私という一頁の物語
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
7月6日。ワイルド・スピードの新作の封切り。映画館で、荒船くんと一番早い上映時間に待ち合わせ。
映画館に着くと、すでに荒船くんがいた。
「おはよう」
「おはようございます」
「じゃあ、いい席押さえに行こうか。パンフレットも欲しいし」
「はい」
帽子を被ってない荒船くんと、白衣を着てない私は、並んで歩く。
変なの。
「砂子さん、ジェイソン・ステイサム好きでしたよね?」
「うん。彼が出てる映画は、つい見ちゃうねぇ」
「一番好きなステイサムは?」
「スナッチのターキッシュ」
「好きですね、クライムコメディ」
「うん。ガイ・リッチーは天才だよ」
スナッチの前身であるロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズも最高だ。
「興味ある?」
「あります」
「ブルーレイ貸そうか?」
「いいんですか?」
「いいよ。今度、持ってくる」
「ありがとうございます」
上映30分前。入場が始まる。
私たちの席は、スクリーンのやや後方。真ん中の席。いい位置取りだ。
しばし、映画オタク談義に興じる。
その後、スクリーンに注意事項や映画の宣伝が流れ、照明が暗くなった。
映画が始まると、私たちは一言も話さない。
ワイルド・スピード EURO MISSIONは、相変わらず、カーチェイス! セクシーな女! 犯罪! という内容だった。とてもいいエンタメ作品である。
上映が終わり、私と荒船くんは、無言のまま退場し、館内のロビーに戻った。
「感想会、どこでします?」
ロビーで話すと、これから観る人にネタバレをしてしまいかねないので、移動しようということである。
感想会をするのが前提なのは、映画オタクの性だな。
「近くに喫茶店があるよ」
「行きましょう」
夏の日射しを出来るだけ避けながら、私たちは喫茶店へ向かった。
席に着いて、ミックスベリーティーをふたつ注文する。
「よかったですね」
「うん、よかった」
その確認作業を皮切りに、ふたりは内容について語り合う。ステイサム贔屓の私は、ついついデッカードについてばかり言及してしまった。
荒船くんは、カーアクションについて熱く語っている。
「やっぱり、砂子さんを誘ってよかったです。同じ熱量で話してくれるんで」
「そう? なら、よかった」
そういう理由だったのかぁ。友達とは都合つかなかったのかな? まあ、それで同年代女子を誘ったりしたら囃し立てられそうだもんね。
「……今度、カウンセリングルームに行くかもしれません」
声を鎮めて、荒船くんは言った。
「遠慮せずおいで。待ってるよ」
「はい」
お茶を飲み終えて、私たちは解散することに。
「じゃあ、またね」
「はい、また今度」
軽く手を振り、別れた。
お昼は、何を食べようかな。
映画館に着くと、すでに荒船くんがいた。
「おはよう」
「おはようございます」
「じゃあ、いい席押さえに行こうか。パンフレットも欲しいし」
「はい」
帽子を被ってない荒船くんと、白衣を着てない私は、並んで歩く。
変なの。
「砂子さん、ジェイソン・ステイサム好きでしたよね?」
「うん。彼が出てる映画は、つい見ちゃうねぇ」
「一番好きなステイサムは?」
「スナッチのターキッシュ」
「好きですね、クライムコメディ」
「うん。ガイ・リッチーは天才だよ」
スナッチの前身であるロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズも最高だ。
「興味ある?」
「あります」
「ブルーレイ貸そうか?」
「いいんですか?」
「いいよ。今度、持ってくる」
「ありがとうございます」
上映30分前。入場が始まる。
私たちの席は、スクリーンのやや後方。真ん中の席。いい位置取りだ。
しばし、映画オタク談義に興じる。
その後、スクリーンに注意事項や映画の宣伝が流れ、照明が暗くなった。
映画が始まると、私たちは一言も話さない。
ワイルド・スピード EURO MISSIONは、相変わらず、カーチェイス! セクシーな女! 犯罪! という内容だった。とてもいいエンタメ作品である。
上映が終わり、私と荒船くんは、無言のまま退場し、館内のロビーに戻った。
「感想会、どこでします?」
ロビーで話すと、これから観る人にネタバレをしてしまいかねないので、移動しようということである。
感想会をするのが前提なのは、映画オタクの性だな。
「近くに喫茶店があるよ」
「行きましょう」
夏の日射しを出来るだけ避けながら、私たちは喫茶店へ向かった。
席に着いて、ミックスベリーティーをふたつ注文する。
「よかったですね」
「うん、よかった」
その確認作業を皮切りに、ふたりは内容について語り合う。ステイサム贔屓の私は、ついついデッカードについてばかり言及してしまった。
荒船くんは、カーアクションについて熱く語っている。
「やっぱり、砂子さんを誘ってよかったです。同じ熱量で話してくれるんで」
「そう? なら、よかった」
そういう理由だったのかぁ。友達とは都合つかなかったのかな? まあ、それで同年代女子を誘ったりしたら囃し立てられそうだもんね。
「……今度、カウンセリングルームに行くかもしれません」
声を鎮めて、荒船くんは言った。
「遠慮せずおいで。待ってるよ」
「はい」
お茶を飲み終えて、私たちは解散することに。
「じゃあ、またね」
「はい、また今度」
軽く手を振り、別れた。
お昼は、何を食べようかな。