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そのひっそりとした場所にある喫茶店には、不思議な噂があった。
“夕暮れ時に、口裂けの怪人がいる”
噂の真実を確かめるべく、私は夕方に喫茶店を目指す。賑やかな通りを抜けて、静寂の中を進んだ。
夕日だけが私を見ている。
喫茶店に到着し、ドアを開けて中に入る。ドアベルが綺麗な音を奏でた。
「いらっしゃいませ」
何故か白衣を着ている店主らしき人物に挨拶をされ、会釈する。
私は、出入り口が見える席に座り、メニューを広げた。
そうしてるうちに、店主がお冷やをテーブルに置く。
「すいません、紅茶とレアチーズケーキください」
「はい、かしこまりました。紅茶とレアチーズケーキがおひとつずつですね」
「はい」
「少々お待ちください」
店内には、私以外にも、ちらほら客がいた。
皆、常連らしく、落ち着いた様子だ。文庫本を読んでいたり、ノートパソコンで打鍵していたり、時折窓の外を眺めながらお茶を飲んでいる。
「お待たせいたしました。紅茶とレアチーズケーキです」
「ありがとうございます」
「ごゆっくりどうぞ」と、店主は微笑む。
私が、紅茶とケーキの美味しさに感動していると、前髪で両目が隠れた真っ黒な服装の人が来店して来た。
噂の怪人だ!
何故分かったのかというと、その人の裂けた口端が赤い糸で縫われていたからである。
「いらっしゃいませ」
店主も他の客も、誰も彼/彼女に注目していない。
「紅茶と季節のタルトをお願いします」と、怪人が言った。
窓際の席に座る。
「はーい。スナヱさん、今日はマカロンもありますよ」
「ピスタチオのあります?」
「あります」
「それもお願いします」
全く普通の常連とのやり取りだ。
彼/彼女を異様だと思っているのは、私だけらしい。
数分観察していたが、どう考えても怪しい見た目をしているのに。
すなえ? と呼ばれた人は、店主にサーブされた紅茶を飲み、タルトとマカロンを食べている。
実は人喰いです、と言われても納得の外見をしているけれど。
「すいません、チョコレートケーキをお願いします」
「はーい」
追加のオーダーをする、すなえさん。甘いものが好きなんだろう。
結局その日は、すなえさんが何者なのかは分からなかった。
「ごちそうさまでした」
「ありがとうございます」
会計を済ませ、店を後にした。
どうやら、真実を知るためには、この喫茶店にしばらく通うことになりそうである。
いや、すなえさんの影に隠れていたけれど、店主もだいぶ風変わりだったな。なんで白衣なんだろう?
謎多き喫茶店と客への興味は尽きない。
“夕暮れ時に、口裂けの怪人がいる”
噂の真実を確かめるべく、私は夕方に喫茶店を目指す。賑やかな通りを抜けて、静寂の中を進んだ。
夕日だけが私を見ている。
喫茶店に到着し、ドアを開けて中に入る。ドアベルが綺麗な音を奏でた。
「いらっしゃいませ」
何故か白衣を着ている店主らしき人物に挨拶をされ、会釈する。
私は、出入り口が見える席に座り、メニューを広げた。
そうしてるうちに、店主がお冷やをテーブルに置く。
「すいません、紅茶とレアチーズケーキください」
「はい、かしこまりました。紅茶とレアチーズケーキがおひとつずつですね」
「はい」
「少々お待ちください」
店内には、私以外にも、ちらほら客がいた。
皆、常連らしく、落ち着いた様子だ。文庫本を読んでいたり、ノートパソコンで打鍵していたり、時折窓の外を眺めながらお茶を飲んでいる。
「お待たせいたしました。紅茶とレアチーズケーキです」
「ありがとうございます」
「ごゆっくりどうぞ」と、店主は微笑む。
私が、紅茶とケーキの美味しさに感動していると、前髪で両目が隠れた真っ黒な服装の人が来店して来た。
噂の怪人だ!
何故分かったのかというと、その人の裂けた口端が赤い糸で縫われていたからである。
「いらっしゃいませ」
店主も他の客も、誰も彼/彼女に注目していない。
「紅茶と季節のタルトをお願いします」と、怪人が言った。
窓際の席に座る。
「はーい。スナヱさん、今日はマカロンもありますよ」
「ピスタチオのあります?」
「あります」
「それもお願いします」
全く普通の常連とのやり取りだ。
彼/彼女を異様だと思っているのは、私だけらしい。
数分観察していたが、どう考えても怪しい見た目をしているのに。
すなえ? と呼ばれた人は、店主にサーブされた紅茶を飲み、タルトとマカロンを食べている。
実は人喰いです、と言われても納得の外見をしているけれど。
「すいません、チョコレートケーキをお願いします」
「はーい」
追加のオーダーをする、すなえさん。甘いものが好きなんだろう。
結局その日は、すなえさんが何者なのかは分からなかった。
「ごちそうさまでした」
「ありがとうございます」
会計を済ませ、店を後にした。
どうやら、真実を知るためには、この喫茶店にしばらく通うことになりそうである。
いや、すなえさんの影に隠れていたけれど、店主もだいぶ風変わりだったな。なんで白衣なんだろう?
謎多き喫茶店と客への興味は尽きない。
