私という一頁の物語
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誰かを助けるために走っている。雨の中、汗だくになって。白衣を靡かせ、走っている。
やっと君に追いついて、差し伸べた手は、取ってもらえなかった。
「いらない」と言われてしまって、私は悲しくなる。心臓に穴を空けられたような気持ちだ。
私は、必死に言葉を紡いだけど、君は背を向けて去って行く。
それを追いかける体力は、もうない。
私は、ソファーで目を覚ました。休日の昼。
「夢…………」
これは悪夢? それとも。
「当真くん…………」
どうして手を取ってくれないんだい? 夢の中の彼に問いかけても、答えはない。
そりゃあ、私は、必要ない方がいいけど。でも、夢の中の君には、必要に見えたんだ。
そうだ。連絡先を交換したんだった。
『当真くんが、夢に出てきたよ』
『私は、いらないんだって』
『どうせ、助けようとしたんだろ?』
『それはいらねーな』
ご明察。その通りだった。
『必要になったら言ってね』
『はいはい』
よろしくお願いします、と白衣を着た兎のスタンプを送る。
「はぁ…………」
疲れた。夢の中で走ったせいだろう。
のそりと起き上がり、キッチンへ向かった。冷蔵庫から水の入ったペットボトルを取り出し、飲む。冷水じゃないと飲みたくないんだよなぁ。
それにしても、元気が出ない。趣味の活動にも身が入らないし。
せめて、何かインプットしたいんだけど。
そうだ。歌集なら読めるかも。
私は、寝室に行き、本棚に改造したクローゼットを開ける。そして、有名な歌人の歌集を手に取った。
短歌は、たった31字で世界を紡ぐ。素晴らしい。これなら、読めそうだった。
リビングに戻り、ソファーに座って読み進める。
私には、夢がある。歌集を出すという夢。そのためには、好きな絵師に表紙のイラストを依頼しなくてはならない。
「働かないとなぁ…………」
呟きをひとつ落としてからは、歌の世界に没頭した。
一時間ほどして、歌集を一冊読み終える。
夢の中 伸ばした腕はすり抜けて 君に触れず虚空を掴む
アウトプット出来たな。やっぱり、短歌は性に合ってる。
時刻は、そろそろ15時。
おやつでも食べようかな。
私は、冷凍庫からカップのバニラアイスを取り出して、食べる。冬でもアイスは美味しい。
さて。連作短歌を詠むとするか。
お題は、「夢」がいいかも。寝て見る方の夢。夢創作を嗜んでいると、こういう言い回しが必要になる。私は、それが好きだった。
やっと君に追いついて、差し伸べた手は、取ってもらえなかった。
「いらない」と言われてしまって、私は悲しくなる。心臓に穴を空けられたような気持ちだ。
私は、必死に言葉を紡いだけど、君は背を向けて去って行く。
それを追いかける体力は、もうない。
私は、ソファーで目を覚ました。休日の昼。
「夢…………」
これは悪夢? それとも。
「当真くん…………」
どうして手を取ってくれないんだい? 夢の中の彼に問いかけても、答えはない。
そりゃあ、私は、必要ない方がいいけど。でも、夢の中の君には、必要に見えたんだ。
そうだ。連絡先を交換したんだった。
『当真くんが、夢に出てきたよ』
『私は、いらないんだって』
『どうせ、助けようとしたんだろ?』
『それはいらねーな』
ご明察。その通りだった。
『必要になったら言ってね』
『はいはい』
よろしくお願いします、と白衣を着た兎のスタンプを送る。
「はぁ…………」
疲れた。夢の中で走ったせいだろう。
のそりと起き上がり、キッチンへ向かった。冷蔵庫から水の入ったペットボトルを取り出し、飲む。冷水じゃないと飲みたくないんだよなぁ。
それにしても、元気が出ない。趣味の活動にも身が入らないし。
せめて、何かインプットしたいんだけど。
そうだ。歌集なら読めるかも。
私は、寝室に行き、本棚に改造したクローゼットを開ける。そして、有名な歌人の歌集を手に取った。
短歌は、たった31字で世界を紡ぐ。素晴らしい。これなら、読めそうだった。
リビングに戻り、ソファーに座って読み進める。
私には、夢がある。歌集を出すという夢。そのためには、好きな絵師に表紙のイラストを依頼しなくてはならない。
「働かないとなぁ…………」
呟きをひとつ落としてからは、歌の世界に没頭した。
一時間ほどして、歌集を一冊読み終える。
夢の中 伸ばした腕はすり抜けて 君に触れず虚空を掴む
アウトプット出来たな。やっぱり、短歌は性に合ってる。
時刻は、そろそろ15時。
おやつでも食べようかな。
私は、冷凍庫からカップのバニラアイスを取り出して、食べる。冬でもアイスは美味しい。
さて。連作短歌を詠むとするか。
お題は、「夢」がいいかも。寝て見る方の夢。夢創作を嗜んでいると、こういう言い回しが必要になる。私は、それが好きだった。