その他
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「どっか行きたいな……誰も私を知らないとこに…………」
私は、人生に疲れている。そろそろ、限界なのかもしれない。
「ナマエちゃん?」
「あ……ハチワレちゃん……」
「どうしたの? 元気ないね?」
「なんかね、疲れちゃったの……」
「ナマエちゃんが元気ないの、いやだな」
「ハチワレちゃん……」
「チャリ……チャルメラ、一緒に食べよ!」
「……うん」
「あッ! ナマエちゃんには足りない?」
ハチワレちゃんの持ってきたチャルメラは、私にはコーヒーのエスプレッソよりも少ない量だ。
「ううん。それがいいの」
「わかった!」
「いただきます」
「いただきます!」
ズッと、一飲みして、チャルメラは私の胃へと消える。
「おいしいね! ナマエちゃん!!」
「うん、美味しいね」
ハチワレちゃんは、ニコニコと私に笑顔を向けてくれている。それが、私にはとても大切なことなのだ。
「ハチワレちゃん、ありがとうね」
「うん……うん……!」
また明日ね。私は、ハチワレちゃんと別れて、帰宅する。
もう少しだけ、頑張るかぁ。
『出会い篇』
「ヤーッ!!」
なんか小さくてかわいいハチワレが、私の足にトゲトゲした武器(?)を当ててきた。
「痛たたたた! なになになに~?!」
「アレ!? もしかして、こわいやつじゃない?」
「私、怖くないよ。えーと、ハチワレちゃん? とりあえず、そのトゲトゲは下ろしてね」
「うん。ごめんね……!」
「私は、ナマエ。よかったら、ハチワレちゃんと友達になりたいな」
「うん……! ナマエちゃんと友達になる!!」
ハチワレちゃんは、私が差し出した手の指を、ぎゅっと握る。素直な子だ。
「これ、おわびに」
「ん?」
小さ過ぎて、それが何なのか、私には分からなかった。
「飴だよ!」
「飴かぁ。ありがとね」
「うん……! ナマエちゃんには小さいから、今度、一緒に大きなゼリーのある森に行こッ!」
「うん、約束ね」
「約束ッ!」
私とハチワレちゃんは、こうして出会ったのである。
『アイスクリームの泉篇』
「私、アイスクリームが好きなんだ」
「じゃあ、行く? アイスクリームの湧くトコロ」
「行きます」
「持ってかないとねッ! お気に入りのスプーンッ!」
「うん!」
私たちは、お出かけの計画を立てた。この時間も、とても楽しい。
「楽しみだね、ナマエちゃん」
「そうだね」
そして。アイスクリームの泉へと向かう当日。私は動きやすい服を着て、リュックを背負い、ハチワレちゃんとの待ち合わせ場所に行く。
「あっ」
そういえば。ひとつ、思い付いたことがある。
私が、ハチワレちゃんを抱っこして行けば、目的地に早く着くのでは? でも、ハチワレちゃんは嫌かもしれない。それに、道中も楽しくお喋りしたいし。でも。
どうするのが正解なんだろう?
「ナマエちゃん……! おはようッ!」
「おはよう、ハチワレちゃん」
「昨日の夜ね、楽しみすぎて、なかなか眠れなかった。えへへ」
「私もだよ」
「おんなじだねッ!」
「ハチワレちゃん……私が、ハチワレちゃんを抱っこして歩けば、早く着くと思うんだけど……どうしようか?」
「んー。ナマエちゃん、疲れない?」
「大丈夫だと思うよ」
「じゃあ、ナマエちゃんに運んでもらおうかな……!」
「……うん」
私は、そっと後ろからハチワレちゃんを持ち上げて、宝物みたいに両腕で包む。
「ワッ! 高いねッ!」
「怖い?」
「ううん、楽しいよ」
よかった。ハチワレちゃんは、キャッキャとはしゃいでいる。
「じゃ、歩くね」
「うん……!」
私は、歩き出す。
「ワァ……景色がどんどん過ぎてくねッ!」
「よーし、どんどん行こう」
目指すは、アイスクリームの泉。私たちは、進む。
今日は、気持ちの良い晴れで、側には大切な友達がいて、一緒にお出かけをしている。なんて、いい日なんだろう。
気分良く歩みを進め、私とハチワレちゃんは、アイスクリームの泉へと到着した。そっと、ハチワレちゃんを降ろす。
「ナマエちゃんッ! ここ、ここだよ」
「わぁ、広いね。私も、たくさん食べられそう」
「ネッ! 来てよかった……!!」
「うん!」
眼前に広がる光景に、わくわくする。
「ここ、白いからバニラかもッ?」
「食べてみよう」
「いただきますッ!」
「いただきます」
スプーンですくい、白いアイスを口へと運ぶ。その白いアイスは、バニラではなかった。
「ヨーグルト味だねッ!」
「うん、美味しい」
「ナマエちゃん、ヨーグルト好き?」
「好きだよ」
「あっちにさ、あるね、茶色いの。チョコレートかもッ!」
「次は、あそこに行こうか」
「うんッ!」
もぐもぐ。ヨーグルトアイス美味しい。
アイスクリームの泉に広がる、様々な色に思いを馳せながら、私たちは、食べる。
隣には、大好きなハチワレちゃん。目の前には、大好きなアイスクリームが、たくさん。
私は、生涯この景色を忘れることはないだろう。
『飢餓篇』
美味しいものが湧くトコロが、枯れた。
「ハチワレちゃん」
「どうしたの? ナマエちゃん」
「私のこと、食べちゃっていいよ」
「ナマエちゃん……?!」
だって、もうどうしようもないのだから。ハチワレちゃんが死ぬところなんて、見たくないのだから。
「私、大きいから、お腹いっぱいになるよ」
「だめだよ、ナマエちゃん!!」
ハチワレちゃんは、首を横に振る。
「お友達も呼んでおいで。みんなで、私を食べるといいよ」
「ナマエちゃんを食べたら、ナマエちゃんとお話し出来なくなっちゃう……!」
優しい、優しい、ハチワレちゃん。私なんかの存在を気にかけて。私なんて、どうしようもないやつなのにね。
「あのね、ナマエちゃん。今、踊るのが流行ってるんだよ! ナマエちゃんも、一緒に踊ろうよ!!」
「ハチワレちゃん…………」
結局、私は、ハチワレちゃんたちと踊った。これは儀式? 祈り? 現実逃避?
なんでもいいか。私とハチワレちゃんは、やっぱりひとつになれないんだね。私がいて、ハチワレちゃんがいる。それを、ハチワレちゃんは選んでくれたんだね。それなら、私は生きよう。精一杯、生きよう。
大好きだよ。
その後、問題は、時が解決してくれた。
私たちの預かり知らない力によるものか、それとも踊りの成果なのか。
生きていくしかないのだろう。それが、運命だと信じて。
私は、人生に疲れている。そろそろ、限界なのかもしれない。
「ナマエちゃん?」
「あ……ハチワレちゃん……」
「どうしたの? 元気ないね?」
「なんかね、疲れちゃったの……」
「ナマエちゃんが元気ないの、いやだな」
「ハチワレちゃん……」
「チャリ……チャルメラ、一緒に食べよ!」
「……うん」
「あッ! ナマエちゃんには足りない?」
ハチワレちゃんの持ってきたチャルメラは、私にはコーヒーのエスプレッソよりも少ない量だ。
「ううん。それがいいの」
「わかった!」
「いただきます」
「いただきます!」
ズッと、一飲みして、チャルメラは私の胃へと消える。
「おいしいね! ナマエちゃん!!」
「うん、美味しいね」
ハチワレちゃんは、ニコニコと私に笑顔を向けてくれている。それが、私にはとても大切なことなのだ。
「ハチワレちゃん、ありがとうね」
「うん……うん……!」
また明日ね。私は、ハチワレちゃんと別れて、帰宅する。
もう少しだけ、頑張るかぁ。
『出会い篇』
「ヤーッ!!」
なんか小さくてかわいいハチワレが、私の足にトゲトゲした武器(?)を当ててきた。
「痛たたたた! なになになに~?!」
「アレ!? もしかして、こわいやつじゃない?」
「私、怖くないよ。えーと、ハチワレちゃん? とりあえず、そのトゲトゲは下ろしてね」
「うん。ごめんね……!」
「私は、ナマエ。よかったら、ハチワレちゃんと友達になりたいな」
「うん……! ナマエちゃんと友達になる!!」
ハチワレちゃんは、私が差し出した手の指を、ぎゅっと握る。素直な子だ。
「これ、おわびに」
「ん?」
小さ過ぎて、それが何なのか、私には分からなかった。
「飴だよ!」
「飴かぁ。ありがとね」
「うん……! ナマエちゃんには小さいから、今度、一緒に大きなゼリーのある森に行こッ!」
「うん、約束ね」
「約束ッ!」
私とハチワレちゃんは、こうして出会ったのである。
『アイスクリームの泉篇』
「私、アイスクリームが好きなんだ」
「じゃあ、行く? アイスクリームの湧くトコロ」
「行きます」
「持ってかないとねッ! お気に入りのスプーンッ!」
「うん!」
私たちは、お出かけの計画を立てた。この時間も、とても楽しい。
「楽しみだね、ナマエちゃん」
「そうだね」
そして。アイスクリームの泉へと向かう当日。私は動きやすい服を着て、リュックを背負い、ハチワレちゃんとの待ち合わせ場所に行く。
「あっ」
そういえば。ひとつ、思い付いたことがある。
私が、ハチワレちゃんを抱っこして行けば、目的地に早く着くのでは? でも、ハチワレちゃんは嫌かもしれない。それに、道中も楽しくお喋りしたいし。でも。
どうするのが正解なんだろう?
「ナマエちゃん……! おはようッ!」
「おはよう、ハチワレちゃん」
「昨日の夜ね、楽しみすぎて、なかなか眠れなかった。えへへ」
「私もだよ」
「おんなじだねッ!」
「ハチワレちゃん……私が、ハチワレちゃんを抱っこして歩けば、早く着くと思うんだけど……どうしようか?」
「んー。ナマエちゃん、疲れない?」
「大丈夫だと思うよ」
「じゃあ、ナマエちゃんに運んでもらおうかな……!」
「……うん」
私は、そっと後ろからハチワレちゃんを持ち上げて、宝物みたいに両腕で包む。
「ワッ! 高いねッ!」
「怖い?」
「ううん、楽しいよ」
よかった。ハチワレちゃんは、キャッキャとはしゃいでいる。
「じゃ、歩くね」
「うん……!」
私は、歩き出す。
「ワァ……景色がどんどん過ぎてくねッ!」
「よーし、どんどん行こう」
目指すは、アイスクリームの泉。私たちは、進む。
今日は、気持ちの良い晴れで、側には大切な友達がいて、一緒にお出かけをしている。なんて、いい日なんだろう。
気分良く歩みを進め、私とハチワレちゃんは、アイスクリームの泉へと到着した。そっと、ハチワレちゃんを降ろす。
「ナマエちゃんッ! ここ、ここだよ」
「わぁ、広いね。私も、たくさん食べられそう」
「ネッ! 来てよかった……!!」
「うん!」
眼前に広がる光景に、わくわくする。
「ここ、白いからバニラかもッ?」
「食べてみよう」
「いただきますッ!」
「いただきます」
スプーンですくい、白いアイスを口へと運ぶ。その白いアイスは、バニラではなかった。
「ヨーグルト味だねッ!」
「うん、美味しい」
「ナマエちゃん、ヨーグルト好き?」
「好きだよ」
「あっちにさ、あるね、茶色いの。チョコレートかもッ!」
「次は、あそこに行こうか」
「うんッ!」
もぐもぐ。ヨーグルトアイス美味しい。
アイスクリームの泉に広がる、様々な色に思いを馳せながら、私たちは、食べる。
隣には、大好きなハチワレちゃん。目の前には、大好きなアイスクリームが、たくさん。
私は、生涯この景色を忘れることはないだろう。
『飢餓篇』
美味しいものが湧くトコロが、枯れた。
「ハチワレちゃん」
「どうしたの? ナマエちゃん」
「私のこと、食べちゃっていいよ」
「ナマエちゃん……?!」
だって、もうどうしようもないのだから。ハチワレちゃんが死ぬところなんて、見たくないのだから。
「私、大きいから、お腹いっぱいになるよ」
「だめだよ、ナマエちゃん!!」
ハチワレちゃんは、首を横に振る。
「お友達も呼んでおいで。みんなで、私を食べるといいよ」
「ナマエちゃんを食べたら、ナマエちゃんとお話し出来なくなっちゃう……!」
優しい、優しい、ハチワレちゃん。私なんかの存在を気にかけて。私なんて、どうしようもないやつなのにね。
「あのね、ナマエちゃん。今、踊るのが流行ってるんだよ! ナマエちゃんも、一緒に踊ろうよ!!」
「ハチワレちゃん…………」
結局、私は、ハチワレちゃんたちと踊った。これは儀式? 祈り? 現実逃避?
なんでもいいか。私とハチワレちゃんは、やっぱりひとつになれないんだね。私がいて、ハチワレちゃんがいる。それを、ハチワレちゃんは選んでくれたんだね。それなら、私は生きよう。精一杯、生きよう。
大好きだよ。
その後、問題は、時が解決してくれた。
私たちの預かり知らない力によるものか、それとも踊りの成果なのか。
生きていくしかないのだろう。それが、運命だと信じて。