A級9位!秋津隊
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諏訪洸太郎は、酔った女に絡まれていた。
「洸太郎、あんた、煙草やめなさいよ」
「何度もやめてらぁ」
「禁煙失敗してんじゃねーか!」
夏海麗佳は、諏訪を拳でどつく。
「痛ってーな! おまえこそ禁酒しろ、禁酒! 絡み酒、うぜーんだよ!」
「夏海麗佳様に絡まれて嬉しいだろ?」
「いや、全然」
「ははっ。照れんな照れんな!」
「いい加減にしろ、麗佳」
諏訪は、酔っ払いを家に送るという役目を任されているのだが、投げ出したくなってきた。
この女、ほっといても平気だろ。
そう思ってしまうくらい、麗佳は強かった。文武両道。容姿端麗。豪放磊落。
「っと」
その麗佳が、珍しくフラつく。
「肩貸すか?」
「いい。あんたの恋人に呪われそうだから」
「そこまで狭量じゃねーだろ」
「いや、狭量だね。末代まで祟るね、アレは」
そんな感じで、ふたりで歩き、やっと夏海家の前まで来た。
「じゃあね、洸太郎。ありがと。おやすみ~」
「おう、じゃーな」
「夏海麗佳様のお帰りだよ!」
帰ろうとする諏訪の耳に、麗佳の元気な「ただいま」が飛び込んでくる。
「麗佳ちゃん、お帰りなさい」
「恭一~!」
「わぁ」
麗佳は、小走りでやって来た、三歳下の可愛い弟を抱き締めた。
「麗佳ちゃん、お酒臭い。あっ! 諏訪さん」
「よう、恭一」
片手を上げて、挨拶をした。
「麗佳ちゃんのこと、送ってくれたんですねぇ。ありがとうございます」
「おまえの姉貴、酒癖悪りーぞ」
「すいません。でも、欠点はそこだけなので~」
恭一は、あくまで姉を庇う。当の本人は、弟の肩に顔を埋めて寝息を立て始めている。
「お酒やめたら、麗佳ちゃんが完璧な人になっちゃいます」
「ったく、姉バカは相変わらずだな」
「家族も、友達も、仲間も、みんな代わりはいませんからねぇ」
「そうだな」
諏訪は、恭一が、半身である幼馴染みを喪ったことを知っていたから、優しく同意した。
「それじゃあ、おやすみなさい、諏訪さん」
「ああ、おやすみ」
今度こそ、諏訪は帰路につく。
夏海姉弟は、お互いを大切に想い、尊重していた。
麗佳は、恭一に多大な影響を与えている。信念を貫くこと。大事な人を守ること。精一杯生きること。全て、麗佳に教わった。
「私は、我を貫き通さないと……」
誰にからかわれても、一人称を変えない。折れた剣をしまい、銃を手にした。故人との約束は、前を向いて歩くこと。
「麗佳ちゃん、起きて~! お水飲もう?」
「ん~。起きてる起きてる」
麗佳を半ば引きずり、リビングへ向かう。ソファーに姉を座らせて、キッチンから水を入れたコップを運んだ。
「はい、お水」
「ありがと、恭一」
「うん」
恭一は、しばらく麗佳に寄り添い、日常の尊さを噛み締める。
ずっと一緒にいられるように、私は出来ることをしよう。
「洸太郎、あんた、煙草やめなさいよ」
「何度もやめてらぁ」
「禁煙失敗してんじゃねーか!」
夏海麗佳は、諏訪を拳でどつく。
「痛ってーな! おまえこそ禁酒しろ、禁酒! 絡み酒、うぜーんだよ!」
「夏海麗佳様に絡まれて嬉しいだろ?」
「いや、全然」
「ははっ。照れんな照れんな!」
「いい加減にしろ、麗佳」
諏訪は、酔っ払いを家に送るという役目を任されているのだが、投げ出したくなってきた。
この女、ほっといても平気だろ。
そう思ってしまうくらい、麗佳は強かった。文武両道。容姿端麗。豪放磊落。
「っと」
その麗佳が、珍しくフラつく。
「肩貸すか?」
「いい。あんたの恋人に呪われそうだから」
「そこまで狭量じゃねーだろ」
「いや、狭量だね。末代まで祟るね、アレは」
そんな感じで、ふたりで歩き、やっと夏海家の前まで来た。
「じゃあね、洸太郎。ありがと。おやすみ~」
「おう、じゃーな」
「夏海麗佳様のお帰りだよ!」
帰ろうとする諏訪の耳に、麗佳の元気な「ただいま」が飛び込んでくる。
「麗佳ちゃん、お帰りなさい」
「恭一~!」
「わぁ」
麗佳は、小走りでやって来た、三歳下の可愛い弟を抱き締めた。
「麗佳ちゃん、お酒臭い。あっ! 諏訪さん」
「よう、恭一」
片手を上げて、挨拶をした。
「麗佳ちゃんのこと、送ってくれたんですねぇ。ありがとうございます」
「おまえの姉貴、酒癖悪りーぞ」
「すいません。でも、欠点はそこだけなので~」
恭一は、あくまで姉を庇う。当の本人は、弟の肩に顔を埋めて寝息を立て始めている。
「お酒やめたら、麗佳ちゃんが完璧な人になっちゃいます」
「ったく、姉バカは相変わらずだな」
「家族も、友達も、仲間も、みんな代わりはいませんからねぇ」
「そうだな」
諏訪は、恭一が、半身である幼馴染みを喪ったことを知っていたから、優しく同意した。
「それじゃあ、おやすみなさい、諏訪さん」
「ああ、おやすみ」
今度こそ、諏訪は帰路につく。
夏海姉弟は、お互いを大切に想い、尊重していた。
麗佳は、恭一に多大な影響を与えている。信念を貫くこと。大事な人を守ること。精一杯生きること。全て、麗佳に教わった。
「私は、我を貫き通さないと……」
誰にからかわれても、一人称を変えない。折れた剣をしまい、銃を手にした。故人との約束は、前を向いて歩くこと。
「麗佳ちゃん、起きて~! お水飲もう?」
「ん~。起きてる起きてる」
麗佳を半ば引きずり、リビングへ向かう。ソファーに姉を座らせて、キッチンから水を入れたコップを運んだ。
「はい、お水」
「ありがと、恭一」
「うん」
恭一は、しばらく麗佳に寄り添い、日常の尊さを噛み締める。
ずっと一緒にいられるように、私は出来ることをしよう。