ワードパレット
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
打ち合わせ前の休憩時間に、事務所のソファーに寝そべる男がいた。気だるげな彼の長い足は、ソファーからだいぶはみ出している。窮屈そうだが、春の昼下がりの陽気が、山下次郎を眠りへと誘う。
深く、深くへ意識が沈み行く。ゆらゆらと海底に沈むかのように。
そして、夢を見た。目の前には、いくつかの宝箱。彼は、真っ先に大きな宝箱へと手を伸ばす。中には、金銀財宝が山のように入っていた。
「おお!」
次郎は歓喜する。大きな箱には大きな幸せ。なんと素晴らしい。
他の宝箱も開けてみようと思ったその時、ゴッと靴のかかと部分が何かに当たった。
「ん?」
それは、真っ黒な棺だった。
「え…………」
先ほどまでの興が醒め、冷静になる。なってしまう。宝箱の中には、宝。では、棺の中には?
「はは……そんなまさかね…………」
冷や汗が頬を伝う。
意を決して、棺の蓋へと手を伸ばす。ギィ、と音を立てて、それは開いた。
その中に居たのは、アイドルとしての山下次郎のプロデューサー。眠るように棺に収まっている。
ふいに、冷たい人肌が腕に触れた。
棺の中のプロデューサーが起き上がり、次郎の手首を掴んでいる。
その表情は、慈愛に満ちたものだった。
「山下さん、起きてください」
「プロデューサーちゃん…………!?」
次郎は手の冷たさに驚き、起き上がって、自身の両手で擦る。
「山下さん?」
「プロデューサーちゃんの手、冷たいから」
「手を洗ったばかりだからですよ」
男は、今までの出来事が夢で、プロデューサーが生きていることに安堵し、一息ついた。
「あの、そろそろ打ち合わせの時間なんですが…………」
「ああ、ごめんね、プロデューサーちゃん」
パッと両手を離す。なんだか、名残惜しく感じながら。
深く、深くへ意識が沈み行く。ゆらゆらと海底に沈むかのように。
そして、夢を見た。目の前には、いくつかの宝箱。彼は、真っ先に大きな宝箱へと手を伸ばす。中には、金銀財宝が山のように入っていた。
「おお!」
次郎は歓喜する。大きな箱には大きな幸せ。なんと素晴らしい。
他の宝箱も開けてみようと思ったその時、ゴッと靴のかかと部分が何かに当たった。
「ん?」
それは、真っ黒な棺だった。
「え…………」
先ほどまでの興が醒め、冷静になる。なってしまう。宝箱の中には、宝。では、棺の中には?
「はは……そんなまさかね…………」
冷や汗が頬を伝う。
意を決して、棺の蓋へと手を伸ばす。ギィ、と音を立てて、それは開いた。
その中に居たのは、アイドルとしての山下次郎のプロデューサー。眠るように棺に収まっている。
ふいに、冷たい人肌が腕に触れた。
棺の中のプロデューサーが起き上がり、次郎の手首を掴んでいる。
その表情は、慈愛に満ちたものだった。
「山下さん、起きてください」
「プロデューサーちゃん…………!?」
次郎は手の冷たさに驚き、起き上がって、自身の両手で擦る。
「山下さん?」
「プロデューサーちゃんの手、冷たいから」
「手を洗ったばかりだからですよ」
男は、今までの出来事が夢で、プロデューサーが生きていることに安堵し、一息ついた。
「あの、そろそろ打ち合わせの時間なんですが…………」
「ああ、ごめんね、プロデューサーちゃん」
パッと両手を離す。なんだか、名残惜しく感じながら。