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お前の罪だ。
おれの恋心を弄びやがって。いや、そうじゃないな。だって、隆文は、おれの恋心になんて気付いていないのだから。
◆◆◆
あの時のことを、夢に見る。
隆文が、いや、“ギンガ”が、おれを見世物にした時のこと。
隆文と同じ面した奴が、おれを好きだと言って、キスしようとしてきて。でも、それはドッキリで。一部始終は撮影されていて。
コズミックとかいう馬鹿どもに、踏みつけられたおれは、ただ、呆然としていた。
劍隆文は、幼馴染みのおれの想いを踏みにじったりしないんだ。
でも、ミョウジナマエは、あの日確かに殺されたんだよ。そして、その亡骸から、化物が出て来た。
「おれは、“真実”……」
自宅の洗面所で、鏡を見つめる。
「……ギンガを殺すものだ」
見たことない顔をした化物が笑った。
コズミックを抹殺したいと考えて、あらゆるものに祈りを捧げて、それでも潰せなかったけれど。馬鹿みたいな炎上やクソみたいな事件が起きて、勝手に死にそうになっている。
だけど、アイツらは、まだ生きているから、おれは安眠出来ないんだ。
化物は、人の振りをして生き続ける。
「ミョウジさん」
「はい」
「本を戻すの、よろしくお願いします」
「分かりました」
図書館司書としての業務をこなし、終えると家にすぐに帰る日々。
ギンガを監視して、おれは毎日新鮮な怒りを覚えた。
お気楽なリスナーどもに紛れて、お前を殺そうとしている存在がいると知らせたい。
おれは、ギンガを殺して、隆文を取り出したい。
「なんで、分からないかなぁ? おれが一番お前のことを想ってるのに」
そう呟いた時、LIMEにメッセージが届いた。隆文からだ。
『飯、どう?』
『いいよ』
『まだ日にちとか言ってない』
そんなの、いつでも空けるよ。
『久し振りだな、そういうの』
『そうだな』
おれの休日に合わせて、昼ごはんを一緒に食べることになった。
当日。そわそわする。髪や服装を、念入りにチェックした。
「よし」
待ち合わせ場所の、レストラン前まで行く。
隆文は、先に来ていた。
「久し振り、隆文」
「よう、ナマエ」
「元気ないな?」
「あー。分かるか」
そう言ったきり、隆文は口をつぐむ。レストラン内の席に着いてから、おれは改めて訊いた。
「何かあったのか?」
「……数字が思うように伸びなくて」
「動画の?」
「ああ」
やめればいいのに。
「まあ、色々あったみたいだから、そんなに気にしなくても……」
「気にする。そういう仕事なんだから」
「そうだよな……おれは、隆文の味方だよ。大したことは出来ないけどさ、いつでも連絡してくれよ…………」
「悪い。お前には、いつも心配かけてばっかりだ」
「いいんだよ。おれは、隆文の幼馴染みなんだから」
恋の実りを乞い、人の皮を被った化物は、笑顔を作った。
おれの恋心を弄びやがって。いや、そうじゃないな。だって、隆文は、おれの恋心になんて気付いていないのだから。
◆◆◆
あの時のことを、夢に見る。
隆文が、いや、“ギンガ”が、おれを見世物にした時のこと。
隆文と同じ面した奴が、おれを好きだと言って、キスしようとしてきて。でも、それはドッキリで。一部始終は撮影されていて。
コズミックとかいう馬鹿どもに、踏みつけられたおれは、ただ、呆然としていた。
劍隆文は、幼馴染みのおれの想いを踏みにじったりしないんだ。
でも、ミョウジナマエは、あの日確かに殺されたんだよ。そして、その亡骸から、化物が出て来た。
「おれは、“真実”……」
自宅の洗面所で、鏡を見つめる。
「……ギンガを殺すものだ」
見たことない顔をした化物が笑った。
コズミックを抹殺したいと考えて、あらゆるものに祈りを捧げて、それでも潰せなかったけれど。馬鹿みたいな炎上やクソみたいな事件が起きて、勝手に死にそうになっている。
だけど、アイツらは、まだ生きているから、おれは安眠出来ないんだ。
化物は、人の振りをして生き続ける。
「ミョウジさん」
「はい」
「本を戻すの、よろしくお願いします」
「分かりました」
図書館司書としての業務をこなし、終えると家にすぐに帰る日々。
ギンガを監視して、おれは毎日新鮮な怒りを覚えた。
お気楽なリスナーどもに紛れて、お前を殺そうとしている存在がいると知らせたい。
おれは、ギンガを殺して、隆文を取り出したい。
「なんで、分からないかなぁ? おれが一番お前のことを想ってるのに」
そう呟いた時、LIMEにメッセージが届いた。隆文からだ。
『飯、どう?』
『いいよ』
『まだ日にちとか言ってない』
そんなの、いつでも空けるよ。
『久し振りだな、そういうの』
『そうだな』
おれの休日に合わせて、昼ごはんを一緒に食べることになった。
当日。そわそわする。髪や服装を、念入りにチェックした。
「よし」
待ち合わせ場所の、レストラン前まで行く。
隆文は、先に来ていた。
「久し振り、隆文」
「よう、ナマエ」
「元気ないな?」
「あー。分かるか」
そう言ったきり、隆文は口をつぐむ。レストラン内の席に着いてから、おれは改めて訊いた。
「何かあったのか?」
「……数字が思うように伸びなくて」
「動画の?」
「ああ」
やめればいいのに。
「まあ、色々あったみたいだから、そんなに気にしなくても……」
「気にする。そういう仕事なんだから」
「そうだよな……おれは、隆文の味方だよ。大したことは出来ないけどさ、いつでも連絡してくれよ…………」
「悪い。お前には、いつも心配かけてばっかりだ」
「いいんだよ。おれは、隆文の幼馴染みなんだから」
恋の実りを乞い、人の皮を被った化物は、笑顔を作った。