私という一頁の物語
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メディア対策室長の根付栄蔵さんに呼び出された。
「現海くん、ボーダーのウェブサイトでコラムを連載してみないかね?」
「コラム、ですか」
出された紅茶を飲みながら、思案する。
私が趣味で書いた文章、把握されてるんだろうか?
「それは、オタ活について?」
「違う。簡単な心理学についてだよ」
「はぁ」
あまり、気乗りしないお誘いだ。
「それより、ボーダーのグッズ展開について言いたいことがあるんですけれど」
「なにかね?」
「広報部隊以外のグッズも出してください。受注生産で」
「……例えば、なにを?」
「アクリルスタンドとか、ルームキー風アクリルキーホルダーとか」
「検討しよう。それで、返事は?」
「心理学について語ることは、手品師の種明かしみたいなものです」
「そんなに深い話ではなくていい」
「アロマの効果についてとかでもよろしいんですか?」
「ああ」
うーん。それならいいか。
「お受けします」
「ありがとう。では、詳細は追って連絡する」
「はい」
紅茶を飲み干し、お茶菓子を白衣のポケットに滑り込ませてから、退室した。
根付さん、少し苦手かもしれない。同族嫌悪?
いや、そんなに同族でもないか。私は、必要に応じて、あなたが丁寧にしたラッピングを剥がしてしまうから。
カウンセリングルームに戻り、頂戴したマドレーヌを食べる。美味しい。
コラムかぁ。一般的なものに、独自の見解を入れて、体裁を整えた文章。
まあ、金がもらえるならやるけど。万年金欠なんだよ、私は。グッズを集めるタイプのオタクだし、書籍やブルーレイや各種サブスクなどでも金が飛んで行く。
こうなったら、こっそりオタ活要素も入れよう。アロマのコラムでは、各隊のディフューザーが欲しくなるように仕向けてやろう。ゆくゆくは、個人のイメージフレグランスも売ってほしい。
ブラインドとランダムとトレーディングは、断固反対。
でも、隊員のトレーディングカードは、ちょっといいな。ボーダー隊員チップス的な。
策を練っていたら、そろそろ時間だ。
クライアントを迎える準備をしながら、自分の"商売"について、考える。
私は、とっくに賞味期限の切れたお菓子を売っていた。愛は品切れ。
先進的なことなんて、何も言えない。愛情をもって接することも出来ない。虚業に近い。
それでも、私はカウンセラーを続けるのだろう。いつか、それがいらなくなる日まで。
今日も、カウンセリングルームという店を構えて、人と話そう。私には、それしか出来ないのだから。
「現海くん、ボーダーのウェブサイトでコラムを連載してみないかね?」
「コラム、ですか」
出された紅茶を飲みながら、思案する。
私が趣味で書いた文章、把握されてるんだろうか?
「それは、オタ活について?」
「違う。簡単な心理学についてだよ」
「はぁ」
あまり、気乗りしないお誘いだ。
「それより、ボーダーのグッズ展開について言いたいことがあるんですけれど」
「なにかね?」
「広報部隊以外のグッズも出してください。受注生産で」
「……例えば、なにを?」
「アクリルスタンドとか、ルームキー風アクリルキーホルダーとか」
「検討しよう。それで、返事は?」
「心理学について語ることは、手品師の種明かしみたいなものです」
「そんなに深い話ではなくていい」
「アロマの効果についてとかでもよろしいんですか?」
「ああ」
うーん。それならいいか。
「お受けします」
「ありがとう。では、詳細は追って連絡する」
「はい」
紅茶を飲み干し、お茶菓子を白衣のポケットに滑り込ませてから、退室した。
根付さん、少し苦手かもしれない。同族嫌悪?
いや、そんなに同族でもないか。私は、必要に応じて、あなたが丁寧にしたラッピングを剥がしてしまうから。
カウンセリングルームに戻り、頂戴したマドレーヌを食べる。美味しい。
コラムかぁ。一般的なものに、独自の見解を入れて、体裁を整えた文章。
まあ、金がもらえるならやるけど。万年金欠なんだよ、私は。グッズを集めるタイプのオタクだし、書籍やブルーレイや各種サブスクなどでも金が飛んで行く。
こうなったら、こっそりオタ活要素も入れよう。アロマのコラムでは、各隊のディフューザーが欲しくなるように仕向けてやろう。ゆくゆくは、個人のイメージフレグランスも売ってほしい。
ブラインドとランダムとトレーディングは、断固反対。
でも、隊員のトレーディングカードは、ちょっといいな。ボーダー隊員チップス的な。
策を練っていたら、そろそろ時間だ。
クライアントを迎える準備をしながら、自分の"商売"について、考える。
私は、とっくに賞味期限の切れたお菓子を売っていた。愛は品切れ。
先進的なことなんて、何も言えない。愛情をもって接することも出来ない。虚業に近い。
それでも、私はカウンセラーを続けるのだろう。いつか、それがいらなくなる日まで。
今日も、カウンセリングルームという店を構えて、人と話そう。私には、それしか出来ないのだから。