私という一頁の物語
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食欲の秋なので、ひとりで焼き肉を食べてもよい。
私は、牛カルビと牛タンを焼き、大盛りのご飯を食べている。
すると。
「あ、砂子さんだ」
「どうも」
「こんばんは、砂子さん」
「こんばんはぁ……」
好感度(私調べ)が、マイナスの犬飼くんと、ゼロの二宮くんと、プラスの辻くん。
「なんですか? その顔」
犬飼くんは、いつもの笑みで訊く。
「複雑な表情」
どんな顔をしてるか分からないが、たぶんそう。
よりによって隣のテーブルに着く3人。他に空いてないもんな。
「砂子さん、ひとりですか?」と、辻くんが尋ねた。
「ひとりだよ。わりと、どこまでもひとりで行ける。人混みはダメだけど」
夜中に飛び出して、恋人の元まで電車で行こうとして、途中で電車がなくなったから、駅前のベンチで眠ったこともあったなぁ。その元カレとは、完全に縁を切ったが。
「いつもご飯大盛りですよね」
「白米は最高だから」
ちなみに、私は牛タンをタレで食べる。ご飯が進む。
「すいません」
肉を全部焼いたので、火を止めてもらった。
冷めないうちに食べよう。
二宮くんたちが、注文しているのを横目に、肉とご飯を味わう。
肉って、なんでこんなに美味いんだろう?
その後、全てを食べきった私は、アイスクリームも食べようかなぁと考えている。
「すいません」
「はーい」
「バニラアイスひとつ、お願いします」
「かしこまりましたー」
店員が去った後、犬飼くんは口を開く。
「よくそんなに入りますね」
「甘いものは別腹だよ」
「ロジカルじゃなくないですか?」
「いいや、そんなことない。脳味噌がそういう風に出来てるんだ」
「へぇ」
脳が、オレキシンを分泌すると、胃の中のものを十二指腸へ送る働きをするから。それが、別腹の正体。
「お待たせいたしました。バニラアイスです」
「ありがとうございます」
冷たくて甘いものは、いつでも最高だ。
ものの数分で食べ終わってしまうのが残念だけど。
「さて。それじゃあ、お三方。お先に失礼」
「さよなら」
「さよなら、砂子さん」
「また今度、よろしくお願いします」
「うん。バイバイ」
軽く手を振り、会計へ向かう。
金を払い、「ごちそうさまでした」を言って、無料のミントガムを断り、店を出た。
「寒っ」
10月の空気が、肌を撫でる。私は、早足で帰路を行った。
一番私を嫌いな犬飼くんが、一番話しかけてきたなぁ。そんなに本音を知られたくないのか。
二宮くんは、私に興味がない。だから、ほとんど話さない。
辻くんは、心を開いてくれてる感じがする。ありがたいね。
でも、私のことをどう思っていようと、他人は等価である。「助けて」と言われたら、手を伸ばす。
こういう人間は、よく、「冷たい人」と称されるんだ。
私は、牛カルビと牛タンを焼き、大盛りのご飯を食べている。
すると。
「あ、砂子さんだ」
「どうも」
「こんばんは、砂子さん」
「こんばんはぁ……」
好感度(私調べ)が、マイナスの犬飼くんと、ゼロの二宮くんと、プラスの辻くん。
「なんですか? その顔」
犬飼くんは、いつもの笑みで訊く。
「複雑な表情」
どんな顔をしてるか分からないが、たぶんそう。
よりによって隣のテーブルに着く3人。他に空いてないもんな。
「砂子さん、ひとりですか?」と、辻くんが尋ねた。
「ひとりだよ。わりと、どこまでもひとりで行ける。人混みはダメだけど」
夜中に飛び出して、恋人の元まで電車で行こうとして、途中で電車がなくなったから、駅前のベンチで眠ったこともあったなぁ。その元カレとは、完全に縁を切ったが。
「いつもご飯大盛りですよね」
「白米は最高だから」
ちなみに、私は牛タンをタレで食べる。ご飯が進む。
「すいません」
肉を全部焼いたので、火を止めてもらった。
冷めないうちに食べよう。
二宮くんたちが、注文しているのを横目に、肉とご飯を味わう。
肉って、なんでこんなに美味いんだろう?
その後、全てを食べきった私は、アイスクリームも食べようかなぁと考えている。
「すいません」
「はーい」
「バニラアイスひとつ、お願いします」
「かしこまりましたー」
店員が去った後、犬飼くんは口を開く。
「よくそんなに入りますね」
「甘いものは別腹だよ」
「ロジカルじゃなくないですか?」
「いいや、そんなことない。脳味噌がそういう風に出来てるんだ」
「へぇ」
脳が、オレキシンを分泌すると、胃の中のものを十二指腸へ送る働きをするから。それが、別腹の正体。
「お待たせいたしました。バニラアイスです」
「ありがとうございます」
冷たくて甘いものは、いつでも最高だ。
ものの数分で食べ終わってしまうのが残念だけど。
「さて。それじゃあ、お三方。お先に失礼」
「さよなら」
「さよなら、砂子さん」
「また今度、よろしくお願いします」
「うん。バイバイ」
軽く手を振り、会計へ向かう。
金を払い、「ごちそうさまでした」を言って、無料のミントガムを断り、店を出た。
「寒っ」
10月の空気が、肌を撫でる。私は、早足で帰路を行った。
一番私を嫌いな犬飼くんが、一番話しかけてきたなぁ。そんなに本音を知られたくないのか。
二宮くんは、私に興味がない。だから、ほとんど話さない。
辻くんは、心を開いてくれてる感じがする。ありがたいね。
でも、私のことをどう思っていようと、他人は等価である。「助けて」と言われたら、手を伸ばす。
こういう人間は、よく、「冷たい人」と称されるんだ。