私という一頁の物語
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昼休憩。私は、ボーダー内の食堂に向かう。
自炊を一切しないので、食堂には毎日のように世話になっている。
「あ、砂子だ。元気~?」
「お、仁礼さん。元気元気~」
「今日、誕生日なんだって? おめでとー」
「ありがとう。プレゼントは?」
「んー。はい、ポテチ一枚」
持っていた袋を開け、こちらにずいっと差し出す仁礼さん。
「どうも。コンソメだねぇ」
ポテトチップスを一枚口に入れて、噛む。
「ははは! じゃーな!」
「バイバイ」
手を振る彼女に、手を振り返した。
再び、食堂を目指す。
「こんにちは」
「あら、砂ちゃん。いらっしゃい」
食堂に着くと、いつものおばちゃんがいる。
「ハムカツ定食、ご飯大盛りで」
「はい。ちょっと待ってね」
今のうちに、ハンカチを置き、席をひとつ確保した。
「はい、ハムカツ定食」
「ありがとうございます」
定食の乗ったトレイを持ち、席に着く。
「いただきます」
今日も、なんとか生きている。ご飯が美味い。
ハムカツなんて、絶対に自分では作れないもんな。ありがたい。
私は、米を炊くのと、麺を茹でるくらいのことしか出来ない。あと、レモンシャーベットは、何故か作れる。
ハムカツ定食を食べ終え、のんびりお茶を飲んでいると、声をかけられた。
「砂子さん、こんにちは」
「こんにちは」
犬飼澄晴くんが、私の対面に座る。
「砂子さん、二宮さんに突っかかられたでしょ?」
張り付けたような笑みで、犬飼くんは訊いてきた。
その表情って、君の処世術なの?
「別に突っかかられてないよ。少し話しただけ」
「人が好いですね」
「好くないけど」
「じゃあ、偽善者?」
「さあね。私にとっては、私は普通の奴だから」
「普通?」と、声色を変えないままに、一瞬だけ笑みを消した。
「今の…………」
「はい?」
「なんでもない」
無表情な君を見たのは、どうやら私だけらしい。犬飼くん自身も、おそらく気付いてない。
「それで、私の何が気に食わないの?」
私も負けじと、柔らかく微笑んだ。まるで、楽しく談笑しているように見えるだろう。
「そういうとこ、ですかね。なんでも分かってますって態度」
「理解しようとすることがいけない?」
「侮られてる気がします」
「侮り、ねぇ。別に年長者ぶるつもりも、君たちの全てを理解出来るとも思ってないけど」
突っかかってるのは、君じゃないか?
「ああ、そうだった。これを言いに来たんですよ。誕生日おめでとうございます」
「どうもありがとう。それじゃ、私はこれで」
お茶を飲み終えた私は、トレイを持ち、席を立つ。
なーんで、敵視されてんのかなぁ? 鼻につくだけ?
まあ、いっか。
いつか、私の城を訪れたなら、その時はもっと話をしよう。
自炊を一切しないので、食堂には毎日のように世話になっている。
「あ、砂子だ。元気~?」
「お、仁礼さん。元気元気~」
「今日、誕生日なんだって? おめでとー」
「ありがとう。プレゼントは?」
「んー。はい、ポテチ一枚」
持っていた袋を開け、こちらにずいっと差し出す仁礼さん。
「どうも。コンソメだねぇ」
ポテトチップスを一枚口に入れて、噛む。
「ははは! じゃーな!」
「バイバイ」
手を振る彼女に、手を振り返した。
再び、食堂を目指す。
「こんにちは」
「あら、砂ちゃん。いらっしゃい」
食堂に着くと、いつものおばちゃんがいる。
「ハムカツ定食、ご飯大盛りで」
「はい。ちょっと待ってね」
今のうちに、ハンカチを置き、席をひとつ確保した。
「はい、ハムカツ定食」
「ありがとうございます」
定食の乗ったトレイを持ち、席に着く。
「いただきます」
今日も、なんとか生きている。ご飯が美味い。
ハムカツなんて、絶対に自分では作れないもんな。ありがたい。
私は、米を炊くのと、麺を茹でるくらいのことしか出来ない。あと、レモンシャーベットは、何故か作れる。
ハムカツ定食を食べ終え、のんびりお茶を飲んでいると、声をかけられた。
「砂子さん、こんにちは」
「こんにちは」
犬飼澄晴くんが、私の対面に座る。
「砂子さん、二宮さんに突っかかられたでしょ?」
張り付けたような笑みで、犬飼くんは訊いてきた。
その表情って、君の処世術なの?
「別に突っかかられてないよ。少し話しただけ」
「人が好いですね」
「好くないけど」
「じゃあ、偽善者?」
「さあね。私にとっては、私は普通の奴だから」
「普通?」と、声色を変えないままに、一瞬だけ笑みを消した。
「今の…………」
「はい?」
「なんでもない」
無表情な君を見たのは、どうやら私だけらしい。犬飼くん自身も、おそらく気付いてない。
「それで、私の何が気に食わないの?」
私も負けじと、柔らかく微笑んだ。まるで、楽しく談笑しているように見えるだろう。
「そういうとこ、ですかね。なんでも分かってますって態度」
「理解しようとすることがいけない?」
「侮られてる気がします」
「侮り、ねぇ。別に年長者ぶるつもりも、君たちの全てを理解出来るとも思ってないけど」
突っかかってるのは、君じゃないか?
「ああ、そうだった。これを言いに来たんですよ。誕生日おめでとうございます」
「どうもありがとう。それじゃ、私はこれで」
お茶を飲み終えた私は、トレイを持ち、席を立つ。
なーんで、敵視されてんのかなぁ? 鼻につくだけ?
まあ、いっか。
いつか、私の城を訪れたなら、その時はもっと話をしよう。