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あなたは、いつだって、私の太陽だったね。
「お茶子ちゃん、雄英行くんでしょ?」
「うん」
中学からの帰り道。私は、お茶子ちゃんと並んで歩いている。
「それじゃあ、離ればなれだね」
「ナマエちゃんは、どこ行くん?」
「私は……」
どこへも行けないよ。出かかった言葉を飲み込む。
「進学しないかも。両親が働いてほしいみたいなんだよね」
「え!? ナマエちゃんの気持ちは?!」
「私の、気持ちかぁ……」
そんなのね、無いのと同じなんだよ、お茶子ちゃん。再び、私は口をつぐんだ。
「お茶子ちゃんと、ずっと一緒にいたいなぁ」
「じゃあ、一緒に、雄英高校行かへん?」
「あはは。いいね、それ」
「せやろ?」
「うん」
とても素敵な、夢物語だと思う。
あなたと話している時だけは、私は現実を忘れていられる。それは、麗らかな日々だった。
「お別れだね。また明日」
「うん、また明日!」
私たちは、手を振って別れる。そして私は、現実へと続く道を、重い足を引き摺って、独りで行く。
ノロノロと歩いていても、結局辿り着くのは、私の家だ。いつだって、そう。
「ただいま」
ドアを開けると、靴箱の上の花瓶が倒れて、床が濡れているのが、目に飛び込んできた。花は、萎れている。
リビングへと進むと、父がテレビを見ながら、お酒を飲んでいた。
「ただいま、お父さん」
「つまみが切れた」
こちらを一度も見ずに、父は言う。
「分かった。鞄置いてくるね」
「早く」
「はい」
私は、自室へ急ぎ、鞄を投げるように置き、急いで制服から着替えて、お使いへ行く。早足で、一番近くのコンビニへ向かう。
おつまみを買って、帰ると、父は私に「遅い」と言った。
「ごめんなさい」
「お前、俺をバカにしてんだろ?」
「してません。ごめんなさい」
「ぶさけやがって……!」
あーあ。私は、額縁の外へ逃げる。そこから、父に腹を殴られる私を見ている。
私の服の下は、ずっと痣だらけだ。
遠くで、父の怒号と私の泣き声がする。
そこに、突然。
「ナマエちゃんッ!」
「え……?」
どうして、あなたがいるの?
「た、たすけて……たすけて、お茶子ちゃん……」
父が、彼女に何か喚いている。私の声、消されちゃったかな。
私が目覚めると、そこは病院だった。
「ナマエちゃん!」
「お茶子ちゃん、どうして……」
彼女が言うには、買い物帰りの私を見かけて、様子がおかしかったから、着いてきたらしい。ドアの鍵が開いていて、中へ入って私の悲鳴を聴いたそうだ。そして、彼女の個性で父に立ち向かったのだと言う。
「お茶子ちゃんは、私のヒーローだね」
涙する私を、お茶子ちゃんは、優しく抱き締めてくれた。
「お茶子ちゃん、雄英行くんでしょ?」
「うん」
中学からの帰り道。私は、お茶子ちゃんと並んで歩いている。
「それじゃあ、離ればなれだね」
「ナマエちゃんは、どこ行くん?」
「私は……」
どこへも行けないよ。出かかった言葉を飲み込む。
「進学しないかも。両親が働いてほしいみたいなんだよね」
「え!? ナマエちゃんの気持ちは?!」
「私の、気持ちかぁ……」
そんなのね、無いのと同じなんだよ、お茶子ちゃん。再び、私は口をつぐんだ。
「お茶子ちゃんと、ずっと一緒にいたいなぁ」
「じゃあ、一緒に、雄英高校行かへん?」
「あはは。いいね、それ」
「せやろ?」
「うん」
とても素敵な、夢物語だと思う。
あなたと話している時だけは、私は現実を忘れていられる。それは、麗らかな日々だった。
「お別れだね。また明日」
「うん、また明日!」
私たちは、手を振って別れる。そして私は、現実へと続く道を、重い足を引き摺って、独りで行く。
ノロノロと歩いていても、結局辿り着くのは、私の家だ。いつだって、そう。
「ただいま」
ドアを開けると、靴箱の上の花瓶が倒れて、床が濡れているのが、目に飛び込んできた。花は、萎れている。
リビングへと進むと、父がテレビを見ながら、お酒を飲んでいた。
「ただいま、お父さん」
「つまみが切れた」
こちらを一度も見ずに、父は言う。
「分かった。鞄置いてくるね」
「早く」
「はい」
私は、自室へ急ぎ、鞄を投げるように置き、急いで制服から着替えて、お使いへ行く。早足で、一番近くのコンビニへ向かう。
おつまみを買って、帰ると、父は私に「遅い」と言った。
「ごめんなさい」
「お前、俺をバカにしてんだろ?」
「してません。ごめんなさい」
「ぶさけやがって……!」
あーあ。私は、額縁の外へ逃げる。そこから、父に腹を殴られる私を見ている。
私の服の下は、ずっと痣だらけだ。
遠くで、父の怒号と私の泣き声がする。
そこに、突然。
「ナマエちゃんッ!」
「え……?」
どうして、あなたがいるの?
「た、たすけて……たすけて、お茶子ちゃん……」
父が、彼女に何か喚いている。私の声、消されちゃったかな。
私が目覚めると、そこは病院だった。
「ナマエちゃん!」
「お茶子ちゃん、どうして……」
彼女が言うには、買い物帰りの私を見かけて、様子がおかしかったから、着いてきたらしい。ドアの鍵が開いていて、中へ入って私の悲鳴を聴いたそうだ。そして、彼女の個性で父に立ち向かったのだと言う。
「お茶子ちゃんは、私のヒーローだね」
涙する私を、お茶子ちゃんは、優しく抱き締めてくれた。