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「黄金の指を持つスリ」という異名を持つ男、ライナス・コールドウェル。「伝説の泥棒」ボビー・コールドウェルの息子。
俺は、師匠であるボビーの息子のライナスが嫌いだ。
サラリーマンの胸元をまさぐるしか能のない奴だと蔑んでいる。
“あの”ボビーの息子の癖に、そんなケチな仕事をしていることが、許せない。
だが、ライナスの方は、何故か俺のことを慕っているようなのだ。
「今月はいくら稼いだ」とか「ガードの硬い奴から財布をスった」とか、どうでもいいことを、いちいち俺に電話で報告してくる。鬱陶しいことこの上ない。
ライナスは何故、懐いた犬みたいに俺に尻尾を振ってくるのだろう? 考えてみても、理由は分からないままである。
一度、ボビーに尋ねてみたことがあるのだか、「やれやれ」の一言で終わってしまった。それは、誰に対する「やれやれ」なのだろう。ライナスか? 俺か? はたまた両方か?
分からねーよ。
俺は、ライナスの言動についてアレコレ考えるのはやめた。嫌いな奴に割く時間はないのだから。
そして、数日が経った。
ライナスがいつものように、俺に電話で話しかけてくる。
なにやら、「デカい仕事」をやってのけたのだとか。本当かどうか知らないが、ラスベガスの三大カジノの地下巨大金庫室から、金を奪ったのだと、興奮気味に俺に告げた。
それから、ライナスは俺を自宅の外へと呼び出す。
「なんでだよ?」
「いいから、早く外へ来てくれ!」
「ったく、しょうがねーな……」
さてはて、外にライナスがいることは予想がつくが、奴は何を企んでいるんだ?
俺は、渋々、部屋のドアを開けて、外へ出てやる。
すると、大きな赤い薔薇の花束を抱えたライナスが、俺を出迎えた。
「ライナス、お前…………」
「実は、前から————」
「皆まで言うな」
俺は、ここまでされてライナスの気持ちに気付かないほどの朴念仁ではない。
つまるところ、単純な話。ライナス・コールドウェルは、俺のことを愛してるということ。
柄にもなく、俺は照れながら、ライナスを部屋に入れてやることにした。
俺は、師匠であるボビーの息子のライナスが嫌いだ。
サラリーマンの胸元をまさぐるしか能のない奴だと蔑んでいる。
“あの”ボビーの息子の癖に、そんなケチな仕事をしていることが、許せない。
だが、ライナスの方は、何故か俺のことを慕っているようなのだ。
「今月はいくら稼いだ」とか「ガードの硬い奴から財布をスった」とか、どうでもいいことを、いちいち俺に電話で報告してくる。鬱陶しいことこの上ない。
ライナスは何故、懐いた犬みたいに俺に尻尾を振ってくるのだろう? 考えてみても、理由は分からないままである。
一度、ボビーに尋ねてみたことがあるのだか、「やれやれ」の一言で終わってしまった。それは、誰に対する「やれやれ」なのだろう。ライナスか? 俺か? はたまた両方か?
分からねーよ。
俺は、ライナスの言動についてアレコレ考えるのはやめた。嫌いな奴に割く時間はないのだから。
そして、数日が経った。
ライナスがいつものように、俺に電話で話しかけてくる。
なにやら、「デカい仕事」をやってのけたのだとか。本当かどうか知らないが、ラスベガスの三大カジノの地下巨大金庫室から、金を奪ったのだと、興奮気味に俺に告げた。
それから、ライナスは俺を自宅の外へと呼び出す。
「なんでだよ?」
「いいから、早く外へ来てくれ!」
「ったく、しょうがねーな……」
さてはて、外にライナスがいることは予想がつくが、奴は何を企んでいるんだ?
俺は、渋々、部屋のドアを開けて、外へ出てやる。
すると、大きな赤い薔薇の花束を抱えたライナスが、俺を出迎えた。
「ライナス、お前…………」
「実は、前から————」
「皆まで言うな」
俺は、ここまでされてライナスの気持ちに気付かないほどの朴念仁ではない。
つまるところ、単純な話。ライナス・コールドウェルは、俺のことを愛してるということ。
柄にもなく、俺は照れながら、ライナスを部屋に入れてやることにした。