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「結婚しようよ」と、俺は言った。
現在、ふたりきりで、俺が錦山彰から与えられたマンションの一室で、ソファーに並んでいる。
「はぁ?」
「だって、もう誰もいないじゃん?」
俺は、彰にもたれかかり、手を握った。
「…………」
彰は、俺を睨むように見ている。
「桐生も、由美ちゃんも、優子ちゃんも。みぃんな、いなくなっちゃった」
わざとらしく溜め息をつく俺。
「俺は、彰のことが好きだよ。いなくならないから、俺を選んでよ」
「ナマエ……」
彰が、空いている手で俺の頬を撫でた。
そして、キスを落とす。
最初は、唇。次に、俺の顔の右側にある大きな火傷痕に。
「彰、俺の傷好きだね? くすぐったい」
「お前は、この傷が一番綺麗だ」
「ありがと」
彰の首元に腕を回して、額を合わせる。
「それで、返事は?」
「……男同士は、結婚出来ねえだろ」
「法的には、でしょ。勝手に結婚式しちゃおうよ」
「お前な……」
「ふたりきりでさぁ、タキシード着てさぁ。彰がシルバーのやつで、俺が黒のやつ」
彰の耳元で囁いた。
「ナマエ」
「なあに?」
「お前の言う通りだ。もう、俺にはナマエしかいない」
「そうだよね」
俺は、くすくす笑う。
抱き締め返す彰の腕の力が、強くなった。
後日。俺たちは、チャペルを貸し切り、結婚式をした。
見届ける人間はいらない。祝福の言葉はない。神に誓いもしない。ただ、お互いだけがふたりの想いの証明。
「愛してる」
「愛してるよ」
タキシード姿で指輪を着けて、俺と彰はキスをした。
それから、写真を一枚だけ撮って、こっそりと所持することにする。
俺は、寝室にそれを飾ったけど。
それに、結婚指輪も着けてるけど。
彰は、写真を飾ってないだろうし、指輪はチェーンを付けて首から下げている。
まあ、メンドクサイことになるからね。
朝、目覚めたら指輪を着ける。
日の光に照らされて、指輪がきらりと光った。
彰は、俺の家に来た時だけ、指輪を着ける。
俺は、それで充分幸せだ。
「彰」
「どうした?」
「愛してる」
両手で彼の手を掴み、そう告げる。
「ああ。俺もだ。ありがとう、ナマエ」
「うん」
キスして、セックスして、一緒に眠った。
先に目覚めた俺は、隣の旦那を見つめる。
険しい表情。悪い夢を見てるんだろう。
「大丈夫。俺がいるよ」と、声をかけて頭を撫でた。
彰は、穏やかな表情になって眠り続ける。
「夢の中でくらい、夢見せてやれよ」
俺は、小さく呟いた。
「ん……おはよう…………」
「おはよう、旦那様」
「なんだそりゃ」
彰は、俺の髪を撫でながら言う。
「はは。彰、夢見た?」
「ナマエが出て来たことだけ覚えてる」
「そっか」
よかった。
俺は、彰の手を取って、指を絡める。
「ずっと一緒にいてね」
「ああ……」
愛してるから、傍にいて。
このささやかな願いは、ゆるされないものだったのだろうか?
現在、ふたりきりで、俺が錦山彰から与えられたマンションの一室で、ソファーに並んでいる。
「はぁ?」
「だって、もう誰もいないじゃん?」
俺は、彰にもたれかかり、手を握った。
「…………」
彰は、俺を睨むように見ている。
「桐生も、由美ちゃんも、優子ちゃんも。みぃんな、いなくなっちゃった」
わざとらしく溜め息をつく俺。
「俺は、彰のことが好きだよ。いなくならないから、俺を選んでよ」
「ナマエ……」
彰が、空いている手で俺の頬を撫でた。
そして、キスを落とす。
最初は、唇。次に、俺の顔の右側にある大きな火傷痕に。
「彰、俺の傷好きだね? くすぐったい」
「お前は、この傷が一番綺麗だ」
「ありがと」
彰の首元に腕を回して、額を合わせる。
「それで、返事は?」
「……男同士は、結婚出来ねえだろ」
「法的には、でしょ。勝手に結婚式しちゃおうよ」
「お前な……」
「ふたりきりでさぁ、タキシード着てさぁ。彰がシルバーのやつで、俺が黒のやつ」
彰の耳元で囁いた。
「ナマエ」
「なあに?」
「お前の言う通りだ。もう、俺にはナマエしかいない」
「そうだよね」
俺は、くすくす笑う。
抱き締め返す彰の腕の力が、強くなった。
後日。俺たちは、チャペルを貸し切り、結婚式をした。
見届ける人間はいらない。祝福の言葉はない。神に誓いもしない。ただ、お互いだけがふたりの想いの証明。
「愛してる」
「愛してるよ」
タキシード姿で指輪を着けて、俺と彰はキスをした。
それから、写真を一枚だけ撮って、こっそりと所持することにする。
俺は、寝室にそれを飾ったけど。
それに、結婚指輪も着けてるけど。
彰は、写真を飾ってないだろうし、指輪はチェーンを付けて首から下げている。
まあ、メンドクサイことになるからね。
朝、目覚めたら指輪を着ける。
日の光に照らされて、指輪がきらりと光った。
彰は、俺の家に来た時だけ、指輪を着ける。
俺は、それで充分幸せだ。
「彰」
「どうした?」
「愛してる」
両手で彼の手を掴み、そう告げる。
「ああ。俺もだ。ありがとう、ナマエ」
「うん」
キスして、セックスして、一緒に眠った。
先に目覚めた俺は、隣の旦那を見つめる。
険しい表情。悪い夢を見てるんだろう。
「大丈夫。俺がいるよ」と、声をかけて頭を撫でた。
彰は、穏やかな表情になって眠り続ける。
「夢の中でくらい、夢見せてやれよ」
俺は、小さく呟いた。
「ん……おはよう…………」
「おはよう、旦那様」
「なんだそりゃ」
彰は、俺の髪を撫でながら言う。
「はは。彰、夢見た?」
「ナマエが出て来たことだけ覚えてる」
「そっか」
よかった。
俺は、彰の手を取って、指を絡める。
「ずっと一緒にいてね」
「ああ……」
愛してるから、傍にいて。
このささやかな願いは、ゆるされないものだったのだろうか?
