アイマス
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
わたしは、きみの何なんだろう?
「君は、ボクの大切な友人だよ」と、有村麻央は答えるのだろう。
ミョウジナマエは、胸の奥がもやもやした。
ナマエと麻央は、幼馴染みである。小さな頃、お姫様と王子様を交代しながら遊んでいたことは、記憶に新しい。
ナマエは、男の体を持つが、性自認は女である。
15歳になったふたりは、街で「どっちがどっち?」とよく訊かれた。
ふたりとも、中性的な容姿なのである。
その質問には答えず、ナンパにも応えず、ふたりは去って行く。
いつものことだ。
「ナマエは、どっちになりたい?」
「え?」
隣を歩く麻央の、突然の質問。
「お姫様と王子様、どっちがいい?」
「わたしは、どっちにもなれないよ」
立ち止まり、悲しそうに笑えば、麻央の両手は、ナマエの手を握る。
「そんなに君を苦しめる世界が嫌だ」
「麻央…………」
彼女は、端正な顔を歪めて、怒っていた。ナマエのために。
「わたしはね、魔女になるの」
「魔女?」
「そう。自分の願いを自分で叶える魔女になりたい」
ナマエは、麻央の髪を撫でた。
「だから、心配しないで。わたしは、大丈夫だよ」
「でも、ナマエの夢は……っ!」
「しーっ。内緒だよ」
人差し指を唇に当てられて、黙る麻央。
「うん。そうだね。君の願いは、君のものだ。ボクは、応援しているよ」
「ありがとう」
少女たちは、夕暮れ時を歩いて行く。
◆◆◆
昔々、ひとりの女の子がいました。
その子は、体は男の子でした。
ひとりで泣いていると、王子様がやって来て、「大丈夫だよ、お姫様」と言いました。
「ボクが、必ず君を助けるから」
「ありがとう、王子様」
だけど、知っていたのです。王子様もまた、お姫様であることを。
だから、少女は考えました。
わたしは、魔女になろう。
強くて賢くて美しい、そんな魔女になろう。
繊細なガラス細工のような心を、優しくくるんでくれた王子様。
ありがとう。だけど、きみは、きみの幸せのために生きて。
それが、魔女になりたい少女の最初の願いでした。
時は流れ、王子様は、星の下で様々な強さを身に付けていきます。
まさに、輝く星のようでした。
綺羅星のような王子様は、救うべきお姫様を探しています。
そのお姫様は、自分の中にいました。
まずは、その娘を助けてあげよう。
王子様は、そっと、お姫様に手を伸ばします。
蛍石で出来たお姫様は、少し怯えながら、王子様の手を取りました。
魔女は、それを見守っています。いつまでも、優しく見つめています。
「君は、ボクの大切な友人だよ」と、有村麻央は答えるのだろう。
ミョウジナマエは、胸の奥がもやもやした。
ナマエと麻央は、幼馴染みである。小さな頃、お姫様と王子様を交代しながら遊んでいたことは、記憶に新しい。
ナマエは、男の体を持つが、性自認は女である。
15歳になったふたりは、街で「どっちがどっち?」とよく訊かれた。
ふたりとも、中性的な容姿なのである。
その質問には答えず、ナンパにも応えず、ふたりは去って行く。
いつものことだ。
「ナマエは、どっちになりたい?」
「え?」
隣を歩く麻央の、突然の質問。
「お姫様と王子様、どっちがいい?」
「わたしは、どっちにもなれないよ」
立ち止まり、悲しそうに笑えば、麻央の両手は、ナマエの手を握る。
「そんなに君を苦しめる世界が嫌だ」
「麻央…………」
彼女は、端正な顔を歪めて、怒っていた。ナマエのために。
「わたしはね、魔女になるの」
「魔女?」
「そう。自分の願いを自分で叶える魔女になりたい」
ナマエは、麻央の髪を撫でた。
「だから、心配しないで。わたしは、大丈夫だよ」
「でも、ナマエの夢は……っ!」
「しーっ。内緒だよ」
人差し指を唇に当てられて、黙る麻央。
「うん。そうだね。君の願いは、君のものだ。ボクは、応援しているよ」
「ありがとう」
少女たちは、夕暮れ時を歩いて行く。
◆◆◆
昔々、ひとりの女の子がいました。
その子は、体は男の子でした。
ひとりで泣いていると、王子様がやって来て、「大丈夫だよ、お姫様」と言いました。
「ボクが、必ず君を助けるから」
「ありがとう、王子様」
だけど、知っていたのです。王子様もまた、お姫様であることを。
だから、少女は考えました。
わたしは、魔女になろう。
強くて賢くて美しい、そんな魔女になろう。
繊細なガラス細工のような心を、優しくくるんでくれた王子様。
ありがとう。だけど、きみは、きみの幸せのために生きて。
それが、魔女になりたい少女の最初の願いでした。
時は流れ、王子様は、星の下で様々な強さを身に付けていきます。
まさに、輝く星のようでした。
綺羅星のような王子様は、救うべきお姫様を探しています。
そのお姫様は、自分の中にいました。
まずは、その娘を助けてあげよう。
王子様は、そっと、お姫様に手を伸ばします。
蛍石で出来たお姫様は、少し怯えながら、王子様の手を取りました。
魔女は、それを見守っています。いつまでも、優しく見つめています。