その他
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
そいつ、女いるよ。
何度も何度も、そう言ったけれど、作並カレラは、俺に振り向いてはくれない。
“セッちゃん”には、彼女がいるのに。絶対、君を好きにはならないのに。
でも、好きなんだって。おかしいだろ。
店員に、いちゃもんつけて、タダ飯食うような女なんだよ、カレラは。
でも、好きなんだって。おかしいだろ、俺。
俺は、今日も、バンドのボーカルとして、ラブソングを歌う。好きな女の心には、決して届くことのないラブソングを。
それはそれとして。俺たちは、ライブ終わりに、ファンからのアンケート用紙に目を通す。ファンの女の子たちは、“繋がり”を求めて、アンケート用紙に連絡先を書いていることがあるのだ。一緒に、プリクラシールで自分の顔をアピールする娘もいる。だから、好みの娘を“打ち上げ”に呼べるのだ。
この娘……目が、カレラに似てるなぁ…………。
俺は、女の子を選んだ。
そしてホテルで、バンドのメンバーと、同じ人数の女の子たちと、酒を飲む。その後は、各々別れて、セックスする。
好きな女の面影を求めてする行為は、終わった後にとても虚しくなるが、やめられない。
天罰が下るだろうか? 片想いをしながら、よく知らない女の子とセックスすることは、罪だろうか? カミサマってのは、性格が悪いからな。
でも、胸に空いた穴を一時的に埋めるのは、そんなに悪いことか? ずっと寂しくしてなきゃダメか? それが“正しい”片想いしてる男の姿か?
知ったことではない。
誰と寝ようが、俺の好きな女は、作並カレラだけだ。
“セッちゃん”にあって、俺にないものとは、なんだ?
知ったことではない。
◆◆◆
「ナマエ! 元気ィ~?」
「カレラか。元気元気」
「じゃあ、なんか食べに行こうよ」
どうやら、カレラは、俺に飯をたかりに来たらしい。
ゆるせねぇ。という気持ちもあるのだが。
「いいよォ。焼肉オゴってやるよ」
「さっすがナマエ! サイコー!」
カレラは、瞳をキラキラさせて、喜んでいる。その光が見たくて、俺はいつも、カレラを甘やかしてしまうのだ。俺にとって、カレラは、天使であり、悪魔である。
好きなんだよな、このクソ女のことが。もう、どうしようもないんだよ。選べるなら、俺を好きじゃない女なんか、選ばねぇよ。ファンの女の子とでも、恋愛してぇよ。
「ナマエ~! 早く~!」
「はいはーい。今行く~」
ゆすりたかりの類いの癖に。俺のこと好きじゃない癖に。調子のいい女だよ、本当に。
それを知ってて好きでいる俺も、きっと変な奴なんだろうな。
ろくでなしの恋。俺とカレラは、ろくでなしの恋をしている。
俺は、毎日、恋に敗れてるよ。
何度も何度も、そう言ったけれど、作並カレラは、俺に振り向いてはくれない。
“セッちゃん”には、彼女がいるのに。絶対、君を好きにはならないのに。
でも、好きなんだって。おかしいだろ。
店員に、いちゃもんつけて、タダ飯食うような女なんだよ、カレラは。
でも、好きなんだって。おかしいだろ、俺。
俺は、今日も、バンドのボーカルとして、ラブソングを歌う。好きな女の心には、決して届くことのないラブソングを。
それはそれとして。俺たちは、ライブ終わりに、ファンからのアンケート用紙に目を通す。ファンの女の子たちは、“繋がり”を求めて、アンケート用紙に連絡先を書いていることがあるのだ。一緒に、プリクラシールで自分の顔をアピールする娘もいる。だから、好みの娘を“打ち上げ”に呼べるのだ。
この娘……目が、カレラに似てるなぁ…………。
俺は、女の子を選んだ。
そしてホテルで、バンドのメンバーと、同じ人数の女の子たちと、酒を飲む。その後は、各々別れて、セックスする。
好きな女の面影を求めてする行為は、終わった後にとても虚しくなるが、やめられない。
天罰が下るだろうか? 片想いをしながら、よく知らない女の子とセックスすることは、罪だろうか? カミサマってのは、性格が悪いからな。
でも、胸に空いた穴を一時的に埋めるのは、そんなに悪いことか? ずっと寂しくしてなきゃダメか? それが“正しい”片想いしてる男の姿か?
知ったことではない。
誰と寝ようが、俺の好きな女は、作並カレラだけだ。
“セッちゃん”にあって、俺にないものとは、なんだ?
知ったことではない。
◆◆◆
「ナマエ! 元気ィ~?」
「カレラか。元気元気」
「じゃあ、なんか食べに行こうよ」
どうやら、カレラは、俺に飯をたかりに来たらしい。
ゆるせねぇ。という気持ちもあるのだが。
「いいよォ。焼肉オゴってやるよ」
「さっすがナマエ! サイコー!」
カレラは、瞳をキラキラさせて、喜んでいる。その光が見たくて、俺はいつも、カレラを甘やかしてしまうのだ。俺にとって、カレラは、天使であり、悪魔である。
好きなんだよな、このクソ女のことが。もう、どうしようもないんだよ。選べるなら、俺を好きじゃない女なんか、選ばねぇよ。ファンの女の子とでも、恋愛してぇよ。
「ナマエ~! 早く~!」
「はいはーい。今行く~」
ゆすりたかりの類いの癖に。俺のこと好きじゃない癖に。調子のいい女だよ、本当に。
それを知ってて好きでいる俺も、きっと変な奴なんだろうな。
ろくでなしの恋。俺とカレラは、ろくでなしの恋をしている。
俺は、毎日、恋に敗れてるよ。