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 シオンタウン出身で、ノモセシティに研究所を構えている私は、現在はパルデア地方に出向き、アカデミーにて特別講師をしている。
 希望者を募り、ノモセ大湿原のポケモン生態学の講義をした。
 テキストは、自著である『湿原におけるポケモンの生態と多様性保全』だ。
 相棒ポケモンのマスキッパをダークボールから出して、蔓の伸縮性の話をしていると、チャイムが鳴る。

「では、今回はここまで。何か質問があれば、遠慮なく尋ねてほしい」

 そう告げてから、マスキッパをボールに戻し、職員室へ向かった。

「お疲れ様です」
「お疲れ様、ジニア先生」

 休憩時間は、彼と話すことが多い。類は友を呼ぶ。

「今日は、どんな授業を?」
「マスキッパの生態についてです」
「いいですねぇ。パルデアでは、あまり見かけませんから」
「ええ。みんな、興味深そうでした」

 ガラル地方を旅した時も、大層珍しがられたものだ。

「実は、先生にお願いがありまして」
「なんでしょう?」
「こちらに、サインをいただけると嬉しいです」
「……ご購入ありがとうございます」
「いえいえ」

 まさか、『湿原におけるポケモンの生態と多様性保全』をジニア先生が所持しているとは。

「あの、でしたら、私も頼みがありまして」
「なんですかぁ?」
「こちらに、サインをお願いします」

 ジニア先生のウミディグダについての著書を差し出す。

「わあっ。ありがとうございます」
「いえいえ」

 お互いに、自著にサインを書いた。
 不思議なものだな。世界ポケモン生態学会に所属している私たちは、オンライン上でしか顔を見たことがなかったのに。今は、同僚としてアカデミーで対面している。
「どうぞ」「ありがとうございます」と、お互いのサイン本を渡し合う。

「宝物が増えましたぁ」

 屈託なく笑う彼につられて、私も口角を上げた。

「ゴーストとドクロッグの講義も、いずれはするんですか?」
「はい。その予定です」

 ゴーストは、私の初めての友達であり、ドクロッグは、グレッグルだった頃に大湿原で捕獲したポケモンである。
 しばらく、ジニア先生と話した後、自分のデスクに戻った。
 デスクの上には、ノモセではポピュラーなグレッグルの置き物がある。
 少しだけ、ノモセを恋しく思った。
 パルデアでの研究が一段落したら、一度帰ろう。
 私は、コーヒーを飲み、一息つく。
 さて、では、キラーメの鉱石毒についての研究を再開しようか。
『毒性のあるポケモンの生態と人体への影響について』の執筆が終わったら、次は何をしよう?
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