表情を浮かべていた。
気分が良い。男は、アパート一階の自室から外へ出ることにした。
世界が輝いて見える。美しい。
そうだ。天国に電話をかけよう。
男は自身のスマートフォンを上着のポケットから取り出し、デタラメに操作する。
その時、奇跡のようなことが起きたのである。
しばらく、夢見心地でフラフラと歩いていると、天使がいるのが見えた。
純白の翼を持つ、拘束具と鎖を身に付けた、天使。
「天使、さま…………?」
男が訊き、偶然召喚した悪魔、いや、天使が頷く。
この日から、いつも傍らに天使がいる生活が始まった。召喚者にサマナーの自覚がないままに。
◆◆◆
「…………」
天使は沈黙している。男以外にとっては。
「分かりました、天使さま。あの暴虐の徒を必ずや始末してみせます……!」
誓ったのは、他のサマナーたちを消すこと。
「…………」
天使は語らない。
「必ず、あの悪魔たちを消し去ります。オレの天使さま……!」
天使は、何も囁いていない。
そうしてサマナー狩りをして過ごしていると、ある日、男に敗北が訪れた。
「がはァッ……!」
男は致命傷を受け、血を吐く。
「天使さま……! 天使さまァ……! お助けくださいィっ!」
常なら、天使が回復魔法を行使するのだが、今回はいつまで経っても行われない。
しかし、男が絶望したのは、そのことではなく。
「天使さまが見えないッ! 見えないよぉ!」
彼の崇拝する天使の姿がないことだった。
「あ、ああ、そんな……オレの天使、さま……」
路地裏には、男の死体と、壊れたスマートフォンが残された。