A級9位!秋津隊
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夢を見ていると気付いた。だって、喪ったはずの君がいるから。
「御影くん…………」
「恭一、久し振り。元気か?」
「うん、元気だよ」
「よかった。恭一のこと、心配してたんだよな」
君はいつも、私を助けてくれていたね。
“男の癖に、私だって!”
“やーい、女男~!”
“男が私って言って、何が悪いんだよ! ぶん殴るぞ!”
“うわ、御影だ”
“逃げろ逃げろ!”
夏海恭一は、姉が好きで、尊敬している。幼い頃、よく姉の真似をしていた。それで、一人称が「私」になったのである。
いくらからかわれても、曲げなかった。幼馴染みの御影は、いつも庇ってくれて。本当に嬉しかった。
「あのね、御影くん」
「うん?」
「ありがとう。私は、大丈夫だから。心配ないよ」
「そうか。お節介だったな」
「ううん。会えて嬉しい」
御影は、ニカッと笑う。そして、消えた。
ずっと覚えてるよ。桜並木を一緒に歩いたこと。放課後、コーラ味のアイスを食べたこと。髪についた紅葉をとってくれたこと。雪だるまを作ったこと。君と歩んだ日々の全て。
「恭一」
「あっ……」
目覚めると、当真勇が夏海の机の前にいた。
「おはよーさん」
「おはよう」
「飯にしようぜ」
「うん」
ふたりで昼食を摂った後、当真が尋ねる。
「なんの夢見てたんだ?」
「御影くんの夢」
「恭一の幼馴染みか。きっと、おもしれー奴だったんだろうな」
「うん。御影くんは、いつも明るくて、面白くて、いい人だったよ」
当真は、夏海の頭を撫でた。ほんの少し、夏海が沈んでいるように見えたから。
「勇くん?」
「んー?」
「なんでもない」
ただ、親友に身を任せた。ふわふわした気持ちになる。
その後、午後の授業を途中で抜けて、ボーダーの任務を行った。
『門発生。注意して』
「了解。バムスターを目視。四季、恭一、任せる」
「りょ」
「了解です」
ふたりで散弾銃を撃つ。バムスターは足が遅い。散弾による面の攻撃で、充分落とせる。厚い装甲は、弾数にものを言わせて砕く。
「よーし! バムスター沈黙」と、澪川が知らせた。
『お疲れ様。四季さんと恭一で、じゃんけんね』
「じゃんけん! ぽん!」
「わぁ。勝ちましたぁ」
「ぎィー!」と、叫びながら、己が出したグーを睨む澪川。
夏海は、自身の掌を見つめた。
この手で守れるものは、全て守りたい。前を見て歩いて行くことを、約束したから。
秋津隊の隊室に戻る途中、当真に会った。
「お疲れさん」
「お疲れ様。勇くん、時間ある?」
「あるぜ」
「一緒にマジックショー見ない?」
「いいぜ。じゃ、邪魔するか」
御影くんの代わりは、どこにもいない。
私の胸には、穴が空いている。でも、友達や仲間が、そこに各々持ち寄ったものを詰めてくれた。
当真勇が詰めたものは、ふわふわの猫のカタチをしている。
「御影くん…………」
「恭一、久し振り。元気か?」
「うん、元気だよ」
「よかった。恭一のこと、心配してたんだよな」
君はいつも、私を助けてくれていたね。
“男の癖に、私だって!”
“やーい、女男~!”
“男が私って言って、何が悪いんだよ! ぶん殴るぞ!”
“うわ、御影だ”
“逃げろ逃げろ!”
夏海恭一は、姉が好きで、尊敬している。幼い頃、よく姉の真似をしていた。それで、一人称が「私」になったのである。
いくらからかわれても、曲げなかった。幼馴染みの御影は、いつも庇ってくれて。本当に嬉しかった。
「あのね、御影くん」
「うん?」
「ありがとう。私は、大丈夫だから。心配ないよ」
「そうか。お節介だったな」
「ううん。会えて嬉しい」
御影は、ニカッと笑う。そして、消えた。
ずっと覚えてるよ。桜並木を一緒に歩いたこと。放課後、コーラ味のアイスを食べたこと。髪についた紅葉をとってくれたこと。雪だるまを作ったこと。君と歩んだ日々の全て。
「恭一」
「あっ……」
目覚めると、当真勇が夏海の机の前にいた。
「おはよーさん」
「おはよう」
「飯にしようぜ」
「うん」
ふたりで昼食を摂った後、当真が尋ねる。
「なんの夢見てたんだ?」
「御影くんの夢」
「恭一の幼馴染みか。きっと、おもしれー奴だったんだろうな」
「うん。御影くんは、いつも明るくて、面白くて、いい人だったよ」
当真は、夏海の頭を撫でた。ほんの少し、夏海が沈んでいるように見えたから。
「勇くん?」
「んー?」
「なんでもない」
ただ、親友に身を任せた。ふわふわした気持ちになる。
その後、午後の授業を途中で抜けて、ボーダーの任務を行った。
『門発生。注意して』
「了解。バムスターを目視。四季、恭一、任せる」
「りょ」
「了解です」
ふたりで散弾銃を撃つ。バムスターは足が遅い。散弾による面の攻撃で、充分落とせる。厚い装甲は、弾数にものを言わせて砕く。
「よーし! バムスター沈黙」と、澪川が知らせた。
『お疲れ様。四季さんと恭一で、じゃんけんね』
「じゃんけん! ぽん!」
「わぁ。勝ちましたぁ」
「ぎィー!」と、叫びながら、己が出したグーを睨む澪川。
夏海は、自身の掌を見つめた。
この手で守れるものは、全て守りたい。前を見て歩いて行くことを、約束したから。
秋津隊の隊室に戻る途中、当真に会った。
「お疲れさん」
「お疲れ様。勇くん、時間ある?」
「あるぜ」
「一緒にマジックショー見ない?」
「いいぜ。じゃ、邪魔するか」
御影くんの代わりは、どこにもいない。
私の胸には、穴が空いている。でも、友達や仲間が、そこに各々持ち寄ったものを詰めてくれた。
当真勇が詰めたものは、ふわふわの猫のカタチをしている。