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悪徳警官のナマエは、アントワープから持ち込まれたダイヤについて、俺と密約を交わした。俺とトミーがダイヤを持っていたことを黙っておく代わりに、3割も金を寄越せというものだった。
俺は、ナマエに対して、パイキーとはまた別種の交渉の難しさを感じていて、件の密約を了承してしまったのだ。
自分がナマエを苦手としているのは、一体何故なのか? その自問を繰り返してきたが、まだ答えは出ていない。
だが、ある日、意外にもトミーに、こう言われた。
「ナマエを贔屓にするのは、やめた方がいい!」
「贔屓?」
「ターキッシュ、奴は小賢しい悪徳警官だぞ? なのに、お前は、ナマエを贔屓目で————」
「待て待て、俺が? ナマエを贔屓だと? そんな馬鹿なことがあるか?!」
「あるだろ! 金をむしり取られたのに庇うってのか?!」
困ったことに、トミーの言い分は、正しい。
金を奪った相手に対して、尻尾を振る犬みたいになっていたら、そりゃあカッコがつかないってもんだろう。
つまり、俺は、なんというか。
「俺は、アイツを…………」
好いている。
さて、どうしたもんか。ナマエの好きなものは、金と権力だ。人間、誰しも好きだろうが。
俺は、ナマエに金を渡した。だが、別に奴から俺への好感度は上がっていないと思う。
権力の方は、警官であるナマエが、俺より上だ。
手詰まり感が強過ぎる。
落ち着け。ナマエを物で釣ろうなんてのは、土台無理な話だ。奴は俺を、金ヅルとしか思っていないはず。
ということは、だ。俺は奴に何を贈ればいい? 愛のポエムでも書けってのか? それで、奴に囁けばいいのか?
冗談じゃない。ナマエは、そんなものではなびかないだろう。
やっぱり、手詰まりだ。
やれやれ。ドイツ兵より手強い。
俺は、天を見上げて、神って奴を恨んだ。
「ターキッシュ、頭を冷やせよ」
トミーが、またしても正論を口にする。
確かに、一度頭を冷やすべきなのかもな。
それで、ナマエへの想いも、綺麗さっぱりなくなっちまえばいい。
俺は、ナマエに対して、パイキーとはまた別種の交渉の難しさを感じていて、件の密約を了承してしまったのだ。
自分がナマエを苦手としているのは、一体何故なのか? その自問を繰り返してきたが、まだ答えは出ていない。
だが、ある日、意外にもトミーに、こう言われた。
「ナマエを贔屓にするのは、やめた方がいい!」
「贔屓?」
「ターキッシュ、奴は小賢しい悪徳警官だぞ? なのに、お前は、ナマエを贔屓目で————」
「待て待て、俺が? ナマエを贔屓だと? そんな馬鹿なことがあるか?!」
「あるだろ! 金をむしり取られたのに庇うってのか?!」
困ったことに、トミーの言い分は、正しい。
金を奪った相手に対して、尻尾を振る犬みたいになっていたら、そりゃあカッコがつかないってもんだろう。
つまり、俺は、なんというか。
「俺は、アイツを…………」
好いている。
さて、どうしたもんか。ナマエの好きなものは、金と権力だ。人間、誰しも好きだろうが。
俺は、ナマエに金を渡した。だが、別に奴から俺への好感度は上がっていないと思う。
権力の方は、警官であるナマエが、俺より上だ。
手詰まり感が強過ぎる。
落ち着け。ナマエを物で釣ろうなんてのは、土台無理な話だ。奴は俺を、金ヅルとしか思っていないはず。
ということは、だ。俺は奴に何を贈ればいい? 愛のポエムでも書けってのか? それで、奴に囁けばいいのか?
冗談じゃない。ナマエは、そんなものではなびかないだろう。
やっぱり、手詰まりだ。
やれやれ。ドイツ兵より手強い。
俺は、天を見上げて、神って奴を恨んだ。
「ターキッシュ、頭を冷やせよ」
トミーが、またしても正論を口にする。
確かに、一度頭を冷やすべきなのかもな。
それで、ナマエへの想いも、綺麗さっぱりなくなっちまえばいい。