私という一頁の物語
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白衣の下は、いつも大人しめのカジュアルな服を着ている。しかし、オフの日は、派手な柄シャツをキメている私。
たまに、眼鏡も度入りのサングラスに変えているので、まあガラが悪い。
オフの日に出くわすと、驚かれることがままある。
今日は、そんな日だった。
「砂子さん、ですよね?」
「そうだよ」
カフェにて、烏丸京介くんに訊かれたので、返事をする。烏丸くんは、バイト中らしい。
「あまりにも印象が違うので、びっくりしました」
「よく言われる」
「ご注文は?」
「アイスココアと、アイス乗せパンケーキひとつずつ」
「アイスココア、アイス乗せパンケーキがひとつですね。かしこまりました」
「はい」
君のカフェ店員姿は、とても様になっている。ファンたちが見たら、凄いことになりそうだ。
私は、スマホを取り出し、メモアプリを開いて執筆に入る。書きかけの小説は、恋人たちが海で心中しようとするシーンで止まっていた。
私は何故、恋人たちを海で心中させがちなのか? オタク語で言うところの、「ヘキ」なのだろうが。
私の創作世界において、恋は罪悪で、呪いで、祟りで、美しくないものだった。
そんなことを考えていると、店員がやって来る。
「お待たせしました。アイスココアです」
「ありがとうございます」
冷たくて甘いもの、最高。
たまに喉を潤し、執筆を続ける。
少し経って。
「お待たせしました。アイス乗せパンケーキです。ご注文はお揃いでしょうか?」
「はい。ありがとうございます」
冷たくて甘いもの、最高。
私は、バニラアイスとパンケーキを食べ始めた。幸せの味がする。
毎日これがいい。
毎日、アイスとチョコレートとケーキとマカロン食べたい。
そうはいかないのが、悲しいところ。人生って、辛い。
パンケーキをぺろりと平らげ、執筆再開。
甘いものを食べても、やっぱり物語の展開は甘くならない。主人公と、その恋人は海に沈んだ。
デッドエンド。まあ、ふたりは幸せそうだし、ハッピーエンドかも。メリバか?
執筆を終えて、アイスココアも飲み終え、私は会計を済ませた。
外は、日射しが容赦ない。ゴッホのひまわり柄の晴雨兼用傘を差す。
早く帰ろう。と思ったところで、声をかけられた。
「砂子さん」
「烏丸くん。上がり?」
「はい。途中まで一緒に行きません?」
「うん、いいよ」
ふたりで並んで歩く。
「お疲れ様」
「ありがとうございます。砂子さんは、バイトしたことあります?」
「喫茶店の皿洗いなら」
身内のつてで、小学生の頃にね。というのは黙っておこう。
「そうですか」
「うん。あ、これあげる」
私は、塩分タブレットとブドウ糖タブレットを渡した。
「ありがとうございます」
烏丸くんは、塩分タブレットを口に入れる。
しばし、無言で歩く。
そして、岐路がきた。
「じゃ、私こっちだから」
「はい。さようなら」
「じゃあね」
烏丸くんと別れて、自宅へ向かう。
後日、烏丸くんが、謎の派手シャツ女と歩いていたと噂が流れたが、私とはバレていないので、よし。
別に、バレても問題ないけどね。
たまに、眼鏡も度入りのサングラスに変えているので、まあガラが悪い。
オフの日に出くわすと、驚かれることがままある。
今日は、そんな日だった。
「砂子さん、ですよね?」
「そうだよ」
カフェにて、烏丸京介くんに訊かれたので、返事をする。烏丸くんは、バイト中らしい。
「あまりにも印象が違うので、びっくりしました」
「よく言われる」
「ご注文は?」
「アイスココアと、アイス乗せパンケーキひとつずつ」
「アイスココア、アイス乗せパンケーキがひとつですね。かしこまりました」
「はい」
君のカフェ店員姿は、とても様になっている。ファンたちが見たら、凄いことになりそうだ。
私は、スマホを取り出し、メモアプリを開いて執筆に入る。書きかけの小説は、恋人たちが海で心中しようとするシーンで止まっていた。
私は何故、恋人たちを海で心中させがちなのか? オタク語で言うところの、「ヘキ」なのだろうが。
私の創作世界において、恋は罪悪で、呪いで、祟りで、美しくないものだった。
そんなことを考えていると、店員がやって来る。
「お待たせしました。アイスココアです」
「ありがとうございます」
冷たくて甘いもの、最高。
たまに喉を潤し、執筆を続ける。
少し経って。
「お待たせしました。アイス乗せパンケーキです。ご注文はお揃いでしょうか?」
「はい。ありがとうございます」
冷たくて甘いもの、最高。
私は、バニラアイスとパンケーキを食べ始めた。幸せの味がする。
毎日これがいい。
毎日、アイスとチョコレートとケーキとマカロン食べたい。
そうはいかないのが、悲しいところ。人生って、辛い。
パンケーキをぺろりと平らげ、執筆再開。
甘いものを食べても、やっぱり物語の展開は甘くならない。主人公と、その恋人は海に沈んだ。
デッドエンド。まあ、ふたりは幸せそうだし、ハッピーエンドかも。メリバか?
執筆を終えて、アイスココアも飲み終え、私は会計を済ませた。
外は、日射しが容赦ない。ゴッホのひまわり柄の晴雨兼用傘を差す。
早く帰ろう。と思ったところで、声をかけられた。
「砂子さん」
「烏丸くん。上がり?」
「はい。途中まで一緒に行きません?」
「うん、いいよ」
ふたりで並んで歩く。
「お疲れ様」
「ありがとうございます。砂子さんは、バイトしたことあります?」
「喫茶店の皿洗いなら」
身内のつてで、小学生の頃にね。というのは黙っておこう。
「そうですか」
「うん。あ、これあげる」
私は、塩分タブレットとブドウ糖タブレットを渡した。
「ありがとうございます」
烏丸くんは、塩分タブレットを口に入れる。
しばし、無言で歩く。
そして、岐路がきた。
「じゃ、私こっちだから」
「はい。さようなら」
「じゃあね」
烏丸くんと別れて、自宅へ向かう。
後日、烏丸くんが、謎の派手シャツ女と歩いていたと噂が流れたが、私とはバレていないので、よし。
別に、バレても問題ないけどね。