私という一頁の物語
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休日。手紙を書いている。ボールペンを手に、下手くそな字を連ねている。
趣味の文通相手は、7人。三門市の外に繋がる貴重な時間。
だいたいは、オタク的なことを書いて終わる。まあ、ネットで趣味を通じて知り合った人たちだしな。
夏は、無理。月の頃はさらなり。闇もなほ。
デタラメ枕草子を書き添えた。
手紙を4通ほど書いて、自宅の近くの郵便ポストへ行く。シーリングスタンプが剥がれないことを祈りながら、投函。
さて、この後はどうしようか?
昼ごはんを外で食べようかな。私は、歩き出す。
目的地は、お好み焼き屋の「かげうら」である。
夏は、無理。ひまわり柄の傘を差す。
辿り着いた頃には、汗が滴っていた。
「いらっしゃいませー。あ、砂子さん」
「こんにちは」
「いつも、ありがとうございます」
「いえいえ」
挨拶もそこそこに、席に座る。
「ご注文は?」
「モダン焼きとイカ焼きをお願いします」
「はーい」
鉄板前は当然熱くなるが、夏でもお好み焼きは食べたい。ハンドタオルで汗を拭きながら、待つ。
「お待たせしました。モダン焼きとイカ焼きです」
「ありがとうございます」
私は、まず、イカの方を焼くことにした。ヘラを手にして、焼けるのを待つ。焼けたら、引っくり返す。
「いただきます」
皿に乗せたイカ焼きを、フォークで食べた。美味しい以外の感情がなくなる。
「砂子さん?」
「お、影浦くん。こんにちは」
「っす。相変わらず、すげーシャツ」
「サメ、好きなんだ」
今日の私は、サメ柄のアロハシャツを着ていた。
「思い出した。今度、サメ映画の鑑賞会するんだけど、君もどう?」
「考えときます。ここ、座っていいですか?」
「どうぞ」
影浦くんは、何を話すでもなく、イカ焼きを食べる私を眺めている。そのまま、私は、モダン焼きに手を伸ばした。
そして、焼き上げたモダン焼きを食べる。美味しいなぁ。
モダン焼きを食べ終えても、影浦くんは何も言わない。
「ごちそうさまでした」
「…………」
「影浦くん?」
「あ、いや、美味そうに食うなーって」
「美味しいからね」
「へへ」
影浦くんは、嬉しそうに笑っている。
「それに、よく食うし」
「食べるの大好き」
私は、毎日三食とおやつを何度か食べ、生きているので。
出来れば、太宰治みたいに腹を減らさずに過ごしたいが、そうもいかない。人生って辛い。
実母が、弟には食べ物を寄越すのに、私にはないことをいつまでも恨んでいるくらいには、食べるのが好きだ。絶対にゆるさねぇ。
「砂子さんは、裏表が作れないのが嫌だったりすんのか?」
「技術でカバーすればいいだけだから、そんなには」
「つえーな、砂子さんは」
「そういう面もある」
脆い面は、叩かないでほしいな。私にだって、ガラスみたいな部分もあるんだ。
趣味の文通相手は、7人。三門市の外に繋がる貴重な時間。
だいたいは、オタク的なことを書いて終わる。まあ、ネットで趣味を通じて知り合った人たちだしな。
夏は、無理。月の頃はさらなり。闇もなほ。
デタラメ枕草子を書き添えた。
手紙を4通ほど書いて、自宅の近くの郵便ポストへ行く。シーリングスタンプが剥がれないことを祈りながら、投函。
さて、この後はどうしようか?
昼ごはんを外で食べようかな。私は、歩き出す。
目的地は、お好み焼き屋の「かげうら」である。
夏は、無理。ひまわり柄の傘を差す。
辿り着いた頃には、汗が滴っていた。
「いらっしゃいませー。あ、砂子さん」
「こんにちは」
「いつも、ありがとうございます」
「いえいえ」
挨拶もそこそこに、席に座る。
「ご注文は?」
「モダン焼きとイカ焼きをお願いします」
「はーい」
鉄板前は当然熱くなるが、夏でもお好み焼きは食べたい。ハンドタオルで汗を拭きながら、待つ。
「お待たせしました。モダン焼きとイカ焼きです」
「ありがとうございます」
私は、まず、イカの方を焼くことにした。ヘラを手にして、焼けるのを待つ。焼けたら、引っくり返す。
「いただきます」
皿に乗せたイカ焼きを、フォークで食べた。美味しい以外の感情がなくなる。
「砂子さん?」
「お、影浦くん。こんにちは」
「っす。相変わらず、すげーシャツ」
「サメ、好きなんだ」
今日の私は、サメ柄のアロハシャツを着ていた。
「思い出した。今度、サメ映画の鑑賞会するんだけど、君もどう?」
「考えときます。ここ、座っていいですか?」
「どうぞ」
影浦くんは、何を話すでもなく、イカ焼きを食べる私を眺めている。そのまま、私は、モダン焼きに手を伸ばした。
そして、焼き上げたモダン焼きを食べる。美味しいなぁ。
モダン焼きを食べ終えても、影浦くんは何も言わない。
「ごちそうさまでした」
「…………」
「影浦くん?」
「あ、いや、美味そうに食うなーって」
「美味しいからね」
「へへ」
影浦くんは、嬉しそうに笑っている。
「それに、よく食うし」
「食べるの大好き」
私は、毎日三食とおやつを何度か食べ、生きているので。
出来れば、太宰治みたいに腹を減らさずに過ごしたいが、そうもいかない。人生って辛い。
実母が、弟には食べ物を寄越すのに、私にはないことをいつまでも恨んでいるくらいには、食べるのが好きだ。絶対にゆるさねぇ。
「砂子さんは、裏表が作れないのが嫌だったりすんのか?」
「技術でカバーすればいいだけだから、そんなには」
「つえーな、砂子さんは」
「そういう面もある」
脆い面は、叩かないでほしいな。私にだって、ガラスみたいな部分もあるんだ。