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外は、生ぬるい夏の風が吹いているのだろうか?
現在の時刻は、時計がないので分からない。
寝て起きたところなので、おそらく早朝。彼は、まだ見えない。
木の板が打ち付けられている窓から、外は窺えない。「怖い悪魔がたくさんいるから、見ちゃだめ」なんだそうだ。
不思議なことに、この部屋は……彼曰く、セーフルームは、クーラーの類いが見当たらないのに、人間が過ごすのに適した温度を保っている。ありがたいことだが、少し不気味だ。
鍵のかけられたドアの外で、足音がする。
「やぁ、調子はどうだい? 何か困っていることはあるかい?」
紫のスーツを着こなしている遊び人風の男が、戸口に段ボール箱を持って立っている。
彼が来た。やっと話し相手が来て嬉しい。
「調子は、悪くない。ここに来てからというもの、ずっとね。貴方には毎日感謝しているよ。困り事は、本を読み終えてしまって退屈ということくらいかな」
「それは良かった。僕が来たからには、退屈にはさせないさ。食料の他にも、色々持って来たんだ」
そう言うと彼は、箱から真っ白なジグソーパズルや筆記用具やオセロなんかを取り出した。
わざわざ、暇潰しのために持って来てくれたのだ。私は、彼に礼を言う。
「いいって、いいって。他ならぬキミのためなんだから。さっそくオセロでもやるかい?」
「ああ。そう、だね……えっと、外はどうなってる?」
「相変わらずさ」
「少し外の様子を見たいんだけれど」
「だめだよ。危険な悪魔でいっぱいなんだから」
「貴方は、そう言うけれど、外は静かだし……」
「…………」
彼は沈黙する。
彼は何故、頑なに私を外へ出さない?
そもそも、彼は、何故私にこんなに親切なんだった?
彼との出会いは、どんなだった?
彼の、名前は?
彼は…………なんだ?
「貴方は……お前は、誰だ……?」
「またかぁ。いいかい? 僕の目を見て」
「え?」
「オセロ、するかい?」
「ん? ああ、するよ。貴方が黒で、先攻でやろう」
「そうさせてもらうよ」と、彼は笑顔で言った。
◆◆◆
近頃、僕が楽しそうだって?
そうだね、楽しいよ。最近、ペットを飼い始めたんだ。
この状況下で?
まあ、もっともな感想だけど、こんな時だから、潤いってやつが必要なんじゃないかなぁ?
ククククク。
そうだね。暇潰しさ。
現在の時刻は、時計がないので分からない。
寝て起きたところなので、おそらく早朝。彼は、まだ見えない。
木の板が打ち付けられている窓から、外は窺えない。「怖い悪魔がたくさんいるから、見ちゃだめ」なんだそうだ。
不思議なことに、この部屋は……彼曰く、セーフルームは、クーラーの類いが見当たらないのに、人間が過ごすのに適した温度を保っている。ありがたいことだが、少し不気味だ。
鍵のかけられたドアの外で、足音がする。
「やぁ、調子はどうだい? 何か困っていることはあるかい?」
紫のスーツを着こなしている遊び人風の男が、戸口に段ボール箱を持って立っている。
彼が来た。やっと話し相手が来て嬉しい。
「調子は、悪くない。ここに来てからというもの、ずっとね。貴方には毎日感謝しているよ。困り事は、本を読み終えてしまって退屈ということくらいかな」
「それは良かった。僕が来たからには、退屈にはさせないさ。食料の他にも、色々持って来たんだ」
そう言うと彼は、箱から真っ白なジグソーパズルや筆記用具やオセロなんかを取り出した。
わざわざ、暇潰しのために持って来てくれたのだ。私は、彼に礼を言う。
「いいって、いいって。他ならぬキミのためなんだから。さっそくオセロでもやるかい?」
「ああ。そう、だね……えっと、外はどうなってる?」
「相変わらずさ」
「少し外の様子を見たいんだけれど」
「だめだよ。危険な悪魔でいっぱいなんだから」
「貴方は、そう言うけれど、外は静かだし……」
「…………」
彼は沈黙する。
彼は何故、頑なに私を外へ出さない?
そもそも、彼は、何故私にこんなに親切なんだった?
彼との出会いは、どんなだった?
彼の、名前は?
彼は…………なんだ?
「貴方は……お前は、誰だ……?」
「またかぁ。いいかい? 僕の目を見て」
「え?」
「オセロ、するかい?」
「ん? ああ、するよ。貴方が黒で、先攻でやろう」
「そうさせてもらうよ」と、彼は笑顔で言った。
◆◆◆
近頃、僕が楽しそうだって?
そうだね、楽しいよ。最近、ペットを飼い始めたんだ。
この状況下で?
まあ、もっともな感想だけど、こんな時だから、潤いってやつが必要なんじゃないかなぁ?
ククククク。
そうだね。暇潰しさ。