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その実を食べたのは、空腹だったから。
身寄りのない孤児は、日々を生きるのに必死で。寄る辺のない人間は、夢を追うことも出来ない。
ワタクシは、ただ、楽しく生きていきたかった。
◆◆◆
「旅の手品師、ナマエのマジックショーへ、ようこそ! 種も仕掛けもございません!」
まずは、ローブから、たくさんのハトを飛ばす。
「わぁ!」と歓声が上がった。
「続いて、消失マジーック!」
ワタクシが、指先を向けた人は、消える。
息を呑む観衆。一瞬の沈黙。
指をパチンと鳴らすと、ワタクシの隣にさっき消した人が現れた。
再びの歓声。楽しい。楽しい!
「お前、すっげーな!」
「ありがとうございます!」
麦わら帽子のお客様に褒められたので、お礼を言う。
「お次は、空中散歩ですよ!」
ふわりと浮き、中を歩くワタクシ。
「さあさあ、皆様! お代はお気持ち次第! ナマエは、そろそろお暇ですよ!」
被っているとんがり帽子をお代入れにして、地表近くを浮きながら、お客様の間を歩いた。
みるみるベリーが貯まっていく。
しばらくして、最後のマジックを披露する。
「ではでは、今回は、これにて失礼します! また会う日まで、さようなら!」
指先を自分に向け、ワタクシは、その場から消えた。
「すげー!」
「凄い手品師だ!」
「お見事!」
少し離れた場所で歓声を聞いてから、ワタクシは、去ることにする。
目標の人物は見付けた。
「変身マジック」
指先を自分に向けて、姿を変える。あの格好は目立つから。
そして、こっそり後をつける。
ふーん。なんか、いい匂いしてますけど。
やがて、ウォーターセブンの皆を巻き込んでの宴会が始まった。
ワタクシは、指をパチンと鳴らし、変身を解く。
「どうもどうも! アナタ、ルフィさんですね?」
「ん? お前は……とんがり帽子……!」
「知り合いなの? ルフィ」
「ナミ、こいつ、手品師なんだ! すっげーマジックをするんだ!」
「あら、そうなの?」
「はい。ワタクシ、ナマエと申します。旅の手品師でございます」
自己紹介し、一礼した。
「私は、ナミ。よろしくね、ナマエ」
「よろしくお願いします」
「で、なんか用か? ナマエ」
「いえいえ、そんな大したことでは。ワタクシのマジックを褒めていただいたことが嬉しかっただけでございます」
「そんなことか! おまえ、いいやつだな!」
「そんなにすごいの?」
「すごいぞ! ヒュッてやって、パチンだ!」
「全然分かんないんだけど……」
好機到来。
「よろしければ、お見せしましょうか? お代は結構ですので」
「いいの? お願い」
「お! みんな、ナマエが手品するぞ!」
「なんだなんだぁ?」
「姉ちゃん……いや、兄ちゃん……? 宴会芸か?」
「旅の手品師、ナマエのマジックショーへ、ようこそ!」
ワタクシは、いつもより派手にマジックを披露した。
やはり、楽しい。ワタクシには、手品を披露することが、何より生を実感出来ることだ。
◆◆◆
数日後。
麦わらの一味は、新しい船に乗り、出港した。
さてと、ワタクシもそろそろ行きますか。
「さよなら、水の都ウォーターセブン」
瞬間移動マジックを使いながら、ワタクシは、出来るだけ早く目的地へ向かう。
着いた先は、我が上司の元。
「ただいま戻りましたぁ。ナマエですよ~」
「遅い! 雑魚能力の雑魚人間が!」
「失礼。消失マジーック!」
包帯まみれの上司に指先を向ける。
「はぁ!?」
「スパンダム様の財布を消しました」
「やめろ!」
「ワタクシ、侮られるのは嫌いでして」
マジマジの実を食べた能力者。それが、ワタクシ。ワタクシの能力は、種も仕掛けもなしにマジックが出来ること。
「ナマエ! “指を鳴らせ”! バカ!」
クスクス笑いながら、ワタクシは“指を鳴らさない”でいた。
「分かった! ナマエ、ご苦労。これでいいだろ? 財布を返せ!」
「はい。とても疲れました」
パチン。現れた財布を手にし、スパンダム様へ渡す。
「ワタクシ、仕事はきちんとしております」
「麦わらの一味は?」
ワタクシは、知り得た全てを話した。
アナタが例え、どんなに愚かでも、ワタクシは生涯お側にいるのでしょう。
ワタクシを拾ったアナタのお側に。
身寄りのない孤児は、日々を生きるのに必死で。寄る辺のない人間は、夢を追うことも出来ない。
ワタクシは、ただ、楽しく生きていきたかった。
◆◆◆
「旅の手品師、ナマエのマジックショーへ、ようこそ! 種も仕掛けもございません!」
まずは、ローブから、たくさんのハトを飛ばす。
「わぁ!」と歓声が上がった。
「続いて、消失マジーック!」
ワタクシが、指先を向けた人は、消える。
息を呑む観衆。一瞬の沈黙。
指をパチンと鳴らすと、ワタクシの隣にさっき消した人が現れた。
再びの歓声。楽しい。楽しい!
「お前、すっげーな!」
「ありがとうございます!」
麦わら帽子のお客様に褒められたので、お礼を言う。
「お次は、空中散歩ですよ!」
ふわりと浮き、中を歩くワタクシ。
「さあさあ、皆様! お代はお気持ち次第! ナマエは、そろそろお暇ですよ!」
被っているとんがり帽子をお代入れにして、地表近くを浮きながら、お客様の間を歩いた。
みるみるベリーが貯まっていく。
しばらくして、最後のマジックを披露する。
「ではでは、今回は、これにて失礼します! また会う日まで、さようなら!」
指先を自分に向け、ワタクシは、その場から消えた。
「すげー!」
「凄い手品師だ!」
「お見事!」
少し離れた場所で歓声を聞いてから、ワタクシは、去ることにする。
目標の人物は見付けた。
「変身マジック」
指先を自分に向けて、姿を変える。あの格好は目立つから。
そして、こっそり後をつける。
ふーん。なんか、いい匂いしてますけど。
やがて、ウォーターセブンの皆を巻き込んでの宴会が始まった。
ワタクシは、指をパチンと鳴らし、変身を解く。
「どうもどうも! アナタ、ルフィさんですね?」
「ん? お前は……とんがり帽子……!」
「知り合いなの? ルフィ」
「ナミ、こいつ、手品師なんだ! すっげーマジックをするんだ!」
「あら、そうなの?」
「はい。ワタクシ、ナマエと申します。旅の手品師でございます」
自己紹介し、一礼した。
「私は、ナミ。よろしくね、ナマエ」
「よろしくお願いします」
「で、なんか用か? ナマエ」
「いえいえ、そんな大したことでは。ワタクシのマジックを褒めていただいたことが嬉しかっただけでございます」
「そんなことか! おまえ、いいやつだな!」
「そんなにすごいの?」
「すごいぞ! ヒュッてやって、パチンだ!」
「全然分かんないんだけど……」
好機到来。
「よろしければ、お見せしましょうか? お代は結構ですので」
「いいの? お願い」
「お! みんな、ナマエが手品するぞ!」
「なんだなんだぁ?」
「姉ちゃん……いや、兄ちゃん……? 宴会芸か?」
「旅の手品師、ナマエのマジックショーへ、ようこそ!」
ワタクシは、いつもより派手にマジックを披露した。
やはり、楽しい。ワタクシには、手品を披露することが、何より生を実感出来ることだ。
◆◆◆
数日後。
麦わらの一味は、新しい船に乗り、出港した。
さてと、ワタクシもそろそろ行きますか。
「さよなら、水の都ウォーターセブン」
瞬間移動マジックを使いながら、ワタクシは、出来るだけ早く目的地へ向かう。
着いた先は、我が上司の元。
「ただいま戻りましたぁ。ナマエですよ~」
「遅い! 雑魚能力の雑魚人間が!」
「失礼。消失マジーック!」
包帯まみれの上司に指先を向ける。
「はぁ!?」
「スパンダム様の財布を消しました」
「やめろ!」
「ワタクシ、侮られるのは嫌いでして」
マジマジの実を食べた能力者。それが、ワタクシ。ワタクシの能力は、種も仕掛けもなしにマジックが出来ること。
「ナマエ! “指を鳴らせ”! バカ!」
クスクス笑いながら、ワタクシは“指を鳴らさない”でいた。
「分かった! ナマエ、ご苦労。これでいいだろ? 財布を返せ!」
「はい。とても疲れました」
パチン。現れた財布を手にし、スパンダム様へ渡す。
「ワタクシ、仕事はきちんとしております」
「麦わらの一味は?」
ワタクシは、知り得た全てを話した。
アナタが例え、どんなに愚かでも、ワタクシは生涯お側にいるのでしょう。
ワタクシを拾ったアナタのお側に。