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好意を告げてきた時の彼は、りんごのように真っ赤な顔をしていた。
「私も、あなたが好きだよ」と答えると、エネドラは私を強く抱き締める。彼の香りが、私を包み込んだ。
聡明で優しいあなた。私の恋人、エネドラ。
あなたは、私の太陽だと思っていたのに。
ある日、突然、私は彼に捨てられた。いらなくなったのだと、ゾッとするほど冷たい声で、酷い言葉を投げかけられた。
エネドラに捨てられ、涙も枯れ果てた頃。私は、戦闘兵をやめて、なんとか技術部に入り、猛勉強を始めた。
「全部……あれが悪いんだ…………」
我が国、アフトクラトルの技術。トリガーホーン。私は、寝食さえ忘れて、それの研究に打ち込んだ。
その末に、ふらふらになって寝台に倒れるように……いや、ほとんど気絶するように眠りに着く。そして翌日、目覚めれば周りは闇に包まれていて、酷い空腹感を覚えた。
明かりを点けてから、食料を求めてさまようと、食卓の上の赤い果実に目が留まる。かつて、幸福の象徴だった真っ赤なりんご。彼の好物。
「あ、ああ……ああぁぁあああぁー!」
慟哭。私には、まだ流れる涙が残っていたのか。
絶望。全ては、トリガーホーンを移植した幼少期から始まっていたのだ。
私は、勢い任せに酒を煽る。もう限界だった。
しかし、そんな不幸の真っ只中にいる私に、ある報せが舞い込んできたのである。彼が、エネドラが玄界で戦死したという報せが。
それを悲しむ心があることが、幸なのか、不幸なのか。最早、私には分からない。
私の研究は、間に合わなかったのだ。それはもう、決定的に。悲しい運命であるかのように。
エネドラを失うのは、これで二度目だ。そして、今度は、それは永遠なのである。
「どうでもいい…………」
自分を取り巻く全てに対して、私は諦念を感じている。
早く、死の安らぎがほしい。その先に彼との再会がなかったとしても。
「私も、あなたが好きだよ」と答えると、エネドラは私を強く抱き締める。彼の香りが、私を包み込んだ。
聡明で優しいあなた。私の恋人、エネドラ。
あなたは、私の太陽だと思っていたのに。
ある日、突然、私は彼に捨てられた。いらなくなったのだと、ゾッとするほど冷たい声で、酷い言葉を投げかけられた。
エネドラに捨てられ、涙も枯れ果てた頃。私は、戦闘兵をやめて、なんとか技術部に入り、猛勉強を始めた。
「全部……あれが悪いんだ…………」
我が国、アフトクラトルの技術。トリガーホーン。私は、寝食さえ忘れて、それの研究に打ち込んだ。
その末に、ふらふらになって寝台に倒れるように……いや、ほとんど気絶するように眠りに着く。そして翌日、目覚めれば周りは闇に包まれていて、酷い空腹感を覚えた。
明かりを点けてから、食料を求めてさまようと、食卓の上の赤い果実に目が留まる。かつて、幸福の象徴だった真っ赤なりんご。彼の好物。
「あ、ああ……ああぁぁあああぁー!」
慟哭。私には、まだ流れる涙が残っていたのか。
絶望。全ては、トリガーホーンを移植した幼少期から始まっていたのだ。
私は、勢い任せに酒を煽る。もう限界だった。
しかし、そんな不幸の真っ只中にいる私に、ある報せが舞い込んできたのである。彼が、エネドラが玄界で戦死したという報せが。
それを悲しむ心があることが、幸なのか、不幸なのか。最早、私には分からない。
私の研究は、間に合わなかったのだ。それはもう、決定的に。悲しい運命であるかのように。
エネドラを失うのは、これで二度目だ。そして、今度は、それは永遠なのである。
「どうでもいい…………」
自分を取り巻く全てに対して、私は諦念を感じている。
早く、死の安らぎがほしい。その先に彼との再会がなかったとしても。