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出会った時には、彼はすでに“革命”だった。
俺は、“ミョウジナマエ”は、何者でもない。
それでも俺は、ペンを持ち続けている。
「命ちゃん」
「なんだい?」
「賞レースに出したよ、小説」
「僕は好きだよ、ナマエの小説」
アパートの隣に住む彼は、劇団に身を置く戯曲家だ。
「ありがとう」
プロだから、というより、命ちゃんに褒められるのは嬉しい。
「君はいつも、星に手を伸ばしているね」
「それが俺の生きる意味だからな」
星にも手が届く夢を見ている。それは楽しいばかりではないけど、俺がやめることはないだろう。
俺は、暇さえあれば命ちゃんの部屋に入り浸り、色々なことを話した。
俺の頭の中にある世界のこと。たまに作詞の依頼が来ること。命ちゃんの曲の感想。
そんな日々がずっと続くような気がしていた。
だけど、ある日。彼の妹夫婦が殺された。ひとり遺された姪を預かった彼を、俺は、出来るだけ支えるようにする。
しかし。皐月ちゃんが夜中に泣き叫ぶから、ふたりは追い出されるようにアパートを出て行ってしまった。
俺は、無力だ。
そんな折、俺の書いた小説が大賞を取ったと知らせがくる。心の底からは喜べなかったけど、賞金の100万円はありがたかった。
その金で、ふたりを追うように引っ越しをする。
ふたりには秘密だ。気を遣わせるから。
浅間温泉街に移り住み、俺はこっそり命ちゃんたちを見守った。
手拭いで目元を隠し、片手には温泉の湯を入れた水鉄砲。
ふたりを悪く言う奴の顔に湯を放ち、転んだ皐月ちゃんの傷を湯で流し、命ちゃんに匿名で差し入れをした。
いつからか、俺は、“手拭い天狗”と呼ばれるようになる。なんだそりゃ!
命ちゃんたちだけでなく、色んな人を助けていたら、そうなった。
まあ、別にいいか。
手拭い天狗をしながら、俺は、精力的に執筆活動も続けた。
大賞を取った小説の続きを書き、新作を書き、作詞をする。
どこにいても出来る仕事でよかった。
そうして、四年の月日が流れ。
浅間でハロウィンの祭りをするらしい。発案者の若女将が駆け回っているのを見た。
ハロウィンなら、仮装して行けばいいか。
俺は、天狗のお面を買った。
そして、“浅間でハロウィン”は、開催される。
天狗のお面をつけて、着物を着た俺は、偶然、彼とすれ違った。
「ハッピーハロウィン」
「君は…………」
「内緒だよ、命ちゃん」
振り向く君。俺は、人差し指を唇に。
ミョウジナマエは、いつまでも君たちの味方だ。
星は、青く輝いている。
俺は、“ミョウジナマエ”は、何者でもない。
それでも俺は、ペンを持ち続けている。
「命ちゃん」
「なんだい?」
「賞レースに出したよ、小説」
「僕は好きだよ、ナマエの小説」
アパートの隣に住む彼は、劇団に身を置く戯曲家だ。
「ありがとう」
プロだから、というより、命ちゃんに褒められるのは嬉しい。
「君はいつも、星に手を伸ばしているね」
「それが俺の生きる意味だからな」
星にも手が届く夢を見ている。それは楽しいばかりではないけど、俺がやめることはないだろう。
俺は、暇さえあれば命ちゃんの部屋に入り浸り、色々なことを話した。
俺の頭の中にある世界のこと。たまに作詞の依頼が来ること。命ちゃんの曲の感想。
そんな日々がずっと続くような気がしていた。
だけど、ある日。彼の妹夫婦が殺された。ひとり遺された姪を預かった彼を、俺は、出来るだけ支えるようにする。
しかし。皐月ちゃんが夜中に泣き叫ぶから、ふたりは追い出されるようにアパートを出て行ってしまった。
俺は、無力だ。
そんな折、俺の書いた小説が大賞を取ったと知らせがくる。心の底からは喜べなかったけど、賞金の100万円はありがたかった。
その金で、ふたりを追うように引っ越しをする。
ふたりには秘密だ。気を遣わせるから。
浅間温泉街に移り住み、俺はこっそり命ちゃんたちを見守った。
手拭いで目元を隠し、片手には温泉の湯を入れた水鉄砲。
ふたりを悪く言う奴の顔に湯を放ち、転んだ皐月ちゃんの傷を湯で流し、命ちゃんに匿名で差し入れをした。
いつからか、俺は、“手拭い天狗”と呼ばれるようになる。なんだそりゃ!
命ちゃんたちだけでなく、色んな人を助けていたら、そうなった。
まあ、別にいいか。
手拭い天狗をしながら、俺は、精力的に執筆活動も続けた。
大賞を取った小説の続きを書き、新作を書き、作詞をする。
どこにいても出来る仕事でよかった。
そうして、四年の月日が流れ。
浅間でハロウィンの祭りをするらしい。発案者の若女将が駆け回っているのを見た。
ハロウィンなら、仮装して行けばいいか。
俺は、天狗のお面を買った。
そして、“浅間でハロウィン”は、開催される。
天狗のお面をつけて、着物を着た俺は、偶然、彼とすれ違った。
「ハッピーハロウィン」
「君は…………」
「内緒だよ、命ちゃん」
振り向く君。俺は、人差し指を唇に。
ミョウジナマエは、いつまでも君たちの味方だ。
星は、青く輝いている。
