一頁のおまけ
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罵声が聴こえた。それは、現海砂子が発したものだった。
自分自身を罵り、自分の頭を殴る彼女。
その様が、とても人間みたいで。俺は、好感を持った。
現海砂子。ボーダーで唯一のカウンセラー。人助けマシンみてーな存在。
自身を「砂子さん」と呼ばせるのは、苗字が発音し辛いからだと言っていた。本当に、それだけか? ただの勘だが、違う気がする。
もっと知りたい。あんたの皮膚の下。
どんな風に泣くのかとか。どんな風に怒るのかとか。どんな風に笑うのかとか。
あんたは、どんな風に人を愛するんだ?
誰も知らないんだろ? そんなことは。
別に、あんたは何にも隠しちゃいない。ただ、感情をあまり表に出さない性質というだけで。
そのポーカーフェイスを、崩してやりたくなる。
所詮、あんたも、赤い血が流れてる人間なんだよな。今まで知らなかったけど。
つまらねー人だと思ってたんだ。他人の心を解体して、他人の悩みを解決して、他人の不安を解消して。自分のことは、二の次にしているように見えたんだ。
でも、違う。本当はもっと、エゴがあるんだろ? 欲があるんだろ?
あんたの夢は、なんだ? きっと、全然お綺麗じゃないんだろう。
もっと汚いところが見たい。
“誰が、あんたを救ってくれるんですか?”
俺から逃げたあんたに、この手を伸ばしたら、掴んでくれるだろうか?
退屈への渇きみたいな、この感情は、なんなんだろう。
見せてくれよ、全部。あんた、本当はもっと面白い人間なんだろ。
あんたの精神の柔らかいところを狙ったら、見られるのかもな。まあ、嫌われるかもしんねーけど。
砂子さんが見ている世界は、どんなもんなんだか。ろくでもないんだろうな。
結局、俺とあんたの間に引かれた線がある限りは、それに辿り着けない。
その線を引いたのは、砂子さんだ。いつもは、カウンセラーとクライアントという線を引いている。でも、俺はクライアントじゃない。だから、きっと、引かれている線は、大人と子供。
ふざけんな。それは、正しいことだが、ムカつく。あんたにとって、子供はみんな、庇護の対象だ。
それで? そんなあんたを救ってやれるのは? いないだろ、そんな奴。
心のない機械だと思ってた人が、血と肉と体温のある人間だったんだ。それだけで充分だろ、俺が、あの日のあんたのことを忘れらんない理由なんて。
世界で一番嫌われるか、世界で一番愛されるか。それとも、もっと別の何か? どう転がるか分からないけど、もう、物語は始まっている。
自分自身を罵り、自分の頭を殴る彼女。
その様が、とても人間みたいで。俺は、好感を持った。
現海砂子。ボーダーで唯一のカウンセラー。人助けマシンみてーな存在。
自身を「砂子さん」と呼ばせるのは、苗字が発音し辛いからだと言っていた。本当に、それだけか? ただの勘だが、違う気がする。
もっと知りたい。あんたの皮膚の下。
どんな風に泣くのかとか。どんな風に怒るのかとか。どんな風に笑うのかとか。
あんたは、どんな風に人を愛するんだ?
誰も知らないんだろ? そんなことは。
別に、あんたは何にも隠しちゃいない。ただ、感情をあまり表に出さない性質というだけで。
そのポーカーフェイスを、崩してやりたくなる。
所詮、あんたも、赤い血が流れてる人間なんだよな。今まで知らなかったけど。
つまらねー人だと思ってたんだ。他人の心を解体して、他人の悩みを解決して、他人の不安を解消して。自分のことは、二の次にしているように見えたんだ。
でも、違う。本当はもっと、エゴがあるんだろ? 欲があるんだろ?
あんたの夢は、なんだ? きっと、全然お綺麗じゃないんだろう。
もっと汚いところが見たい。
“誰が、あんたを救ってくれるんですか?”
俺から逃げたあんたに、この手を伸ばしたら、掴んでくれるだろうか?
退屈への渇きみたいな、この感情は、なんなんだろう。
見せてくれよ、全部。あんた、本当はもっと面白い人間なんだろ。
あんたの精神の柔らかいところを狙ったら、見られるのかもな。まあ、嫌われるかもしんねーけど。
砂子さんが見ている世界は、どんなもんなんだか。ろくでもないんだろうな。
結局、俺とあんたの間に引かれた線がある限りは、それに辿り着けない。
その線を引いたのは、砂子さんだ。いつもは、カウンセラーとクライアントという線を引いている。でも、俺はクライアントじゃない。だから、きっと、引かれている線は、大人と子供。
ふざけんな。それは、正しいことだが、ムカつく。あんたにとって、子供はみんな、庇護の対象だ。
それで? そんなあんたを救ってやれるのは? いないだろ、そんな奴。
心のない機械だと思ってた人が、血と肉と体温のある人間だったんだ。それだけで充分だろ、俺が、あの日のあんたのことを忘れらんない理由なんて。
世界で一番嫌われるか、世界で一番愛されるか。それとも、もっと別の何か? どう転がるか分からないけど、もう、物語は始まっている。