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番井孝人さんと付き合い始めた。
俺の部屋で、ベッドに並んで座っている。勝手に距離を詰めてから、彼に尋ねた。
「孝人さんは、俺のどこが好き?」
「そうですね、勢いのあるところ、でしょうか」
「そっかぁ」
まあ、勢いで生きてるしな。
「会長さんは、僕のどこが好き、ですか?」
全部! と言いたいところだけど、まだ全てを知ってるワケじゃないしなぁ。
「可愛いとこっすね!」
「可愛い……?」
「あ、見た目だけの話じゃなくって、人間性が! 凄く人間ですよね!」
何を言ってるんだろう。人間なのは、そりゃそうなんだけど。孝人さんを孝人さん足らしめるもの、それがとても愛しい。
「要するに、孝人さんは人間らしくて、そういうとこが、俺は好きっす!」
「そうですか……」
ほんのり頬を染める彼氏。可愛いね。
孝人さんの肩に頭を預けて、手を握る。
「……ッ!?」
「いやぁ、好きだなぁって思って。へへ」
「僕も、好きです…………」
「ありがとうございます!」
「こちらこそ」
こういうのって、きっと、いくつもある幸せのカタチのひとつだ。
俺は、この人といれば、幸せでいられる。
◆◆◆
あなたは、僕より小さいのに、いつも見上げているような気持ちになる。あなたを見上げて、手を重ねて祈りながら、膝をついて、ゆるしを乞うている。
どうか、僕を嫌わないで。そして、出来ることなら、“タカヒト”を認めてください。褒めてください。全部を愛してください。
でも、それを口に出来ない。
番井孝人を受け入れてくれたあなたに、これ以上のワガママを言うことが出来ずにいる。
あなたに触れられると、とても嬉しい。あなたの笑顔が、自分だけに向けられているのが、とても嬉しい。あなたの心の片隅に、僕がいるのなら、望外の喜びだ。
だから、これ以上は。これ以上を望むのは、いけないことだ。
それなのに、いつも考えてしまう。あなたが続けてもいいと言ってくれた“タカヒト”を、好きになってくれないだろうかと。
出版社によってボロボロにされた“タカヒト”を、あなたが救ってくださいませんか? お願いします。
言えない。だって、客観的に見たら“タカヒト”は、僕は、ろくでもないから。
あなたは、ちゃんと自分を持っている女性で。あんなクズみたいな存在を、全肯定するはずがない。
ああ、でも、あなたにしか救えない。僕は、どうすればいい?
◆◆◆
「孝人さん? どうかしたっすか?」
「いえ、なんでもありません……」
「今度、デートしましょうよ。どこがいいですか?」
「あなたとなら、どこへ行っても楽しいでしょうね」
「へへへ。じゃあ、水族館とか博物館とかがいいですかね? ちょっと気になる展示があって」
「いいですね」
「楽しみだなぁ」
いつまでも、隣にいられますように。
俺の部屋で、ベッドに並んで座っている。勝手に距離を詰めてから、彼に尋ねた。
「孝人さんは、俺のどこが好き?」
「そうですね、勢いのあるところ、でしょうか」
「そっかぁ」
まあ、勢いで生きてるしな。
「会長さんは、僕のどこが好き、ですか?」
全部! と言いたいところだけど、まだ全てを知ってるワケじゃないしなぁ。
「可愛いとこっすね!」
「可愛い……?」
「あ、見た目だけの話じゃなくって、人間性が! 凄く人間ですよね!」
何を言ってるんだろう。人間なのは、そりゃそうなんだけど。孝人さんを孝人さん足らしめるもの、それがとても愛しい。
「要するに、孝人さんは人間らしくて、そういうとこが、俺は好きっす!」
「そうですか……」
ほんのり頬を染める彼氏。可愛いね。
孝人さんの肩に頭を預けて、手を握る。
「……ッ!?」
「いやぁ、好きだなぁって思って。へへ」
「僕も、好きです…………」
「ありがとうございます!」
「こちらこそ」
こういうのって、きっと、いくつもある幸せのカタチのひとつだ。
俺は、この人といれば、幸せでいられる。
◆◆◆
あなたは、僕より小さいのに、いつも見上げているような気持ちになる。あなたを見上げて、手を重ねて祈りながら、膝をついて、ゆるしを乞うている。
どうか、僕を嫌わないで。そして、出来ることなら、“タカヒト”を認めてください。褒めてください。全部を愛してください。
でも、それを口に出来ない。
番井孝人を受け入れてくれたあなたに、これ以上のワガママを言うことが出来ずにいる。
あなたに触れられると、とても嬉しい。あなたの笑顔が、自分だけに向けられているのが、とても嬉しい。あなたの心の片隅に、僕がいるのなら、望外の喜びだ。
だから、これ以上は。これ以上を望むのは、いけないことだ。
それなのに、いつも考えてしまう。あなたが続けてもいいと言ってくれた“タカヒト”を、好きになってくれないだろうかと。
出版社によってボロボロにされた“タカヒト”を、あなたが救ってくださいませんか? お願いします。
言えない。だって、客観的に見たら“タカヒト”は、僕は、ろくでもないから。
あなたは、ちゃんと自分を持っている女性で。あんなクズみたいな存在を、全肯定するはずがない。
ああ、でも、あなたにしか救えない。僕は、どうすればいい?
◆◆◆
「孝人さん? どうかしたっすか?」
「いえ、なんでもありません……」
「今度、デートしましょうよ。どこがいいですか?」
「あなたとなら、どこへ行っても楽しいでしょうね」
「へへへ。じゃあ、水族館とか博物館とかがいいですかね? ちょっと気になる展示があって」
「いいですね」
「楽しみだなぁ」
いつまでも、隣にいられますように。