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自分が、仄暗いところに囚われていると感じる。山本冬樹は、思考を続けた。己の犯した罪について。
でも。だって。ミステリーキッスのためなのだから、と。
「よう、マネージャーさん」
「…………」
ヤノの部下の男が来た。
山本は、この男が嫌いである。常に胡散臭い笑みを顔に張り付けており、こちらを小バカにしたような印象を受けるからだ。
「何か、用ですか?」
「いや、こんなことまでして守りたいものがあるなんて、カッコいいねぇ。山本さん」
「はぁ…………」
暇なのか? 話しかけて来ないでほしい。
山本は、男を軽く睨んだ。
しかし、男は、そんな視線をものともせず、距離を詰める。
「死体隠すってのはさ、骨が折れるよな」
「…………」
「カタギのあんたに、そうまでさせるもんかね、アイドルってのは。ミステリーキッスだっけ?」
「ええ…………」
男には、山本の情熱も執念も、理解出来ない。彼には、特段、情熱をかける対象もなければ、執念を燃やすものもないのだ。
男は、自身が山本冬樹に執着しつつあることに気付いていない。
「アイドルってのは、さぞや輝いてんだろうねぇ。光が強ければ強いほど、闇も濃くなる」
因果な商売だね、と笑う。
山本は、底意地が悪い男に、腹を立てた。
「バカにしてるんですか?」
「まさか! 感心してんだぜ、俺は」
おどけたように弁解する男。
「山本さんみたいな男には、初めて会ったからよ。興味深いんだよ」
男は、くつくつと笑う。続けて、迷惑かね? と尋ねた。
「……迷惑、ですね」
山本は、ぼそりと本音をこぼす。半ば、自暴自棄になっていた。それに、この男に嫌われようが、別に構わない。
「そりゃ、悪かった。でも、本当にバカにしてるワケじゃないんだ」
悪い、なんて微塵も思ってなさそうな表情で、男は言う。
「でもな、俺ァ、あんたは報われないと思うよ」
一瞬だけ、笑みを消して、男は冷たく言い放つ。
刃のような言葉が、山本の心臓に刺さり、いつまでも抜けなかった。
でも。だって。ミステリーキッスのためなのだから、と。
「よう、マネージャーさん」
「…………」
ヤノの部下の男が来た。
山本は、この男が嫌いである。常に胡散臭い笑みを顔に張り付けており、こちらを小バカにしたような印象を受けるからだ。
「何か、用ですか?」
「いや、こんなことまでして守りたいものがあるなんて、カッコいいねぇ。山本さん」
「はぁ…………」
暇なのか? 話しかけて来ないでほしい。
山本は、男を軽く睨んだ。
しかし、男は、そんな視線をものともせず、距離を詰める。
「死体隠すってのはさ、骨が折れるよな」
「…………」
「カタギのあんたに、そうまでさせるもんかね、アイドルってのは。ミステリーキッスだっけ?」
「ええ…………」
男には、山本の情熱も執念も、理解出来ない。彼には、特段、情熱をかける対象もなければ、執念を燃やすものもないのだ。
男は、自身が山本冬樹に執着しつつあることに気付いていない。
「アイドルってのは、さぞや輝いてんだろうねぇ。光が強ければ強いほど、闇も濃くなる」
因果な商売だね、と笑う。
山本は、底意地が悪い男に、腹を立てた。
「バカにしてるんですか?」
「まさか! 感心してんだぜ、俺は」
おどけたように弁解する男。
「山本さんみたいな男には、初めて会ったからよ。興味深いんだよ」
男は、くつくつと笑う。続けて、迷惑かね? と尋ねた。
「……迷惑、ですね」
山本は、ぼそりと本音をこぼす。半ば、自暴自棄になっていた。それに、この男に嫌われようが、別に構わない。
「そりゃ、悪かった。でも、本当にバカにしてるワケじゃないんだ」
悪い、なんて微塵も思ってなさそうな表情で、男は言う。
「でもな、俺ァ、あんたは報われないと思うよ」
一瞬だけ、笑みを消して、男は冷たく言い放つ。
刃のような言葉が、山本の心臓に刺さり、いつまでも抜けなかった。