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年が新しくなって、それがなんだというのだろう?
だって、俺の世界は何も変わらないし。俺自身も変われないし。
「ナマエ」
ベッドの上で隣にいる恋人が、俺を呼んだ。
「なあに?」
「明けましておめでとう。今年もよろしくな」
「うん。今年もよろしくね、彰」
おめでとうとは言えない。めでたくないし。
「彰、俺のところにいてよかったの?」
「バーカ。ナマエの側がよかったんだよ」
「そう。嬉しい」
俺が笑うと、顔の右側にある火傷痕が引き攣れる。
彰は、俺のその痕を優しく撫でた。
「彰はさぁ、なんでこの傷痕が好きなの?」
「ナマエが生きてきた証だから」
「へぇ」
ヤクザってのは、傷痕も見栄に昇華するんだな。
「ん……」
「どうした?」
「くすぐったい」
「はは、そうか」
彰は笑って、俺の頭に手を置いた。
「好きだ」
「うん。ありがとう」
現在は、11時過ぎ。
初日の出は見逃したし、一緒に初詣に行く予定もない。
「お腹空いた」と、俺は呟くように言う。
「何が食いたい?」
「ラーメン」
「じゃあ、ラーメン屋か?」
「外出たくない」
「なら、出前だな」
彰は、俺の頭を撫でながら提案した。
「それがいいな」
「了解」
彰がベッドから去り、体温が遠ざかる。
「…………」
俺は、胎児のように体を丸めて、布団にくるまった。
少ししてから。
「ナマエ? 寝たのか?」
「起きてるよ」
布団から腕を出して、ベッドに腰かける彰の手を握る。
「寒い」
「暖房つけ————」
俺は、彰を布団の中に引っ張り込んだ。
「抱き締めててよ」
「……分かったよ」
温かい。
体温が戻ってきた。
「本当は……」
「ん?」
「一緒にいられて嬉しい。もっと会いに来てほしい」
錦山彰の側には、俺だけがいられればいい。
「わりぃな……」
「いいよ……彰は、俺とは違うんだから……」
「そりゃ、どういう意味だ?」
「秘密」
俺には、あんたしかいないのに。あんたには、大切な人が何人もいる。
どうしたら、彰の一番になれるんだろう?
分かんないや。
こんなワガママ、言えないしな。
「……大好きだよ」
「分かってるよ」
彰は、俺の唇にキスした。
愛しい人。ずっと、ここにいてくれたらいいのに。
「ナマエ、元気ねぇな?」
「ちょっと、ね」
「どうしたんだよ?」
「……俺、彰のことが好き過ぎて壊れちゃったみたい」
彰は、目を見開いた後、俺を強く抱き締めた。
「ナマエは強いから大丈夫だ。何度でも直せるだろ」
「そうかな? そうだといいな」
「心配すんな。俺もいるからよ」
「うん……」
目を閉じる。彰の体温だけを感じた。
生きるということは、喪失の痛みの繰り返しなんだと、俺は後に思い知ることになる。
だって、俺の世界は何も変わらないし。俺自身も変われないし。
「ナマエ」
ベッドの上で隣にいる恋人が、俺を呼んだ。
「なあに?」
「明けましておめでとう。今年もよろしくな」
「うん。今年もよろしくね、彰」
おめでとうとは言えない。めでたくないし。
「彰、俺のところにいてよかったの?」
「バーカ。ナマエの側がよかったんだよ」
「そう。嬉しい」
俺が笑うと、顔の右側にある火傷痕が引き攣れる。
彰は、俺のその痕を優しく撫でた。
「彰はさぁ、なんでこの傷痕が好きなの?」
「ナマエが生きてきた証だから」
「へぇ」
ヤクザってのは、傷痕も見栄に昇華するんだな。
「ん……」
「どうした?」
「くすぐったい」
「はは、そうか」
彰は笑って、俺の頭に手を置いた。
「好きだ」
「うん。ありがとう」
現在は、11時過ぎ。
初日の出は見逃したし、一緒に初詣に行く予定もない。
「お腹空いた」と、俺は呟くように言う。
「何が食いたい?」
「ラーメン」
「じゃあ、ラーメン屋か?」
「外出たくない」
「なら、出前だな」
彰は、俺の頭を撫でながら提案した。
「それがいいな」
「了解」
彰がベッドから去り、体温が遠ざかる。
「…………」
俺は、胎児のように体を丸めて、布団にくるまった。
少ししてから。
「ナマエ? 寝たのか?」
「起きてるよ」
布団から腕を出して、ベッドに腰かける彰の手を握る。
「寒い」
「暖房つけ————」
俺は、彰を布団の中に引っ張り込んだ。
「抱き締めててよ」
「……分かったよ」
温かい。
体温が戻ってきた。
「本当は……」
「ん?」
「一緒にいられて嬉しい。もっと会いに来てほしい」
錦山彰の側には、俺だけがいられればいい。
「わりぃな……」
「いいよ……彰は、俺とは違うんだから……」
「そりゃ、どういう意味だ?」
「秘密」
俺には、あんたしかいないのに。あんたには、大切な人が何人もいる。
どうしたら、彰の一番になれるんだろう?
分かんないや。
こんなワガママ、言えないしな。
「……大好きだよ」
「分かってるよ」
彰は、俺の唇にキスした。
愛しい人。ずっと、ここにいてくれたらいいのに。
「ナマエ、元気ねぇな?」
「ちょっと、ね」
「どうしたんだよ?」
「……俺、彰のことが好き過ぎて壊れちゃったみたい」
彰は、目を見開いた後、俺を強く抱き締めた。
「ナマエは強いから大丈夫だ。何度でも直せるだろ」
「そうかな? そうだといいな」
「心配すんな。俺もいるからよ」
「うん……」
目を閉じる。彰の体温だけを感じた。
生きるということは、喪失の痛みの繰り返しなんだと、俺は後に思い知ることになる。
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