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只野工業高校自動車工業科は、ガラの悪そうな男子が多い。
ミョウジナマエもそのひとりで、彩度の低い金髪をしており、片耳ピアスをした男だった。
彼には、ひとつ噂がある。年中、黒色のハイネックを着ているのは、喧嘩でナイフを持ち出されて出来た傷痕を隠しているから、というもの。
「かっちゃん、自車科のミョウジって知ってる?」
「ああ。ハイネックの奴だろ?」
「そうそう。あの噂マジなのかな?」
「さあな」
遠巻きに自車科の生徒たちを見ながら、赤崎眞央と仙堂勝利は、そんな話をした。
「お、いるな」
「いるな」
遠目に、車の整備をしているらしいミョウジナマエが見える。
「なにしてんだ?」
そこに、安藤スバルがやって来た。
「赤崎が、ミョウジのことが気になるんだと」
「ミョウジ? いい奴だよ。喧嘩も強いし」
それは、爽やかな笑顔で言うことなのだろうか?
「やっぱり本当なのか……あの噂…………」
「ああ、ハイネックのやつ? あれはデマ」
「なんだ」
「本人呼ぼう。おーい、ミョウジ!」
「安藤、どした~?」
近付いて来ると、思ったよりも長身のミョウジ。仙堂より少し低いくらいの背丈だ。
「コイツ、電気科の赤崎。ミョウジのことが気になるって」
「そんなら、事務所通してもらわんと~」
「ボケの国から来た人?」と、赤崎。
「いいや、千葉県からだよ。一年の冬にこっち来たんだけど、知らんよな」
「へぇ。ずいぶん遠くから来たな」
「冬に引っ越して来たから、寒くて死ぬかと思ったわ」
「それでか!」
赤崎は、閃いた。
「正解。ミョウジって、寒がりなんだよね」
安藤が笑う。
「あーそれな。首に傷なんてないよ。ほら」
首元を晒すミョウジ。首筋には、傷ひとつない。
「なんだよ、そんなことだったのかよ」
「俺にエンタメを期待してもいいことないよ。千葉なんて、なんも面白くないカスの田舎だし」
「東京近くていいじゃねーか」
反論する赤崎。
「はは。隣つってもな、俺が住んでた九十九里は東京湾の反対。太平洋側だからよ。松戸と市川と浦安辺りは、自分のこと東京と思ってるがな」
「千葉県の闇?」
ミョウジは、乾いた笑いを漏らしている。
「なんか、色々あるんだな…………」
「あ、でも、ここと千葉って共通点あってさ」
「そうなのか?」
「ああ。暴走族がバリバリいるよな」
「全然嬉しくない共通点」
赤崎は、反応に困った。
「ミョウジ、暴走族相手に喧嘩して勝ったらしいよ」
「千葉の暴走族なんて、ダッサいナイフ持ち出してくるような雑魚しかおらんし」
「そこは本当なのかよ!」
今日一大きな声を出す赤崎。
「ダサいナイフって、なんだ?」
仙堂が訊いた。
「バタフライナイフ。めちゃダサい、あれ」
電工ナイフのがいいよな、と赤崎は思った。
「結局、ミョウジって怖い奴?」
「俺、怖くないだろ。タッパはあるけど、筋肉はそんなにだし」
「まあ、かっちゃんと比べたらな」
ミョウジは、「そんじゃ、まあよろしくな。噂は、適宜否定しといてくれや」と言い、去って行く。
「いい奴だろ?」
「悪い奴ではないな、うん」
ミョウジナマエは、ただの寒がりの男である。
ミョウジナマエもそのひとりで、彩度の低い金髪をしており、片耳ピアスをした男だった。
彼には、ひとつ噂がある。年中、黒色のハイネックを着ているのは、喧嘩でナイフを持ち出されて出来た傷痕を隠しているから、というもの。
「かっちゃん、自車科のミョウジって知ってる?」
「ああ。ハイネックの奴だろ?」
「そうそう。あの噂マジなのかな?」
「さあな」
遠巻きに自車科の生徒たちを見ながら、赤崎眞央と仙堂勝利は、そんな話をした。
「お、いるな」
「いるな」
遠目に、車の整備をしているらしいミョウジナマエが見える。
「なにしてんだ?」
そこに、安藤スバルがやって来た。
「赤崎が、ミョウジのことが気になるんだと」
「ミョウジ? いい奴だよ。喧嘩も強いし」
それは、爽やかな笑顔で言うことなのだろうか?
「やっぱり本当なのか……あの噂…………」
「ああ、ハイネックのやつ? あれはデマ」
「なんだ」
「本人呼ぼう。おーい、ミョウジ!」
「安藤、どした~?」
近付いて来ると、思ったよりも長身のミョウジ。仙堂より少し低いくらいの背丈だ。
「コイツ、電気科の赤崎。ミョウジのことが気になるって」
「そんなら、事務所通してもらわんと~」
「ボケの国から来た人?」と、赤崎。
「いいや、千葉県からだよ。一年の冬にこっち来たんだけど、知らんよな」
「へぇ。ずいぶん遠くから来たな」
「冬に引っ越して来たから、寒くて死ぬかと思ったわ」
「それでか!」
赤崎は、閃いた。
「正解。ミョウジって、寒がりなんだよね」
安藤が笑う。
「あーそれな。首に傷なんてないよ。ほら」
首元を晒すミョウジ。首筋には、傷ひとつない。
「なんだよ、そんなことだったのかよ」
「俺にエンタメを期待してもいいことないよ。千葉なんて、なんも面白くないカスの田舎だし」
「東京近くていいじゃねーか」
反論する赤崎。
「はは。隣つってもな、俺が住んでた九十九里は東京湾の反対。太平洋側だからよ。松戸と市川と浦安辺りは、自分のこと東京と思ってるがな」
「千葉県の闇?」
ミョウジは、乾いた笑いを漏らしている。
「なんか、色々あるんだな…………」
「あ、でも、ここと千葉って共通点あってさ」
「そうなのか?」
「ああ。暴走族がバリバリいるよな」
「全然嬉しくない共通点」
赤崎は、反応に困った。
「ミョウジ、暴走族相手に喧嘩して勝ったらしいよ」
「千葉の暴走族なんて、ダッサいナイフ持ち出してくるような雑魚しかおらんし」
「そこは本当なのかよ!」
今日一大きな声を出す赤崎。
「ダサいナイフって、なんだ?」
仙堂が訊いた。
「バタフライナイフ。めちゃダサい、あれ」
電工ナイフのがいいよな、と赤崎は思った。
「結局、ミョウジって怖い奴?」
「俺、怖くないだろ。タッパはあるけど、筋肉はそんなにだし」
「まあ、かっちゃんと比べたらな」
ミョウジは、「そんじゃ、まあよろしくな。噂は、適宜否定しといてくれや」と言い、去って行く。
「いい奴だろ?」
「悪い奴ではないな、うん」
ミョウジナマエは、ただの寒がりの男である。
