アイマス
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突然の雨が、ザーザーと音を立て、打ち付けるように地に降る夏の夕暮れ。
夕立から逃げるために、公園の屋根付きベンチの下に逃げると、ほとんど同時にもうひとり、黒いスーツ姿の男が飛び込んできた。
目が合い、葬式帰りのような風体の男に軽く会釈する。
「その顔、どこかで見たような…………」
男は、アスランの方を見て言う。
「我はアスラン=ベルゼビュートII世! この世の罪全てを着せられ肩に鎮座せし悲しき運命を背負う堕天使サタンに仕えし者なり…………!」
「ベルゼビュート? では、我が友の……? 居を移したのか?」
「えっ?」
まさか、師の関係者なのだろうか?
アスランは瞠目する。
「サタンだと? 随分、威厳のある姿になったものだな……」
これは、たぶん皮肉だ。男は、くつくつと笑う。
「あの……お名前は…………?」
「ああ、今は、ナマエと名乗っているので、そのように」
「ナマエは、サバトの関係者なのか?」
「サバト? 久しく参加していないが。それがどうかしたのか?」
「いや、そうであったか…………」
アスランの探し人とは無関係なようだ。
「はっ!? 我が主に伝令をせねば!」
スマートフォンを取り出し、雨宿りしていることをメッセージで送る。
主、ことプロデューサーは、アスランが待ち合わせに遅れることを了承した。
「余程、その契約者を慕っているようだな」と、真っ黒な男。
「主は、我の恩人。故に、光の民を闇に堕としている」
「我が深き眠りの内にいる間に、人界は様変わりしたのだな。大衆が望む神像も、昔とは違う。だが音楽とは原初の祈りであり、それは今でも変わらぬ様子。汝の策は正しきものなのだろう。いずれ、至高の座に上ることが叶うと良いな」
ナマエは、いつの間にか手にしたスマホで、アイドル衣装のアスランを画面に映していた。
「世界の何処からでも助力に馳せ参じよう。いずれ、また会おう。さらばだ、アスラン」
ナマエが一歩踏み出すと、雨が上がっていく。予想していたように。
事務所へ向かう途中、アスランは美しい虹を見た。
ナマエは、何者だったのだろう?
あれから、アスランは何度か公園に足を運んだが、蛙や猫としか出くわさなかった。
ふたりの言葉は噛み合わなかったが、不思議と悪い気はしていない。
カフェパレードのライブの際、ステージ上から黒いスーツのナマエを見付けるのは、もう少し後のことである。
夕立から逃げるために、公園の屋根付きベンチの下に逃げると、ほとんど同時にもうひとり、黒いスーツ姿の男が飛び込んできた。
目が合い、葬式帰りのような風体の男に軽く会釈する。
「その顔、どこかで見たような…………」
男は、アスランの方を見て言う。
「我はアスラン=ベルゼビュートII世! この世の罪全てを着せられ肩に鎮座せし悲しき運命を背負う堕天使サタンに仕えし者なり…………!」
「ベルゼビュート? では、我が友の……? 居を移したのか?」
「えっ?」
まさか、師の関係者なのだろうか?
アスランは瞠目する。
「サタンだと? 随分、威厳のある姿になったものだな……」
これは、たぶん皮肉だ。男は、くつくつと笑う。
「あの……お名前は…………?」
「ああ、今は、ナマエと名乗っているので、そのように」
「ナマエは、サバトの関係者なのか?」
「サバト? 久しく参加していないが。それがどうかしたのか?」
「いや、そうであったか…………」
アスランの探し人とは無関係なようだ。
「はっ!? 我が主に伝令をせねば!」
スマートフォンを取り出し、雨宿りしていることをメッセージで送る。
主、ことプロデューサーは、アスランが待ち合わせに遅れることを了承した。
「余程、その契約者を慕っているようだな」と、真っ黒な男。
「主は、我の恩人。故に、光の民を闇に堕としている」
「我が深き眠りの内にいる間に、人界は様変わりしたのだな。大衆が望む神像も、昔とは違う。だが音楽とは原初の祈りであり、それは今でも変わらぬ様子。汝の策は正しきものなのだろう。いずれ、至高の座に上ることが叶うと良いな」
ナマエは、いつの間にか手にしたスマホで、アイドル衣装のアスランを画面に映していた。
「世界の何処からでも助力に馳せ参じよう。いずれ、また会おう。さらばだ、アスラン」
ナマエが一歩踏み出すと、雨が上がっていく。予想していたように。
事務所へ向かう途中、アスランは美しい虹を見た。
ナマエは、何者だったのだろう?
あれから、アスランは何度か公園に足を運んだが、蛙や猫としか出くわさなかった。
ふたりの言葉は噛み合わなかったが、不思議と悪い気はしていない。
カフェパレードのライブの際、ステージ上から黒いスーツのナマエを見付けるのは、もう少し後のことである。