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「僕は君のことが好きなんだ」
幼馴染みのダグは、頭に長い釘が刺さった後から、そんなことを俺に言うようになった。
イカレてる。
なにせ、嘘みたいな無表情で言うのだ。到底信じられない。
頭の穴がちゃんと塞がれは、俺に妙なことを言うこともなくなるだろう。
と、考えたのが何年前だったか。
なんと、あの男は、ダグはフォート・チキン小学校で理科教師として働くようになってからも、相変わらずイカレていた。あんな男が、小学生にものを教える立場とは。世も末である。
独り言のように、こちらを見もせず、「好きだよ」と街中で偶然————本当に偶然かは疑わしいが、会う度に言ってくる。
それを言われた男の返事は、いつも「早く頭を治せ。お大事にな」だ。
それで短い邂逅は終わるはずだった。
今日は何故か、ダグからもう一言発せられる。
「釘が刺さる前から好きなんだけどね」
「なに? お前、今——————」
「脳へのダメージで、君を好きでいられなくなったら嫌だから、あの日から僕は君に想いを伝えることにしたんだ」
ダグは、こちらを見つめ、いつも通りの感情の読めない声色で語った。
「僕には、やりたいことが幾つかあって……君と過ごすことも入ってる」
「過ごすって?」
「埋めに行ったり」
「……海?」
この男とパラソルの付いたカクテル海辺で飲んだりするのか? 似合わないが。
「他にしたいことは?」
「白人以外の売春婦とヤってみたいけど」
「テメェ!」
男は、ダグの胸ぐらを掴むと、横っ面をひっぱたいた。
幼馴染みのダグは、頭に長い釘が刺さった後から、そんなことを俺に言うようになった。
イカレてる。
なにせ、嘘みたいな無表情で言うのだ。到底信じられない。
頭の穴がちゃんと塞がれは、俺に妙なことを言うこともなくなるだろう。
と、考えたのが何年前だったか。
なんと、あの男は、ダグはフォート・チキン小学校で理科教師として働くようになってからも、相変わらずイカレていた。あんな男が、小学生にものを教える立場とは。世も末である。
独り言のように、こちらを見もせず、「好きだよ」と街中で偶然————本当に偶然かは疑わしいが、会う度に言ってくる。
それを言われた男の返事は、いつも「早く頭を治せ。お大事にな」だ。
それで短い邂逅は終わるはずだった。
今日は何故か、ダグからもう一言発せられる。
「釘が刺さる前から好きなんだけどね」
「なに? お前、今——————」
「脳へのダメージで、君を好きでいられなくなったら嫌だから、あの日から僕は君に想いを伝えることにしたんだ」
ダグは、こちらを見つめ、いつも通りの感情の読めない声色で語った。
「僕には、やりたいことが幾つかあって……君と過ごすことも入ってる」
「過ごすって?」
「埋めに行ったり」
「……海?」
この男とパラソルの付いたカクテル海辺で飲んだりするのか? 似合わないが。
「他にしたいことは?」
「白人以外の売春婦とヤってみたいけど」
「テメェ!」
男は、ダグの胸ぐらを掴むと、横っ面をひっぱたいた。
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