刀
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「長谷部、お前を刀解しようと思うんだ」
「え……? な、何故ですか?!」
軽い提案をするように審神者が発した言葉に、へし切長谷部は動揺した。
「お前を愛しているからだ」
「主、それは……どういう……」
「もう、敵はいないんだ。つまり、俺達が会うことはもうないだろう。だから結婚しよう」
「主、恐れながら言わせていただきますが……支離滅裂です……」
長谷部は痛ましいものを見る目をしている。
長年の戦いの中で主人の心が疲弊していくのを、一番近くで見てきたのは自分だ。結局、彼の心を守りきれなかった己の無力さに腹が立った。
「ああ、悪い。少し焦ってしまったな。なんせ時間がない。なあ、お前は俺を愛しているか?」
「我が主を敬愛しております」
「そうか、嬉しいよ。それじゃあ、俺とずっと一緒にいてくれるか?」
「……主命とあらば」
悲しそうにも嬉しそうにも見える笑顔で、へし切長谷部は答えた。
「何処へなりとお供しますよ、ナマエ様……」
◆◆◆
「愛しているよ」
彼は、左手の薬指に口付けた。そこには、指輪があった。愛しい者の魂(あるいは霊)がそこにあるかは誰にもわからない。彼だけが存在を信じている。
夕暮れに翳した指輪が、きらりと光った。
2015/07/10
「え……? な、何故ですか?!」
軽い提案をするように審神者が発した言葉に、へし切長谷部は動揺した。
「お前を愛しているからだ」
「主、それは……どういう……」
「もう、敵はいないんだ。つまり、俺達が会うことはもうないだろう。だから結婚しよう」
「主、恐れながら言わせていただきますが……支離滅裂です……」
長谷部は痛ましいものを見る目をしている。
長年の戦いの中で主人の心が疲弊していくのを、一番近くで見てきたのは自分だ。結局、彼の心を守りきれなかった己の無力さに腹が立った。
「ああ、悪い。少し焦ってしまったな。なんせ時間がない。なあ、お前は俺を愛しているか?」
「我が主を敬愛しております」
「そうか、嬉しいよ。それじゃあ、俺とずっと一緒にいてくれるか?」
「……主命とあらば」
悲しそうにも嬉しそうにも見える笑顔で、へし切長谷部は答えた。
「何処へなりとお供しますよ、ナマエ様……」
◆◆◆
「愛しているよ」
彼は、左手の薬指に口付けた。そこには、指輪があった。愛しい者の魂(あるいは霊)がそこにあるかは誰にもわからない。彼だけが存在を信じている。
夕暮れに翳した指輪が、きらりと光った。
2015/07/10