友達の宮本フレデリカは、ファッションセンスが良い。私には、ないものだ。
　だから私は、彼女に服を選んでもらうことが多い。
　私に似合うからと、カジュアル系の素敵な服を選んでくれるフレデリカ。

「似合ってるよー。アタシの次に♪」
「フレちゃん、それは普通に褒め言葉だわ～」
「そうだね！」

　フレデリカは、満面の笑みで言う。なんて小憎たらしくて、可愛らしいのだろう。
　さすが、現役アイドル。その笑顔には一体どれほどの価値があるのか。私だけが見ていいものなのか。とは思うけれど、私は彼女の友人として、その笑顔を享受する。
　フレデリカの笑顔が、私は大好きだ。私の心を明るくしてくれた。
　これは彼女には秘密にしているのだが、私はフレデリカの笑顔の画像をスマートフォンに何枚も保存していて、落ち込んだり寂しかったりする時に見ることにしている。
　アイドル、宮本フレデリカの笑顔は、私にとって、絶品のデザートのようなものであり、見る抗うつ剤のようなものでもあるのだ。
　私は友人として、彼女のために何をしてあげられるのだろう？
　やっぱり、全力で推すしかないか！
　私は、いつだって、フレデリカを応援している。末長くアイドル活動を頑張ってほしい。友人としても、ファン心理としても、そう思っている。
　彼女が、トップアイドルを目指すというのなら、もちろん全力で応援する。
　彼女が、恋をしたのなら、それも、もちろん全力で応援する。
　フレデリカの夢が全て叶ってほしい。
　フランス、パリでモデルをしてほしい。
　ライブで、素敵な歌声を響かせてほしい。
　テレビ番組で、可愛くて気まぐれな姿を映してほしい。
　私の欲は、止まるところを知らない。
　どうか、私の大切な人が健やかに、華やかに、生きていけますように。祈るように、そう思う。
　後々、アイドルの宮本フレデリカが、パリの有名なブランドからのご指名でモデルをすることになって、私は感涙にむせぶのであった。