明日は、リウくんとデートだ。
　私は、早めに眠ることにする。
　おやすみなさい。
　そして、翌朝。
　すっきり目覚めた私は、身支度をして、朝食を食べた。
　待ち合わせ時間は、11時。
　さて。どんな服にしようかな。
　少し考えた後、リウくんに合わせてチャイナっぽくすることにした。
　あとは、鞄に必要なものを詰めて、と。これでよし。私は、待ち合わせ場所へ向かう。

「リウくん、お待たせ」
「よう、ボス。全然待ってないよ」
「ふふ。今日も可愛いねぇ」

　そう言って、手を繋ぐと、リウくんは頬を赤らめた。
　ふたりで、映画館へと歩き出す。
　そして、今日が上映初日の「モノノ怪 唐傘」を観た。
　上映終了後。私たちは、近くの喫茶店へ行き、感想会をする。

「いい映画だったね」
「ああ。画作りが好きだなア」
「私も。それと、シスターフッドもよかったなぁ。続編の火鼠も一緒に観ようね」
「そうだな。ボスと一緒がいい」

　私は、向かいに座っているリウくんに手を伸ばした。それに気付いた彼も、私の方へ手を伸ばし、テーブルの上で手を握り合う。
　カラン、とアイスココアの氷が鳴った。

「この後、どうしよっか？」
「オレは、ボスがしたいようにしてほしい」
「分かった。それじゃあ、家に行こうか」
「……ああ」

　昼食を済ませてから、ふたりで私の自宅へ向かう。

「いらっしゃい」
「邪魔する」

　荷物を置いて、手洗いうがいをしてから、ソファーに並んで座った。

「リウくん、膝枕して？」
「どうぞ、ボス」
「ありがとう」

　彼の膝に頭を預けて寝転ぶ。
　リウくんは、優しく頭を撫でてくれた。

「もう少し経ったら、交代ね」
「了解した」

　リウくんの長い三つ編みを指で弄びながら、私は充分リラックスする。

「さ、どうぞ、リウくん」
「ん」

　膝枕して、彼の頭を撫でた。
　リウくんは、うっとりと私を見つめている。

「ボス…………」
「なあに？」
「キスしたい」
「いいよ」

　リウくんの頬に片手を添えて、唇にキスを落とした。
　嬉しそうに目を細める彼氏を見て、私も嬉しくなる。

「ねぇ、リウくん、寝不足でしょ」
「……バレてたか」
「少し眠りなよ。ずっと、こうして傍にいるから」
「うん…………」

　リウくんは、ゆっくり目を閉じて、寝息を立て始めた。
　きっと、今日が楽しみで眠れなかったんだろうな。可愛い。

「おやすみ、リウくん」

　私は、そっと額に口付けた。