アイマス
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「ふたりきりだね、ナマエ」
彼女は、私を見つめながら、そう囁く。
「え…………?」
まず私が驚いたのは、彼女、一ノ瀬志希の変わり果てた姿にだった。左目から花が咲き、右目の色は爛々と輝く緑がかった黄色。
「何百年もコールドスリープしてもらってたから、目覚めが悪いかな? どこか不調はある?」
「コールドスリープ?」
「ああ、そっか。副作用で前後の記憶が消えてるのか。じゃ、説明するね、ナマエ。あ、まずは移動しよっか。こっちに来て」
「う、うん」
私は彼女に手を引かれて、少しふらつきながら歩く。後ろを振り返ると、まるで棺みたいな機械が見えた。私は、その中で眠っていたらしい。
何故? 分からない。
志希についていくと、真っ白な空間に椅子が二脚置いてあるだけの部屋に通された。
「ここって病院?」
「ここは、あたしのラボの居住スペース」
そうは言うが、殺風景にもほどがある。
「忘れてた。ちょっと座って待ってて」
「うん…………」
彼女は、自動ドアを抜けて、どこかへ行った。手持ち無沙汰になった私は、キョロキョロと辺りを見回す。しかし、ここにあるのは、一面の白。白。窓はない。ドアは、ふたつ。志希が通って行ったものと、私が連れられてきたもの。どちらも、今は閉じている。なんだか息苦しさを感じた。
「お待たせ~。シキちゃん特製の完全栄養食だよ~」
銀色のスパウトパウチを差し出しながら、彼女は満面の笑みを作る。蓋をひねり、それを飲んでみると、味がしない。
「これ、味がないの?」
それとも、私の味覚がおかしくなってしまったのだろうか?
「味! 要る? 今度から味付けするから、好きな味を教えて?」
「いや、それより状況の説明が先かな…………」
「……そうだったね。食べ終わったら、外へ行こうか」
「え? うん」
私は、味気のない食事を終え、再び彼女に手を引かれる。そうして出た外は…………外には、植物に覆われた廃墟しかなかった。
「何これ…………」
声がかすれる。手足が震える。
「キレイでしょ?」
志希は、屈託なく笑う。本気で綺麗だと思っているのだろう。
「志希…………」
「ん?」
「ふたりきりって、どういう意味?」
「この世界には、あたしとナマエ、ふたりきりって意味だよ」
どうか、夢なら早く覚めて。
彼女は、私を見つめながら、そう囁く。
「え…………?」
まず私が驚いたのは、彼女、一ノ瀬志希の変わり果てた姿にだった。左目から花が咲き、右目の色は爛々と輝く緑がかった黄色。
「何百年もコールドスリープしてもらってたから、目覚めが悪いかな? どこか不調はある?」
「コールドスリープ?」
「ああ、そっか。副作用で前後の記憶が消えてるのか。じゃ、説明するね、ナマエ。あ、まずは移動しよっか。こっちに来て」
「う、うん」
私は彼女に手を引かれて、少しふらつきながら歩く。後ろを振り返ると、まるで棺みたいな機械が見えた。私は、その中で眠っていたらしい。
何故? 分からない。
志希についていくと、真っ白な空間に椅子が二脚置いてあるだけの部屋に通された。
「ここって病院?」
「ここは、あたしのラボの居住スペース」
そうは言うが、殺風景にもほどがある。
「忘れてた。ちょっと座って待ってて」
「うん…………」
彼女は、自動ドアを抜けて、どこかへ行った。手持ち無沙汰になった私は、キョロキョロと辺りを見回す。しかし、ここにあるのは、一面の白。白。窓はない。ドアは、ふたつ。志希が通って行ったものと、私が連れられてきたもの。どちらも、今は閉じている。なんだか息苦しさを感じた。
「お待たせ~。シキちゃん特製の完全栄養食だよ~」
銀色のスパウトパウチを差し出しながら、彼女は満面の笑みを作る。蓋をひねり、それを飲んでみると、味がしない。
「これ、味がないの?」
それとも、私の味覚がおかしくなってしまったのだろうか?
「味! 要る? 今度から味付けするから、好きな味を教えて?」
「いや、それより状況の説明が先かな…………」
「……そうだったね。食べ終わったら、外へ行こうか」
「え? うん」
私は、味気のない食事を終え、再び彼女に手を引かれる。そうして出た外は…………外には、植物に覆われた廃墟しかなかった。
「何これ…………」
声がかすれる。手足が震える。
「キレイでしょ?」
志希は、屈託なく笑う。本気で綺麗だと思っているのだろう。
「志希…………」
「ん?」
「ふたりきりって、どういう意味?」
「この世界には、あたしとナマエ、ふたりきりって意味だよ」
どうか、夢なら早く覚めて。