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友達がネットでプチ炎上した。友達と言っても、ネット友達である。お互いに、顔も本名も住所も知らない。
「リムさん」は、SNSで相互フォローになっている人だ。人。おそらく、人間。性別は知らないけど、なんとなく女の人かと思っている。
もう、5年くらいの付き合いになるのだが、毎日のように個別チャットをしているふたり。
私は、飼っている猫をアイコンにしていて、リムさんは、カプセル剤の入った薬瓶をアイコンにしている、自称病みアカ。
アイドルオタクで、よく現場参戦しているというリムさん。
そんなリムさんは、以前から危うい発言をしがちな人であった。なんというか、隙が多いのだ、彼女(仮)の言葉選びは。
プチ炎上したリムさんは、まず、アカウントに鍵をかけた。
しかし、リムさんの発言のスクリーンショットが出回り、拡散され続ける。
『もういーや。アカ消しする』
リムさんは、私にチャットを飛ばしてきた。
『向こうで繋がろ』
添えられたIDは、無料通話アプリのものである。私は、嬉しくなった。いわゆる「大切さん」だと思われているのだと。
私とリムさんは、毎日チャットをしたり、時には通話をしたりした。そして、声で、リムさんが女の子だということが判明する。可愛い声だと思った。
ある日、彼女は私に告げる。
『ぼく、アイドルやることにした!』
「え!? リムさんが?」
『そう。ぼくみたいな奴がアイドルだって』
笑えるよね、と彼女は自嘲するように言う。
「いやいや、声しか知らないですけど、リムさんは魅力的な方だと思ってますよ」
『ぼくに良いところなんてないよ……めっちゃやむ……!』
「とにかく私は、リムさんのアイドル活動、応援しますからね?」
『ありがとう~! ぼくの大切さん~!』
推しのアイドルにすでに認知されていて、大切だと思われていることは、なんて幸福なことなのだろう。
後に、彼女はアイドルデビューするのだが、それは小火を伴うものだったことは、別のお話である。
「リムさん」は、SNSで相互フォローになっている人だ。人。おそらく、人間。性別は知らないけど、なんとなく女の人かと思っている。
もう、5年くらいの付き合いになるのだが、毎日のように個別チャットをしているふたり。
私は、飼っている猫をアイコンにしていて、リムさんは、カプセル剤の入った薬瓶をアイコンにしている、自称病みアカ。
アイドルオタクで、よく現場参戦しているというリムさん。
そんなリムさんは、以前から危うい発言をしがちな人であった。なんというか、隙が多いのだ、彼女(仮)の言葉選びは。
プチ炎上したリムさんは、まず、アカウントに鍵をかけた。
しかし、リムさんの発言のスクリーンショットが出回り、拡散され続ける。
『もういーや。アカ消しする』
リムさんは、私にチャットを飛ばしてきた。
『向こうで繋がろ』
添えられたIDは、無料通話アプリのものである。私は、嬉しくなった。いわゆる「大切さん」だと思われているのだと。
私とリムさんは、毎日チャットをしたり、時には通話をしたりした。そして、声で、リムさんが女の子だということが判明する。可愛い声だと思った。
ある日、彼女は私に告げる。
『ぼく、アイドルやることにした!』
「え!? リムさんが?」
『そう。ぼくみたいな奴がアイドルだって』
笑えるよね、と彼女は自嘲するように言う。
「いやいや、声しか知らないですけど、リムさんは魅力的な方だと思ってますよ」
『ぼくに良いところなんてないよ……めっちゃやむ……!』
「とにかく私は、リムさんのアイドル活動、応援しますからね?」
『ありがとう~! ぼくの大切さん~!』
推しのアイドルにすでに認知されていて、大切だと思われていることは、なんて幸福なことなのだろう。
後に、彼女はアイドルデビューするのだが、それは小火を伴うものだったことは、別のお話である。