ポケモン
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宝を探し、今日もパルデア地方を旅する。
数奇な出会いをしたミライドンにライドし、少年、ナマエはポケモンたちを連れて冒険をした。
相棒ポケモンは、かつてはクワッスだったウェーニバル。他には、キラーメとドオーとブロロンとシルシュルーとハブネークがいる。
日々、グレープアカデミーで学んだり、ネモとバトルしたり、ジムを回ったり、スター団の謎を追ったり、ヌシを倒したりしてきた。
潜鋼のヌシのミミズズを倒した時、ペパーの喜ぶ顔が見られるかと思ったのだが。彼のマフィティフには変化はなく、落胆したようだった。
「ペパー」
「なんだ? ナマエ」
「あ、えっと、サンドウィッチ、美味しいよ」
「相変わらず、食いしん坊ちゃんだな」
ペパーは、少し笑顔を見せる。
「僕さ、ヌシをみんな倒すから」
「ああ、ありがとうな」
複雑な表情をするペパー。ナマエは背伸びをして、その彼の頭を撫でた。
「な、なんだよ? ナマエ……」
「なんとなく。こうしたくて」
本当は、抱き締めたかったけれど。今はまだ、このくらいで。
歳下に撫でられるのって嫌だったかな?
自分から目線を外しているペパーの顔色を窺うと、ほんのり頬を赤く染めていた。照れているらしい。
可愛いな、と思った。幸せになってほしいな、と思った。
「そうそう、僕ね、中間テスト全部満点だったよ!」
「お? そうなのか。偉い子ちゃんだな」
「期末テストも満点取る!」
「がんばれよ、ナマエ」
「うん、ありがとう」
それからは、他愛ない話をする。スマホロトムに記録したナマエの思い出を見せたり、様々なバトルの話をした。
ペパーは、優しい表情でナマエを見つめる。
その顔を横目で見て、ナマエは思った。
君が、ずっと笑っていられたらいいのに。そのためなら、僕は、なんだってがんばれる気がするんだ。
その想いは、煌めく宝石のよう。ナマエは、今はまだ、その宝石の在処に気付いていない。
「さて、そろそろ解散するか」
「うん。またね、ペパー」
「またな、ナマエ」
手を振り、ふたりは別れた。
「ギャッス!」
「どうしたの? ミライドン」
「アギャス」
「ああ、走りたいんだね? それじゃ、ライドさせてもらおうかな」
ナマエはミライドンに乗り、走る。
次は、どこへ行こうかな?
しばし考えて、チャンプルジムを目指すことにした。
モンスターボールから、ウェーニバルを出し、ナマエは笑いかける。
「ノーマルタイプなら、格闘技で有利を取れるもんね!」
「グワァ!」
「さあ、チャンプルタウンへ行こう!」
少年は、ポケモンたちと共に、宝探しを続けていくのだった。
◆◆◆
少年の旅のお供は、ウェーニバルとドオーとキラフロルとブロロロームとタギングルとハブネーク。それから、ミライドン。
ヌシを全て倒し、ジムチャレンジを全てクリアし、スターダスト大作戦を終えた。
そして、四天王とオモダカを下し、ライバルのネモとバトルする。
負けるかと思った。相手のパーモットが、ウェーニバルより早く動き、倒されたからだ。
パーモットが、でんこうそうげきをしていたから、電気タイプの特性がなくなったため、ハブネークのへびにらみで麻痺させられた。
その後は、キラフロルが残した毒びしが、ネモのポケモンたちを襲う。
最後は、ウェーニバルのウェーブタックルでラウドボーンを倒した。
少年、ナマエとネモは、固く握手を交わす。
そして、寮の自室へ帰ると、ペパーから連絡がきた。エリアゼロへ向かうメンバーが揃った、と。
僕の宝物は、どこにあるんだろう?
ボタンは、スター団が宝物だって言ってた。ネモは、ライバルの僕が宝物だって言ってた。
ペパーの宝物は、なんだろう?
あの大穴へ行けば、僕の探し物が見付かる?
どうだろう。分かんないや。
それでも、ナマエはエリアゼロへ向かうのだろう。
ペパーは、大切な友達だから。一緒に行きたい。
ペパーと、ボタンと、ネモと結んだ友情は、確かに少年の心に根付いていた。
みんなとなら、僕はどこまでも行ける。
そう思った。
ナマエは、ベッドに仰向けに寝転び、伸びをする。
「見付けるんだ。世界で一番の特別を」
すでに芽吹いている感情の名前を、少年は知らない。
ペパーに、世界で一番幸せになってほしい、とか。君の笑顔を誰よりも近くで見ていたい、とか。
そんなことばかり考えているのだが、この気持ちの名前を、まだ知らないままだ。
ナマエは、自分の想いを友愛だと勘違いしている。
それは、ペパーも同じことで、ナマエを親友だと思っていた。その友情は真実だが、別の色が混ざってもいる。
感情のグラデーションの全てに名前が付いている訳ではない。それに名前を付けるのは、自分自身。
友愛も、信頼も、恋しさも、愛しさも。全ては、己の定義付け次第だ。
だから、ふたりはまだ、その宝物を眠らせている。
いずれ、目を覚ます時には、君の隣で。
深層意識では、ふたりの気持ちは同じだった。
それが浮上し、花実をつけたら、きっと笑い合えるはずだから。もう少しだけ、このままでいよう。
◆◆◆
エリアゼロの深層にあった真実は、残酷なものだった。ペパーの父、フトゥーは亡くなっていたのである。
ペパーは、「大丈夫」だって笑ったけど、僕は心配だ。
ナマエは、親友のことを想う。
愛してるなら、傍にいてあげてよ。ずっと一緒にいてあげてよ。幸せにしてあげてよ。
死者への文句がたくさん出てくる。
エリアゼロでの冒険を終えた後、ナマエはジムを回り、再戦をしたり、学校最強大会で優勝したり、活躍を見せた。
そして、友人たちと友情を深め、結んだ絆を愛しく想う。
ある日、寮のペパーの部屋を訪れ、ナマエは言った。
「ペパーは、料理人になるんでしょ? 僕は、何になりたいのか分からないんだ」
「珍しく、しょげてんな、ナマエ」
少し心配そうな表情で、ペパーはナマエを見る。
「でもね、宝物は見付けたよ」
「お? そうなのか。やったな! ナマエ」
「僕の宝物は、ペパーと会えたことだ」
「へ?」
ナマエは、両手でペパーの手を取った。
「僕、ペパーのことが好きだよ。愛してる」
「な、なに言ってんだよ……ナマエ…………」
「ずっと傍にはいられないかもしれないけど、必ず君の元へ帰るから、だから、僕と付き合ってください」
ペパーは、顔が熱くなるのを感じる。握られてない方の手で、口元を隠した。
「オレのこと、特別にしてくれるのか?」
恐る恐る、そんな質問をする。
「世界で一番、特別だよ!」
「ずっと、特別にしてくれなきゃ、イヤだ」
「ずっとだよ!」
「ナマエ……!」
ペパーは、自分より小さな体を抱き締めた。ナマエは、両腕を首元にそっと回す。
「ありがとうな……オレのこと、見付けてくれて…………」
「うん」
ナマエは背伸びをして、そっとペパーの頬にキスをした。
「大好きだよ、ペパー!」
「オレも、ナマエのことが大好きだ……!」
嬉し涙を流しながら、ペパーは言う。ナマエは、その涙を指で拭った。
「泣かないで」
「泣いてない!」
「あはは」
ナマエには、まだまだやりたいことがある。だから、冒険は続く。しかし、船が必ず港に寄るように、ペパーの隣に帰るから。どうか、待っていてほしい。
「僕、また旅に出るけど、待っててくれる?」
「ああ。帰って来たら、美味い料理作ってやるよ」
「ありがとう! 楽しみにしてる」
満面の笑みで、ナマエは言った。ペパーも笑顔を見せる。
「僕は、ポケモン図鑑を完成させたいし、珍しいものを見付けたいし、歴史にも興味があるんだ。全部見届けてね?」
「欲張りちゃんだな、ナマエは。いいぜ、オレがずっと、オマエを見ててやるよ」
「それなら、僕は安心して旅立てる」
翌日。ナマエはポケモンたちと旅に出た。
「いってきます」
「いってらっしゃい。気を付けてな」
「うん!」
手を大きく振り、ナマエは駆けて行く。
その姿を見送り、「おかえり」を言う日を楽しみにするペパーだった。
ふたりの人生は、こうして続いていく。
数奇な出会いをしたミライドンにライドし、少年、ナマエはポケモンたちを連れて冒険をした。
相棒ポケモンは、かつてはクワッスだったウェーニバル。他には、キラーメとドオーとブロロンとシルシュルーとハブネークがいる。
日々、グレープアカデミーで学んだり、ネモとバトルしたり、ジムを回ったり、スター団の謎を追ったり、ヌシを倒したりしてきた。
潜鋼のヌシのミミズズを倒した時、ペパーの喜ぶ顔が見られるかと思ったのだが。彼のマフィティフには変化はなく、落胆したようだった。
「ペパー」
「なんだ? ナマエ」
「あ、えっと、サンドウィッチ、美味しいよ」
「相変わらず、食いしん坊ちゃんだな」
ペパーは、少し笑顔を見せる。
「僕さ、ヌシをみんな倒すから」
「ああ、ありがとうな」
複雑な表情をするペパー。ナマエは背伸びをして、その彼の頭を撫でた。
「な、なんだよ? ナマエ……」
「なんとなく。こうしたくて」
本当は、抱き締めたかったけれど。今はまだ、このくらいで。
歳下に撫でられるのって嫌だったかな?
自分から目線を外しているペパーの顔色を窺うと、ほんのり頬を赤く染めていた。照れているらしい。
可愛いな、と思った。幸せになってほしいな、と思った。
「そうそう、僕ね、中間テスト全部満点だったよ!」
「お? そうなのか。偉い子ちゃんだな」
「期末テストも満点取る!」
「がんばれよ、ナマエ」
「うん、ありがとう」
それからは、他愛ない話をする。スマホロトムに記録したナマエの思い出を見せたり、様々なバトルの話をした。
ペパーは、優しい表情でナマエを見つめる。
その顔を横目で見て、ナマエは思った。
君が、ずっと笑っていられたらいいのに。そのためなら、僕は、なんだってがんばれる気がするんだ。
その想いは、煌めく宝石のよう。ナマエは、今はまだ、その宝石の在処に気付いていない。
「さて、そろそろ解散するか」
「うん。またね、ペパー」
「またな、ナマエ」
手を振り、ふたりは別れた。
「ギャッス!」
「どうしたの? ミライドン」
「アギャス」
「ああ、走りたいんだね? それじゃ、ライドさせてもらおうかな」
ナマエはミライドンに乗り、走る。
次は、どこへ行こうかな?
しばし考えて、チャンプルジムを目指すことにした。
モンスターボールから、ウェーニバルを出し、ナマエは笑いかける。
「ノーマルタイプなら、格闘技で有利を取れるもんね!」
「グワァ!」
「さあ、チャンプルタウンへ行こう!」
少年は、ポケモンたちと共に、宝探しを続けていくのだった。
◆◆◆
少年の旅のお供は、ウェーニバルとドオーとキラフロルとブロロロームとタギングルとハブネーク。それから、ミライドン。
ヌシを全て倒し、ジムチャレンジを全てクリアし、スターダスト大作戦を終えた。
そして、四天王とオモダカを下し、ライバルのネモとバトルする。
負けるかと思った。相手のパーモットが、ウェーニバルより早く動き、倒されたからだ。
パーモットが、でんこうそうげきをしていたから、電気タイプの特性がなくなったため、ハブネークのへびにらみで麻痺させられた。
その後は、キラフロルが残した毒びしが、ネモのポケモンたちを襲う。
最後は、ウェーニバルのウェーブタックルでラウドボーンを倒した。
少年、ナマエとネモは、固く握手を交わす。
そして、寮の自室へ帰ると、ペパーから連絡がきた。エリアゼロへ向かうメンバーが揃った、と。
僕の宝物は、どこにあるんだろう?
ボタンは、スター団が宝物だって言ってた。ネモは、ライバルの僕が宝物だって言ってた。
ペパーの宝物は、なんだろう?
あの大穴へ行けば、僕の探し物が見付かる?
どうだろう。分かんないや。
それでも、ナマエはエリアゼロへ向かうのだろう。
ペパーは、大切な友達だから。一緒に行きたい。
ペパーと、ボタンと、ネモと結んだ友情は、確かに少年の心に根付いていた。
みんなとなら、僕はどこまでも行ける。
そう思った。
ナマエは、ベッドに仰向けに寝転び、伸びをする。
「見付けるんだ。世界で一番の特別を」
すでに芽吹いている感情の名前を、少年は知らない。
ペパーに、世界で一番幸せになってほしい、とか。君の笑顔を誰よりも近くで見ていたい、とか。
そんなことばかり考えているのだが、この気持ちの名前を、まだ知らないままだ。
ナマエは、自分の想いを友愛だと勘違いしている。
それは、ペパーも同じことで、ナマエを親友だと思っていた。その友情は真実だが、別の色が混ざってもいる。
感情のグラデーションの全てに名前が付いている訳ではない。それに名前を付けるのは、自分自身。
友愛も、信頼も、恋しさも、愛しさも。全ては、己の定義付け次第だ。
だから、ふたりはまだ、その宝物を眠らせている。
いずれ、目を覚ます時には、君の隣で。
深層意識では、ふたりの気持ちは同じだった。
それが浮上し、花実をつけたら、きっと笑い合えるはずだから。もう少しだけ、このままでいよう。
◆◆◆
エリアゼロの深層にあった真実は、残酷なものだった。ペパーの父、フトゥーは亡くなっていたのである。
ペパーは、「大丈夫」だって笑ったけど、僕は心配だ。
ナマエは、親友のことを想う。
愛してるなら、傍にいてあげてよ。ずっと一緒にいてあげてよ。幸せにしてあげてよ。
死者への文句がたくさん出てくる。
エリアゼロでの冒険を終えた後、ナマエはジムを回り、再戦をしたり、学校最強大会で優勝したり、活躍を見せた。
そして、友人たちと友情を深め、結んだ絆を愛しく想う。
ある日、寮のペパーの部屋を訪れ、ナマエは言った。
「ペパーは、料理人になるんでしょ? 僕は、何になりたいのか分からないんだ」
「珍しく、しょげてんな、ナマエ」
少し心配そうな表情で、ペパーはナマエを見る。
「でもね、宝物は見付けたよ」
「お? そうなのか。やったな! ナマエ」
「僕の宝物は、ペパーと会えたことだ」
「へ?」
ナマエは、両手でペパーの手を取った。
「僕、ペパーのことが好きだよ。愛してる」
「な、なに言ってんだよ……ナマエ…………」
「ずっと傍にはいられないかもしれないけど、必ず君の元へ帰るから、だから、僕と付き合ってください」
ペパーは、顔が熱くなるのを感じる。握られてない方の手で、口元を隠した。
「オレのこと、特別にしてくれるのか?」
恐る恐る、そんな質問をする。
「世界で一番、特別だよ!」
「ずっと、特別にしてくれなきゃ、イヤだ」
「ずっとだよ!」
「ナマエ……!」
ペパーは、自分より小さな体を抱き締めた。ナマエは、両腕を首元にそっと回す。
「ありがとうな……オレのこと、見付けてくれて…………」
「うん」
ナマエは背伸びをして、そっとペパーの頬にキスをした。
「大好きだよ、ペパー!」
「オレも、ナマエのことが大好きだ……!」
嬉し涙を流しながら、ペパーは言う。ナマエは、その涙を指で拭った。
「泣かないで」
「泣いてない!」
「あはは」
ナマエには、まだまだやりたいことがある。だから、冒険は続く。しかし、船が必ず港に寄るように、ペパーの隣に帰るから。どうか、待っていてほしい。
「僕、また旅に出るけど、待っててくれる?」
「ああ。帰って来たら、美味い料理作ってやるよ」
「ありがとう! 楽しみにしてる」
満面の笑みで、ナマエは言った。ペパーも笑顔を見せる。
「僕は、ポケモン図鑑を完成させたいし、珍しいものを見付けたいし、歴史にも興味があるんだ。全部見届けてね?」
「欲張りちゃんだな、ナマエは。いいぜ、オレがずっと、オマエを見ててやるよ」
「それなら、僕は安心して旅立てる」
翌日。ナマエはポケモンたちと旅に出た。
「いってきます」
「いってらっしゃい。気を付けてな」
「うん!」
手を大きく振り、ナマエは駆けて行く。
その姿を見送り、「おかえり」を言う日を楽しみにするペパーだった。
ふたりの人生は、こうして続いていく。