ジュヴナイル
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辛いのは、嫌いだ。苦いのも、嫌いだ。甘いものだけを食べていたい。
「皆守ィ~。また、カレー食ってんのか、お前は~」
僕は、クラスメイトの皆守甲太郎を煩わせるためだけに話しかけた。
「なんだよ、文句があるのか?」
「文句はねェけどさァ……」
いちゃもんはある。辛酸を舐める、という言葉があるが、それは端的に人生というものを表していると、僕は思う。つまり、辛いとか酸っぱいとか苦いとかは、散々味わう訳だ。人生ってやつは。だから、僕は甘いものだけを食べていたいのである。
皆守の向かいに、スッと座った。
「僕は、実は甘党なんだよ」
「それで?」
「カレーって、少し苦手だ」
「だから?」
「……皆守のこと、よく分からん」
「分かってもらわなくて、結構だが」
取り付く島がない。まあ、僕がウザ絡みしているからだろうけれど。
「≪転校生≫って、どんな奴?」
話題を変えよう。
「…………ありゃ、アホだな」
「アホかァ」
≪転校生≫について話す皆守は、なんだか空気が柔らかくなり、ほんの少し楽しそうにしているように見える。
えーと。あの。えっ? もしかして。
「皆守って、≪転校生≫のこと好きなの?」
「げほッ!」
皆守は、盛大にむせた。面白っ。
「好きなんだ?」
「おま……どういう……意味だよ……?」
「ははは。どういう意味だと思ったんだよ?」
僕は、意地悪く笑った。
「…………」
皆守は、押し黙る。そして、何をするかと思えば。
「……タヒチカレーってのがある」
「はい?」
露骨に話を逸らそうとしてやがる。まあ、僕も鬼じゃないので、乗ってやるか。
「タヒチカレーって、どんなの?」
「バナナ、りんご、マンゴーなどのフルーツをベースに、ココナッツミルクのコクを活かした甘いカレーだ」
「へー。旨そう」
「いいか、カレーには全てがある」
「はァ、そっすか……」
「辛いだけがカレーじゃないってことだ」
「なるほど……」
「ま、お前も屁理屈こねてないで、カレーの奥深さを知るといい」
「うん、そうするよ。ところで、≪転校生≫のどこが好きなの?」
皆守は、頭を抱えだした。
「お前なァ…………」
「僕、口は堅いからさ! 正直に話してごらんよ、皆守くん」
恋愛なの? 友愛なの? それ以外の何かなの?
人間と人間の関係性には、無限の可能性を感じる。人と人との関係には、果てがない。どこまでも深く、強く繋がることが出来るはずだ。
「僕と皆守は、クラスメイト。君と≪転校生≫は、クラスメイトで、その上で何かあるんでしょう?」
僕は、甘い話が大好きである。
「皆守ィ~。また、カレー食ってんのか、お前は~」
僕は、クラスメイトの皆守甲太郎を煩わせるためだけに話しかけた。
「なんだよ、文句があるのか?」
「文句はねェけどさァ……」
いちゃもんはある。辛酸を舐める、という言葉があるが、それは端的に人生というものを表していると、僕は思う。つまり、辛いとか酸っぱいとか苦いとかは、散々味わう訳だ。人生ってやつは。だから、僕は甘いものだけを食べていたいのである。
皆守の向かいに、スッと座った。
「僕は、実は甘党なんだよ」
「それで?」
「カレーって、少し苦手だ」
「だから?」
「……皆守のこと、よく分からん」
「分かってもらわなくて、結構だが」
取り付く島がない。まあ、僕がウザ絡みしているからだろうけれど。
「≪転校生≫って、どんな奴?」
話題を変えよう。
「…………ありゃ、アホだな」
「アホかァ」
≪転校生≫について話す皆守は、なんだか空気が柔らかくなり、ほんの少し楽しそうにしているように見える。
えーと。あの。えっ? もしかして。
「皆守って、≪転校生≫のこと好きなの?」
「げほッ!」
皆守は、盛大にむせた。面白っ。
「好きなんだ?」
「おま……どういう……意味だよ……?」
「ははは。どういう意味だと思ったんだよ?」
僕は、意地悪く笑った。
「…………」
皆守は、押し黙る。そして、何をするかと思えば。
「……タヒチカレーってのがある」
「はい?」
露骨に話を逸らそうとしてやがる。まあ、僕も鬼じゃないので、乗ってやるか。
「タヒチカレーって、どんなの?」
「バナナ、りんご、マンゴーなどのフルーツをベースに、ココナッツミルクのコクを活かした甘いカレーだ」
「へー。旨そう」
「いいか、カレーには全てがある」
「はァ、そっすか……」
「辛いだけがカレーじゃないってことだ」
「なるほど……」
「ま、お前も屁理屈こねてないで、カレーの奥深さを知るといい」
「うん、そうするよ。ところで、≪転校生≫のどこが好きなの?」
皆守は、頭を抱えだした。
「お前なァ…………」
「僕、口は堅いからさ! 正直に話してごらんよ、皆守くん」
恋愛なの? 友愛なの? それ以外の何かなの?
人間と人間の関係性には、無限の可能性を感じる。人と人との関係には、果てがない。どこまでも深く、強く繋がることが出来るはずだ。
「僕と皆守は、クラスメイト。君と≪転校生≫は、クラスメイトで、その上で何かあるんでしょう?」
僕は、甘い話が大好きである。