創作企画「冥冥の澱」
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アナタは、ワタシの中の空に輝く一等星。いつも、ワタシを照らしてくれる。
ワタシは、冥王星だから、仲間外れにされていた。六年前、ワタシは、死のうとした。
ずっと、変なものが見えるの。
後々知った。世界には、幽霊とか怪異とか澱みとか、そういう、普通は見えないものが“ある”のだと。
「ねぇ、ワタシ、病気じゃなかったんだって」
そのことを話しても、アナタは、変わらず傍にいてくれた。
「砂絵さんと、同じものは見えません。でも、それは何も、僕たちだけの話じゃないんですよ。人は誰も、全く同じ景色を見ることは出来ません」
「クオリアの話?」
「それもあります」
アナタの“赤”とワタシの“赤”は、同じ“赤”なの?
きっと、違うのだろう。
「それでも僕は、砂絵さんと時間を共有していたいです」
「ワタシも…………」
アナタが伸ばしてくれた手を取るよ。
◆◆◆
あなたの苦手なもの。
辛過ぎるもの。多少は平気。カレーが好き。
苦いもの。コーヒーが飲めない。カフェオレは好き。
炭酸の飲み物。子供の頃から、飲めないらしい。
アルコールの味。酒を飲むより、ジュースがいい。いくら飲んでも、全く酔えないから。
厭世的。この世界を、憎んでいる。だから、人間を“物語”にした。でも、好きな人は“美しい物語”になってほしいと祈る。
あなたの好きなもの。
甘いもの。一番好きなのは、チョコレート。
青色。寒色系が好き。あと、黒色も好き。
ゲーム・漫画・アニメ・映画・小説・音楽などの、物語。“体験”が大好き。
推しのことを、愛してる。たくさん、推しがいる。いつも、お金がないと叫んでる。
永遠に価値があると思っている。永遠に手を伸ばす人が好き。届かない星に、それでも手を伸ばす人を愛してる。
僕のことが好きで、愛してると言ってくれた。アナタは0番。ワタシだけの特別。ワタシの星明かり。そう言っていた。
その星明かりに手を伸ばす、自分のことを愛した。それが、僕に救われたお返しなのだと。
砂絵さんは、僕を守ると約束した。それなら僕は、あなたを守ろう。ずっと、傍にいよう。
永遠に。
◆◆◆
「ひーっ! 陽キャのギャル?!」
「え? 陽キャでもギャルでもないです」
その邂逅は、機関内で起きた。
砂江砂絵と、天花寺南。
砂江は、澱みの目撃情報の聞き取りに来たのだが、天花寺の姿を見るなり、先の台詞を吐き、後退りした。
「う、うぅ。で、では、澱みについて詳しくお願いします、天花寺さん」
「はい」
聞き取り調査事態は、速やかに終わる。しかし、天花寺は、砂江の誤解を解きたかった。
「私、陽キャじゃないですよ。ただのオタクです。BLとか好きです。あと、私、男です」
「嘘だぁ!」
「嘘じゃないですよー」
天花寺は、いくつか好きな作品を挙げる。
「オタクだけど……いや、オタクだとしても、陽のオタクじゃないですか……! 陽のオタクは、友達がいる! イベントとかライブとか行く! ワタシはいません、行けません!」
「陽の範囲、広過ぎません?」
「日の下に引きずり出そうとしないでください! ワタシ、岩の裏側にいますから!」
「ええー?」
砂江は、調査資料を盾みたいにして、自分を守ろうとした。
「オタク語りしましょうよ~」
「し、仕事があるので、失礼します!」
逃げる砂江。天花寺南は、砂江には、眩し過ぎたのだ。
やっぱり、ワタシに丁度いいのは、星明かりなんだ。
そんなことを思いながら、砂江はデスクまで戻った。
ワタシは、冥王星だから、仲間外れにされていた。六年前、ワタシは、死のうとした。
ずっと、変なものが見えるの。
後々知った。世界には、幽霊とか怪異とか澱みとか、そういう、普通は見えないものが“ある”のだと。
「ねぇ、ワタシ、病気じゃなかったんだって」
そのことを話しても、アナタは、変わらず傍にいてくれた。
「砂絵さんと、同じものは見えません。でも、それは何も、僕たちだけの話じゃないんですよ。人は誰も、全く同じ景色を見ることは出来ません」
「クオリアの話?」
「それもあります」
アナタの“赤”とワタシの“赤”は、同じ“赤”なの?
きっと、違うのだろう。
「それでも僕は、砂絵さんと時間を共有していたいです」
「ワタシも…………」
アナタが伸ばしてくれた手を取るよ。
◆◆◆
あなたの苦手なもの。
辛過ぎるもの。多少は平気。カレーが好き。
苦いもの。コーヒーが飲めない。カフェオレは好き。
炭酸の飲み物。子供の頃から、飲めないらしい。
アルコールの味。酒を飲むより、ジュースがいい。いくら飲んでも、全く酔えないから。
厭世的。この世界を、憎んでいる。だから、人間を“物語”にした。でも、好きな人は“美しい物語”になってほしいと祈る。
あなたの好きなもの。
甘いもの。一番好きなのは、チョコレート。
青色。寒色系が好き。あと、黒色も好き。
ゲーム・漫画・アニメ・映画・小説・音楽などの、物語。“体験”が大好き。
推しのことを、愛してる。たくさん、推しがいる。いつも、お金がないと叫んでる。
永遠に価値があると思っている。永遠に手を伸ばす人が好き。届かない星に、それでも手を伸ばす人を愛してる。
僕のことが好きで、愛してると言ってくれた。アナタは0番。ワタシだけの特別。ワタシの星明かり。そう言っていた。
その星明かりに手を伸ばす、自分のことを愛した。それが、僕に救われたお返しなのだと。
砂絵さんは、僕を守ると約束した。それなら僕は、あなたを守ろう。ずっと、傍にいよう。
永遠に。
◆◆◆
「ひーっ! 陽キャのギャル?!」
「え? 陽キャでもギャルでもないです」
その邂逅は、機関内で起きた。
砂江砂絵と、天花寺南。
砂江は、澱みの目撃情報の聞き取りに来たのだが、天花寺の姿を見るなり、先の台詞を吐き、後退りした。
「う、うぅ。で、では、澱みについて詳しくお願いします、天花寺さん」
「はい」
聞き取り調査事態は、速やかに終わる。しかし、天花寺は、砂江の誤解を解きたかった。
「私、陽キャじゃないですよ。ただのオタクです。BLとか好きです。あと、私、男です」
「嘘だぁ!」
「嘘じゃないですよー」
天花寺は、いくつか好きな作品を挙げる。
「オタクだけど……いや、オタクだとしても、陽のオタクじゃないですか……! 陽のオタクは、友達がいる! イベントとかライブとか行く! ワタシはいません、行けません!」
「陽の範囲、広過ぎません?」
「日の下に引きずり出そうとしないでください! ワタシ、岩の裏側にいますから!」
「ええー?」
砂江は、調査資料を盾みたいにして、自分を守ろうとした。
「オタク語りしましょうよ~」
「し、仕事があるので、失礼します!」
逃げる砂江。天花寺南は、砂江には、眩し過ぎたのだ。
やっぱり、ワタシに丁度いいのは、星明かりなんだ。
そんなことを思いながら、砂江はデスクまで戻った。