私という一頁の物語
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
東くんの引率で、渓流釣りに来た。
メンバーは、小荒井くん、奥寺くん、木崎くん、諏訪くん、穂刈くん、冬島くん、村上くん、半崎くん。それと、私。
それぞれ暑さ対策をして、釣糸を垂らす。マイ釣竿よ、頑張れ。
「砂子さん、ルアーってどれがいいんです?」
半崎くんに訊かれた。
「その焦げ茶色のやつかな」
「了解。何かコツは?」
「鮎は、上流を向きながら川底のコケを食べるから、岩にコツコツ当てるように動かすといいよ」
「ありがとうございます」
しばし、折り畳み式の椅子に座り、獲物がかかるのを待つ。
釣り、何年ぶりだろう?
ちょっと怖いから、考えないでおこうかな。
私が思考を逸らしていると、控え目な歓声が上がった。東くんが鮎を釣り上げたようだ。
「流石だねぇ」と呟くと、私の釣竿にもヒットする。
糸を巻き上げ、岸に寄せて、釣り上げた。
「よし! 塩焼き!」
「砂子さんって、わりと食い意地張ってますよね」
少し離れたところから、半崎くんに言われる。
「そんなことは、あるけど……」
「あるんだ」
「私が、ボーダーでカウンセラーやってるのは、お茶とお菓子が経費で落ちるからだよ」
「マジすか?」
「少しはね」
半崎くんは、笑った。
川のせせらぎが、夏の暑さをほんの少し忘れさせる。
「砂子さん、食堂でいつもご飯大盛りにしてません?」
「してる」
返事をしながら、二投目。
「どこにそんなに入るんです?」
「胃」
「そりゃ、そうでしょうけど」
「生きるって、食べることだから」
「哲学、ダルいっすわ」と苦笑された。
「おっと」
二匹目の塩焼き!
「やりますね」
「名前に海が付く者として、これくらいはね」
「ここ、川っす」
「川は海に繋がってるでしょう?」
「はあ…………」
半崎くんと、益体もない会話をしていると、冬島くんに話しかけられた。
「砂子さん、見て。二匹」
同時に二匹釣ったらしい。
「おお! やるね、冬島くん」
「そういえば、砂子さんは、麻雀覚えないんですか?」
「私には無理だよ。役が覚えられなくてね。賭けポーカーをするなら、誘ってよ」
「嫌だなぁ。そんな、いつも何か賭けてるみたいに」
目線が合わないが?
「砂子さん、ポーカーフェイスだしなぁ」
「職業柄ね」
「はは。手強そうだ」
そんなこんなで、渓流釣りイベントは、和やかに進む。
「じゃあ、グリルの準備が出来たので、焼きましょうか」
「ガンガン焼こう!」
「はい」と、苦笑混じりに言う東くん。
年少者から順に、鮎の塩焼きを渡していく。そして、自分より先に私にもくれた。
「ありがとう、東くん」
「いえ。同行してもらえて助かりました」
「そう?」
「もちろん」
「また何かあったら、声かけてよ」
「はい。頼りにしてます」
「それじゃあ、いただきます」
塩焼きにした鮎は、とても美味しい。
やっぱり、生きるって、こういうことかも。
私の人生、食欲・睡眠欲・物語鑑賞欲で出来てるな。
メンバーは、小荒井くん、奥寺くん、木崎くん、諏訪くん、穂刈くん、冬島くん、村上くん、半崎くん。それと、私。
それぞれ暑さ対策をして、釣糸を垂らす。マイ釣竿よ、頑張れ。
「砂子さん、ルアーってどれがいいんです?」
半崎くんに訊かれた。
「その焦げ茶色のやつかな」
「了解。何かコツは?」
「鮎は、上流を向きながら川底のコケを食べるから、岩にコツコツ当てるように動かすといいよ」
「ありがとうございます」
しばし、折り畳み式の椅子に座り、獲物がかかるのを待つ。
釣り、何年ぶりだろう?
ちょっと怖いから、考えないでおこうかな。
私が思考を逸らしていると、控え目な歓声が上がった。東くんが鮎を釣り上げたようだ。
「流石だねぇ」と呟くと、私の釣竿にもヒットする。
糸を巻き上げ、岸に寄せて、釣り上げた。
「よし! 塩焼き!」
「砂子さんって、わりと食い意地張ってますよね」
少し離れたところから、半崎くんに言われる。
「そんなことは、あるけど……」
「あるんだ」
「私が、ボーダーでカウンセラーやってるのは、お茶とお菓子が経費で落ちるからだよ」
「マジすか?」
「少しはね」
半崎くんは、笑った。
川のせせらぎが、夏の暑さをほんの少し忘れさせる。
「砂子さん、食堂でいつもご飯大盛りにしてません?」
「してる」
返事をしながら、二投目。
「どこにそんなに入るんです?」
「胃」
「そりゃ、そうでしょうけど」
「生きるって、食べることだから」
「哲学、ダルいっすわ」と苦笑された。
「おっと」
二匹目の塩焼き!
「やりますね」
「名前に海が付く者として、これくらいはね」
「ここ、川っす」
「川は海に繋がってるでしょう?」
「はあ…………」
半崎くんと、益体もない会話をしていると、冬島くんに話しかけられた。
「砂子さん、見て。二匹」
同時に二匹釣ったらしい。
「おお! やるね、冬島くん」
「そういえば、砂子さんは、麻雀覚えないんですか?」
「私には無理だよ。役が覚えられなくてね。賭けポーカーをするなら、誘ってよ」
「嫌だなぁ。そんな、いつも何か賭けてるみたいに」
目線が合わないが?
「砂子さん、ポーカーフェイスだしなぁ」
「職業柄ね」
「はは。手強そうだ」
そんなこんなで、渓流釣りイベントは、和やかに進む。
「じゃあ、グリルの準備が出来たので、焼きましょうか」
「ガンガン焼こう!」
「はい」と、苦笑混じりに言う東くん。
年少者から順に、鮎の塩焼きを渡していく。そして、自分より先に私にもくれた。
「ありがとう、東くん」
「いえ。同行してもらえて助かりました」
「そう?」
「もちろん」
「また何かあったら、声かけてよ」
「はい。頼りにしてます」
「それじゃあ、いただきます」
塩焼きにした鮎は、とても美味しい。
やっぱり、生きるって、こういうことかも。
私の人生、食欲・睡眠欲・物語鑑賞欲で出来てるな。