創作企画「冥冥の澱」
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
アカン。頭痛い。飲み過ぎた。水。
ゆらり、と布団をどけて起き上がると、隣に人がいることに気付いた。
「はぁ?!」
蜘蛛のニーサンやん。
網代靖及が、寝ている。鍵野司の狭い部屋の、ひとり用の布団で、一緒に寝ていたらしい。
「え? 俺のせいなん?」
ふたりとも、下着やん。
記憶がない。とか言うてる場合ちゃうで。思い出さな。
「えーと、確か…………」
昨日のことを、辿ろうとする。
いつもみたいに、蜘蛛のニーサンに金もろて、ギャンブルして、大損こいて。そんで、蜘蛛のニーサンの奢りで飯行って。
“酒買うて、ウチ、寄って行かん? 俺、つまみとたこ焼き作るのは得意やねん”
“ああ、それじゃあ、寄らせてもらう”
アウトー! 俺が招きました!
「え? そんで?」
“暑い! 脱ぐわ。ニーサンも脱ぎぃや、ほれほれ。ひゃっはっはっはっ!”
ツーアウトー! 俺が脱がしました!
問題。鍵野司は、スリーアウトしたのか?
「蜘蛛のニーサン! 起きてや!」
頼むで、ほんま。ほんま、頼むで。
ありとあらゆる神と仏と悪魔に祈った。ギャンブルでもしとんのかい!
「ん……ああ、おはよう……」
「おはようさん……やないわ! ニーサン、俺に襲われへんかった?!」
「襲われ……た?」
しばし、沈黙。どっちや?
「ああ、いや、特に何も。服は脱がされたが」
「ほんま、すんまへん!」
スリーアウトは免れたが、俺は、両手を拝むように合わせて謝った。
「司、水が飲みたい」
「はい!」
「服を着てからでいい」
「はい!」
俺は、急いで床に散らかった服を着て、ふたり分の水を用意する。
あああ。久々に酒でやらかした。もう酒飲まん。
服を着たふたりは、向かい合って座り、水を飲む。俺は、自然と正座した。
「気にするな」
俺の顔を見つめながら、蜘蛛のニーサンは、いつも通りの声色で言う。
「そやかて。いや、今度、改めて謝らせてもらいますわ」
「お前がそうしたいなら、それでもいいが」
「……怒ってへんの?」
「怒ってない」
なんでやねん。なんか、えらいモヤモヤする。
その後、フツーに、ニーサンを見送った。
どうしよ。どう償えばええんや? ニーサン、怒っとらんのに。
◆◆◆
殺せ~! もう殺してくれや! このアカンたれ~!
金渡す以外、なんも思い付かん~! でも、そんなん絶対受け取らへんやん。
「蜘蛛の、いや、靖及ニーサン」
「どうした?」
「俺と、結婚したってや…………!」
はぁ?! なんやて?!
口が勝手に動いてん。
「司————」
「あー! あー! 今のなし!」
俺はそう言い放ち、走って逃げた。
なんや、動悸すんのは、走っとるからやろ? なぁ、鍵野司。
きっと、俺のことどうでもええから、怒らへんかってん。
俺は、勝てる可能性のない賭けはせんねん。
ゆらり、と布団をどけて起き上がると、隣に人がいることに気付いた。
「はぁ?!」
蜘蛛のニーサンやん。
網代靖及が、寝ている。鍵野司の狭い部屋の、ひとり用の布団で、一緒に寝ていたらしい。
「え? 俺のせいなん?」
ふたりとも、下着やん。
記憶がない。とか言うてる場合ちゃうで。思い出さな。
「えーと、確か…………」
昨日のことを、辿ろうとする。
いつもみたいに、蜘蛛のニーサンに金もろて、ギャンブルして、大損こいて。そんで、蜘蛛のニーサンの奢りで飯行って。
“酒買うて、ウチ、寄って行かん? 俺、つまみとたこ焼き作るのは得意やねん”
“ああ、それじゃあ、寄らせてもらう”
アウトー! 俺が招きました!
「え? そんで?」
“暑い! 脱ぐわ。ニーサンも脱ぎぃや、ほれほれ。ひゃっはっはっはっ!”
ツーアウトー! 俺が脱がしました!
問題。鍵野司は、スリーアウトしたのか?
「蜘蛛のニーサン! 起きてや!」
頼むで、ほんま。ほんま、頼むで。
ありとあらゆる神と仏と悪魔に祈った。ギャンブルでもしとんのかい!
「ん……ああ、おはよう……」
「おはようさん……やないわ! ニーサン、俺に襲われへんかった?!」
「襲われ……た?」
しばし、沈黙。どっちや?
「ああ、いや、特に何も。服は脱がされたが」
「ほんま、すんまへん!」
スリーアウトは免れたが、俺は、両手を拝むように合わせて謝った。
「司、水が飲みたい」
「はい!」
「服を着てからでいい」
「はい!」
俺は、急いで床に散らかった服を着て、ふたり分の水を用意する。
あああ。久々に酒でやらかした。もう酒飲まん。
服を着たふたりは、向かい合って座り、水を飲む。俺は、自然と正座した。
「気にするな」
俺の顔を見つめながら、蜘蛛のニーサンは、いつも通りの声色で言う。
「そやかて。いや、今度、改めて謝らせてもらいますわ」
「お前がそうしたいなら、それでもいいが」
「……怒ってへんの?」
「怒ってない」
なんでやねん。なんか、えらいモヤモヤする。
その後、フツーに、ニーサンを見送った。
どうしよ。どう償えばええんや? ニーサン、怒っとらんのに。
◆◆◆
殺せ~! もう殺してくれや! このアカンたれ~!
金渡す以外、なんも思い付かん~! でも、そんなん絶対受け取らへんやん。
「蜘蛛の、いや、靖及ニーサン」
「どうした?」
「俺と、結婚したってや…………!」
はぁ?! なんやて?!
口が勝手に動いてん。
「司————」
「あー! あー! 今のなし!」
俺はそう言い放ち、走って逃げた。
なんや、動悸すんのは、走っとるからやろ? なぁ、鍵野司。
きっと、俺のことどうでもええから、怒らへんかってん。
俺は、勝てる可能性のない賭けはせんねん。
