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へし切長谷部は、またしても主に裏切られる。
今回の持ち主は、本当に下劣な人間で、近侍である自分を手酷く扱い、犯した。
そこに、愛は微塵も感じない。主との性行為は、交尾にも劣る侵略行為のようなものだった。
絶望の日々。虚ろになっていく自分の中身。
そんな最低な日常を送っていたのだが、ある時、主である審神者が、政府により解任されることになった。
もう少し遅かったら、自分が斬り殺していたかもしれない。
現審神者が去ると、新しく別の人間がやって来て、本丸を引き継ぐ。その新しい主にも、期待はしないでおこう。長谷部はそう思った。
前の主のように、刀たちに、めちゃくちゃな戦いを強いたり、性奴隷のような扱いをしてきなるような者だったなら、すぐに首を落としてやろうと考える。
そして、やって来た審神者は、白布で顔を隠した、着流し姿の男だった。
「どーも。新しい君らの主、やらせてもらいますー」
やる気なさげな声色。まあ、そんなものか、と長谷部は思う。
「近侍の、へし切長谷部だな?」
「はい」
「顔が死んでるなぁ」
審神者は、長谷部の片手を両手で包み込み、そう言った。それから、長谷部を座らせて、優しく頭を撫でる。
「今まで、辛かったな。大変だったな。悲しかったな」
「…………ッ!?」
優しい手つき。優しい声音。優しい空気。
それに、びくりと体を震わせて、驚いてしまう長谷部。
さらには、虚ろな中身に、大量の水があふれ出した。それは、目から涙として流れ落ち、自らの手の甲へとポタポタ落ちる。
声を出さないように唇を噛み締め、堪えていると、審神者がそれを見て、「泣いてもいいんだぞ?」と幼子をあやすように言葉をかけた。
「主……俺は、良い刀でありたかったんです……」
「うん」
「ただ、それだけだったんです……」
「うん」
それだけだった。それで、前審神者の蛮行を許してしまったのである。
長谷部は、優しく相槌を打つ審神者に、ついにはすがり付いてしまう。
審神者は、自らも座り、長谷部を抱き締めた。そして、その背を優しく叩く。
「長谷部は、良い刀だよ」
「……ありがとうございます」
すがり付いた自分を許してくれたことにも、褒めてもらえたことにも、感謝を捧げた。
今回の持ち主は、本当に下劣な人間で、近侍である自分を手酷く扱い、犯した。
そこに、愛は微塵も感じない。主との性行為は、交尾にも劣る侵略行為のようなものだった。
絶望の日々。虚ろになっていく自分の中身。
そんな最低な日常を送っていたのだが、ある時、主である審神者が、政府により解任されることになった。
もう少し遅かったら、自分が斬り殺していたかもしれない。
現審神者が去ると、新しく別の人間がやって来て、本丸を引き継ぐ。その新しい主にも、期待はしないでおこう。長谷部はそう思った。
前の主のように、刀たちに、めちゃくちゃな戦いを強いたり、性奴隷のような扱いをしてきなるような者だったなら、すぐに首を落としてやろうと考える。
そして、やって来た審神者は、白布で顔を隠した、着流し姿の男だった。
「どーも。新しい君らの主、やらせてもらいますー」
やる気なさげな声色。まあ、そんなものか、と長谷部は思う。
「近侍の、へし切長谷部だな?」
「はい」
「顔が死んでるなぁ」
審神者は、長谷部の片手を両手で包み込み、そう言った。それから、長谷部を座らせて、優しく頭を撫でる。
「今まで、辛かったな。大変だったな。悲しかったな」
「…………ッ!?」
優しい手つき。優しい声音。優しい空気。
それに、びくりと体を震わせて、驚いてしまう長谷部。
さらには、虚ろな中身に、大量の水があふれ出した。それは、目から涙として流れ落ち、自らの手の甲へとポタポタ落ちる。
声を出さないように唇を噛み締め、堪えていると、審神者がそれを見て、「泣いてもいいんだぞ?」と幼子をあやすように言葉をかけた。
「主……俺は、良い刀でありたかったんです……」
「うん」
「ただ、それだけだったんです……」
「うん」
それだけだった。それで、前審神者の蛮行を許してしまったのである。
長谷部は、優しく相槌を打つ審神者に、ついにはすがり付いてしまう。
審神者は、自らも座り、長谷部を抱き締めた。そして、その背を優しく叩く。
「長谷部は、良い刀だよ」
「……ありがとうございます」
すがり付いた自分を許してくれたことにも、褒めてもらえたことにも、感謝を捧げた。