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足取りが途絶えている。
クリーピー・サイドの探偵、ナマエは、煙草を吸いながら、映画館を見つめた。
依頼人の息子は、この映画館で消息を絶っている。それだけではない。金曜日のホラーナイトに消えたと推測出来る者が他にもいた。最も、依頼されたワケでもないから、ナマエは、そのことには関与するつもりはない。
つまり、ここは、なんらかの事件現場である。
煙草を携帯灰皿に入れ、受付へ行く。
「こんばんは、トビー」
「こんばんは、ナマエ。映画を観に?」
「ああ、そうだよ」
「貴方が、ホラー映画に興味があるなんて初耳です」
「ほんの息抜きさ」
ナマエは、肩をすくめた。
「では、ホラーナイト、楽しんで」
「ありがとう」
探偵は、久し振りにホラー映画を観る。その映画は、殺人鬼が行楽に来た若者たちを、次々に殺す内容だった。
「…………」
処女だけ助かるんだろう?
ナマエは、どこか冷めた頭で考えている。
上映が終わり、食べ切れなかったポップコーンを席で食べていると、トビーがやって来た。
「ナマエ、閉館ですよ」
「すまない。ちょっと待ってくれ」
「ええ、分かりました」
トビーは、背後から出した包丁を一閃。ナマエの首を狙った。
それを、ナマエはパンフレットで防ぐ。
「やあ、殺人鬼くん。君に殺されたのは、一体何人いるのかな?」
「私は、このホラーナイトを続けたい。貴方は邪魔だ」
「僕が邪魔? ははは。冗談」
「なにがおかしい?」
トビーは、得物を握り直した。
「僕はね、君と協力したいんだよ。君が殺した者の捜索依頼が来たら、デタラメを言ってやってもいい」
「貴方のメリットは?」
「そうだな。トビー、僕を好きになれ」
「は?」
殺人鬼は、呆気にとられる。
「僕は、君のことが好きなんだ」
「真実を知りながら……?」
「違う違う。真実を知ったからだよ。殺人者の君が好きなんだ」
「頭がおかしいのか?」
「君に言われたくないが」
トビーは、ここで殺すか、このイカれた探偵と恋人になるか、少し悩んだ。
そして。
「いいでしょう。殺人で最も難しいのは、その隠蔽という説もありますから」
「契約成立。よろしく、トビー」
「よろしくお願いします、ナマエ」
ふたりは、握手を交わす。
探偵のナマエは、いつも殺人者を好きになってきた。そして、相手が捕まるなりして、その交際は終わる。
今度は、長く続くといいな。
閉館後の劇場。並んで座って手を繋き、ふたりはスクリーンを眺める。
エンドロールに、ふたりの名前が流れるまで。
クリーピー・サイドの探偵、ナマエは、煙草を吸いながら、映画館を見つめた。
依頼人の息子は、この映画館で消息を絶っている。それだけではない。金曜日のホラーナイトに消えたと推測出来る者が他にもいた。最も、依頼されたワケでもないから、ナマエは、そのことには関与するつもりはない。
つまり、ここは、なんらかの事件現場である。
煙草を携帯灰皿に入れ、受付へ行く。
「こんばんは、トビー」
「こんばんは、ナマエ。映画を観に?」
「ああ、そうだよ」
「貴方が、ホラー映画に興味があるなんて初耳です」
「ほんの息抜きさ」
ナマエは、肩をすくめた。
「では、ホラーナイト、楽しんで」
「ありがとう」
探偵は、久し振りにホラー映画を観る。その映画は、殺人鬼が行楽に来た若者たちを、次々に殺す内容だった。
「…………」
処女だけ助かるんだろう?
ナマエは、どこか冷めた頭で考えている。
上映が終わり、食べ切れなかったポップコーンを席で食べていると、トビーがやって来た。
「ナマエ、閉館ですよ」
「すまない。ちょっと待ってくれ」
「ええ、分かりました」
トビーは、背後から出した包丁を一閃。ナマエの首を狙った。
それを、ナマエはパンフレットで防ぐ。
「やあ、殺人鬼くん。君に殺されたのは、一体何人いるのかな?」
「私は、このホラーナイトを続けたい。貴方は邪魔だ」
「僕が邪魔? ははは。冗談」
「なにがおかしい?」
トビーは、得物を握り直した。
「僕はね、君と協力したいんだよ。君が殺した者の捜索依頼が来たら、デタラメを言ってやってもいい」
「貴方のメリットは?」
「そうだな。トビー、僕を好きになれ」
「は?」
殺人鬼は、呆気にとられる。
「僕は、君のことが好きなんだ」
「真実を知りながら……?」
「違う違う。真実を知ったからだよ。殺人者の君が好きなんだ」
「頭がおかしいのか?」
「君に言われたくないが」
トビーは、ここで殺すか、このイカれた探偵と恋人になるか、少し悩んだ。
そして。
「いいでしょう。殺人で最も難しいのは、その隠蔽という説もありますから」
「契約成立。よろしく、トビー」
「よろしくお願いします、ナマエ」
ふたりは、握手を交わす。
探偵のナマエは、いつも殺人者を好きになってきた。そして、相手が捕まるなりして、その交際は終わる。
今度は、長く続くといいな。
閉館後の劇場。並んで座って手を繋き、ふたりはスクリーンを眺める。
エンドロールに、ふたりの名前が流れるまで。