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眠りの神には、名前がない。しかし彼は、信仰されていないことを、さして気にしていなかった。
「あんたは、どうして、そんな風にいられるんだ?」
そう、同じく名前のない病の神に訊かれる。
「僕は、人を眺めていられるなら、それでいいんだ」
「変な奴だな」
眠りの神は、友(病の神は認めていない)に呆れ顔をされた。
「それじゃあ、僕は街へ行くよ」
「そうかよ」
「いってきまーす」
眠りの神は、てくてくと歩き始める。彼が通りかかると、人々は眠気を感じた。
そうして、辿り着いた場所は。ひとりの弁当屋のところだった。
「こんにちは、ソランジュ」
「……眠りの神か。今は、レイニーと名乗っている」
「そうなんだ。了解したよ、レイニー」
眠りの神は、目元を黒い布で覆っているが、口元を見れば微笑んでいることが分かる。
「なんの用だ?」
「お弁当、ひとつください」と、眠りの神は、代金を差し出す。
「…………」
レイニーは、若干警戒しつつも弁当をひとつ手に取って渡した。
「ありがとう」
「どうも」
「この前は、病の神が無礼なことをして、悪かったね」
申し訳なさそうにする眠りの神。
「何故、お前が私に謝る?」
「友達だからさ」
「友達?」
「うん。僕は、貴方に成り代わろうなんて思っていないし、病の神にもそうしてほしくはないんだ」
彼は、困ったように笑った。
「そうか」
「お店の邪魔をしたね。もう行くよ。またね、レイニー」
眠りの神は、彼女の弁当屋から立ち去る。
それから、人目のない森の中へ行き、切り株を椅子にして、レイニーの作った弁当を食べた。
おにぎりや卵焼きは、竹の入れ物に綺麗に収められている。
「美味しいっていうのは、こういうものなのかな?」
それを全て食べた後、眠りの神は考えた。彼の愛する人間たちのことを。
きっと、レイニーの弁当は好かれているのだろう。
「なにをしてる?」
「わっ!?」
病の神だった。
「……人間の真似事か」
「まあね」
「ついてるぞ」
眠りの神の口元についた米粒を、病の神が指先で取る。
「ありがとう」
「相変わらず、間抜けだな」
「いやぁ、それほどでも」
「褒めてねぇよ」
ほんの少し、彼は口角を上げた。
名もなき神たちは、寄る辺もなく、ただ存在している。
けれど、眠りの神には友がいた。
それはきっと、幸福なことなのだろう。
貴方も、幸せな夢が見られますように。
眠りの神は、友のために祈った。
「あんたは、どうして、そんな風にいられるんだ?」
そう、同じく名前のない病の神に訊かれる。
「僕は、人を眺めていられるなら、それでいいんだ」
「変な奴だな」
眠りの神は、友(病の神は認めていない)に呆れ顔をされた。
「それじゃあ、僕は街へ行くよ」
「そうかよ」
「いってきまーす」
眠りの神は、てくてくと歩き始める。彼が通りかかると、人々は眠気を感じた。
そうして、辿り着いた場所は。ひとりの弁当屋のところだった。
「こんにちは、ソランジュ」
「……眠りの神か。今は、レイニーと名乗っている」
「そうなんだ。了解したよ、レイニー」
眠りの神は、目元を黒い布で覆っているが、口元を見れば微笑んでいることが分かる。
「なんの用だ?」
「お弁当、ひとつください」と、眠りの神は、代金を差し出す。
「…………」
レイニーは、若干警戒しつつも弁当をひとつ手に取って渡した。
「ありがとう」
「どうも」
「この前は、病の神が無礼なことをして、悪かったね」
申し訳なさそうにする眠りの神。
「何故、お前が私に謝る?」
「友達だからさ」
「友達?」
「うん。僕は、貴方に成り代わろうなんて思っていないし、病の神にもそうしてほしくはないんだ」
彼は、困ったように笑った。
「そうか」
「お店の邪魔をしたね。もう行くよ。またね、レイニー」
眠りの神は、彼女の弁当屋から立ち去る。
それから、人目のない森の中へ行き、切り株を椅子にして、レイニーの作った弁当を食べた。
おにぎりや卵焼きは、竹の入れ物に綺麗に収められている。
「美味しいっていうのは、こういうものなのかな?」
それを全て食べた後、眠りの神は考えた。彼の愛する人間たちのことを。
きっと、レイニーの弁当は好かれているのだろう。
「なにをしてる?」
「わっ!?」
病の神だった。
「……人間の真似事か」
「まあね」
「ついてるぞ」
眠りの神の口元についた米粒を、病の神が指先で取る。
「ありがとう」
「相変わらず、間抜けだな」
「いやぁ、それほどでも」
「褒めてねぇよ」
ほんの少し、彼は口角を上げた。
名もなき神たちは、寄る辺もなく、ただ存在している。
けれど、眠りの神には友がいた。
それはきっと、幸福なことなのだろう。
貴方も、幸せな夢が見られますように。
眠りの神は、友のために祈った。
