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「菊地原~」
「うざ…………」
朝礼前に、菊地原士郎の元へと、『嫌いなもの』がやって来た。クラスメイトであるこの男は、何かと菊地原に構ってもらいたがる面倒な奴なのだ。名前を、ミョウジナマエという。
「次の授業、おれ当たるからさぁ、答え教えてよ」
「他の人に訊けば?」
「菊地原に訊いてんじゃんよ~」
「本当にうるさいな」
「ガチっぽい言い方!」
「ぼく、ずっと本気で言ってるんだけど?」
「傷付く~!」
心臓の当たりを押さえながら、大袈裟に言うミョウジ。そこまでして、やっと別のクラスメイトの元へ行くのだった。
毎日毎日、鬱陶しい。迷惑な奴。
次の日。ミョウジは菊地原の元へ来なかった。朝礼前には、いつも必ず菊地原のところへとやって来ていたというのに。クラスメイトの女子と、楽しそうに話している。
は? と、声にこそ出さなかったが、菊地原は、なんだか無性に腹が立った。そして、つい、聞き耳を立ててしまう。
「いやぁ、助かったよ~。昨日の宿題難しかったからさぁ」
「私で良ければ、いつでも教えるよ、ミョウジくん」
「いいの?! 優しいんだね!」
は? なんて?
菊地原は、その先の会話を聞かずに思考をシャットアウトしようとする。しかし、上手くいかない。
ムカつく。
更に次の日。やっぱり、ミョウジは菊地原を頼りには来ない。件の女子のところで、歓談している。
イラつく。
ミョウジを見ていると、彼と目が合ってしまった。ふい、と目を逸らす。
すると、女子に断りを入れてから、ミョウジは菊地原の元にやって来た。
じっと、菊地原を見つめるミョウジ。
「何か用?」
「うん。なんで怒ってんのかなぁ? って思って」
「は?」
とうとう、「は?」を口に出してしまった。
「いや、怒ってるよね? 菊地原」
「別に。普通だけど」
「うっそだぁ~!」
「うるさっ」
大声を出すミョウジに、心底腹が立つ。
「うるさいなぁ、もう」
自らの心音が、どうしてだか、うるさいのが最悪だった。
「うざ…………」
朝礼前に、菊地原士郎の元へと、『嫌いなもの』がやって来た。クラスメイトであるこの男は、何かと菊地原に構ってもらいたがる面倒な奴なのだ。名前を、ミョウジナマエという。
「次の授業、おれ当たるからさぁ、答え教えてよ」
「他の人に訊けば?」
「菊地原に訊いてんじゃんよ~」
「本当にうるさいな」
「ガチっぽい言い方!」
「ぼく、ずっと本気で言ってるんだけど?」
「傷付く~!」
心臓の当たりを押さえながら、大袈裟に言うミョウジ。そこまでして、やっと別のクラスメイトの元へ行くのだった。
毎日毎日、鬱陶しい。迷惑な奴。
次の日。ミョウジは菊地原の元へ来なかった。朝礼前には、いつも必ず菊地原のところへとやって来ていたというのに。クラスメイトの女子と、楽しそうに話している。
は? と、声にこそ出さなかったが、菊地原は、なんだか無性に腹が立った。そして、つい、聞き耳を立ててしまう。
「いやぁ、助かったよ~。昨日の宿題難しかったからさぁ」
「私で良ければ、いつでも教えるよ、ミョウジくん」
「いいの?! 優しいんだね!」
は? なんて?
菊地原は、その先の会話を聞かずに思考をシャットアウトしようとする。しかし、上手くいかない。
ムカつく。
更に次の日。やっぱり、ミョウジは菊地原を頼りには来ない。件の女子のところで、歓談している。
イラつく。
ミョウジを見ていると、彼と目が合ってしまった。ふい、と目を逸らす。
すると、女子に断りを入れてから、ミョウジは菊地原の元にやって来た。
じっと、菊地原を見つめるミョウジ。
「何か用?」
「うん。なんで怒ってんのかなぁ? って思って」
「は?」
とうとう、「は?」を口に出してしまった。
「いや、怒ってるよね? 菊地原」
「別に。普通だけど」
「うっそだぁ~!」
「うるさっ」
大声を出すミョウジに、心底腹が立つ。
「うるさいなぁ、もう」
自らの心音が、どうしてだか、うるさいのが最悪だった。