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ミョウジナマエは、時々、とても苦しそうな表情をする。恋人同士になった今でも。
その苦しみは、一体どこから生まれて来ているのか。諏訪洸太郎には分からなかった。
しかし、ミョウジが苦しそうな顔をする時は、いつも必ず諏訪の前でだから、自ずと理解出来てしまったのである。
ミョウジナマエは、諏訪洸太郎が自分から去ることを恐れているのだ。きっと、そうだ。
それは、いくら諏訪でも、面倒を見切れない。ただ、信頼してもらえるように、心を尽くすしかない。
「好きだ」と言えば、「オレも」と返ってくる。
「愛してる」と告げれば、「オレもそうなりたい」と返ってくる。
ミョウジナマエの恋は、自称“祟り”なのだそうだが、今でもそうなのだろうか?
この男のことだから、おそらく、今でもそうなのだろう。
諏訪は、この不揃いな想いを抱えた恋人同士の片割れが自分であることに、少し恐ろしさを感じる。
しかし、好きになってしまったものは仕方がない。このメンドクサイ男に一生付き合っていきたいと、諏訪は思う。
一方ミョウジは、諏訪を苦しめているのは、自分のせいであると思っているので、諏訪から離れて行くのが正解なんだろうな、と考えている。
離れたくない男と、離れるべきと思っている男。
ふたりの男は、今日も闘いを含む日常を送る。
共に背中を預けて闘ったり、一緒に大学で講義を受けたり、隣に並んで煙草を吸ったり。
喫煙室にて。口から吐くのは世間話と、煙。そのはずだったのだが、ミョウジは自分の安物のライターを家に忘れてきたことに気付く。
「諏訪。ライター忘れた。火ィくれ」
「ほらよ」
ミョウジは、諏訪が、てっきりライターを貸してくれるのだと思ったのだが。
「…………!?」
ミョウジに近付けられる顔。
諏訪から、シガレット・キスをされた。ふたりの煙が絡み合う。
その間、およそ8秒ほど。永遠のように長い、8秒。刹那のように短い、8秒。
諏訪が離れたあとも、ミョウジからは頬の熱さがとれなかった。
その苦しみは、一体どこから生まれて来ているのか。諏訪洸太郎には分からなかった。
しかし、ミョウジが苦しそうな顔をする時は、いつも必ず諏訪の前でだから、自ずと理解出来てしまったのである。
ミョウジナマエは、諏訪洸太郎が自分から去ることを恐れているのだ。きっと、そうだ。
それは、いくら諏訪でも、面倒を見切れない。ただ、信頼してもらえるように、心を尽くすしかない。
「好きだ」と言えば、「オレも」と返ってくる。
「愛してる」と告げれば、「オレもそうなりたい」と返ってくる。
ミョウジナマエの恋は、自称“祟り”なのだそうだが、今でもそうなのだろうか?
この男のことだから、おそらく、今でもそうなのだろう。
諏訪は、この不揃いな想いを抱えた恋人同士の片割れが自分であることに、少し恐ろしさを感じる。
しかし、好きになってしまったものは仕方がない。このメンドクサイ男に一生付き合っていきたいと、諏訪は思う。
一方ミョウジは、諏訪を苦しめているのは、自分のせいであると思っているので、諏訪から離れて行くのが正解なんだろうな、と考えている。
離れたくない男と、離れるべきと思っている男。
ふたりの男は、今日も闘いを含む日常を送る。
共に背中を預けて闘ったり、一緒に大学で講義を受けたり、隣に並んで煙草を吸ったり。
喫煙室にて。口から吐くのは世間話と、煙。そのはずだったのだが、ミョウジは自分の安物のライターを家に忘れてきたことに気付く。
「諏訪。ライター忘れた。火ィくれ」
「ほらよ」
ミョウジは、諏訪が、てっきりライターを貸してくれるのだと思ったのだが。
「…………!?」
ミョウジに近付けられる顔。
諏訪から、シガレット・キスをされた。ふたりの煙が絡み合う。
その間、およそ8秒ほど。永遠のように長い、8秒。刹那のように短い、8秒。
諏訪が離れたあとも、ミョウジからは頬の熱さがとれなかった。