煙シリーズ
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分かってる。解ってる。判ってる。わかってる。世界は美しいと。
欠けてなお、綺麗だと思うよ。月の満ち欠けと同じ。
朝、目覚める度に、4つの空席と、それをひとつ埋めてくれたおまえを想う。
オレの中の、この苛烈な炎すら、好きでいてくれる人がいる。
これが、正真正銘のオレ。全てを灰に帰す炎ではなく、おまえを照らす光になった。
全身全霊で、燃え続けるのがオレなんだ。
火のない所に煙は立たぬ。ってな。意味が全然違うけど。
視界を閉ざす煙の中から、オレを見付けてくれた人。
愛してる。
◆◆◆
帰宅すると、洸太郎が先に家にいた。半同棲状態。
「おかえり」
「ただいま」
何度繰り返しても、このやり取りが嬉しい。
ネクタイを緩めると、洸太郎がオレをじっと見つめていた。
「なに?」
「いや…………」
少し恥ずかしそうにしている顔。
「好きだなって」
「オレも好きだよ」
「どうしようもねーな」
「ほんとに」
お互いの愛情深さを笑い合った。
部屋着に着替えてから、キッチンに立つ恋人を眺める。
やっぱり、この日常が愛しい。
今夜のメニューは、豚肉の生姜焼きだ。
「いただきます」と声を揃える。
「美味い」
「おまえのせいで、料理の腕が上がる」
「ありがとう? ごめん?」
「前者」
「はは。ありがとう」
料理のセンスがないオレのために、おまえが作ってくれるようになったの、いつからだっけ?
ほんと、お人好しな奴。そんなだから、オレに惚れられたんだぜ?
一度目の告白をした時は、フラれたんだよなぁ。遠い昔のことみたいだ。
今では、オレのこと愛してるんだって。オレが、おまえと違うから。
現実が嫌で。受け入れたくなくて。自分が嫌い。
虚勢を張って、真実を煙に巻いていた自分。
自分を好きになれたのは、おまえのおかげだ。
生きていていいんだって思えた。隣にいるには、走り続けてなくちゃダメなんだと思ってたけど、おまえは立ち止まって、手を差し伸べてくれたから。今は、並んで歩いてる。
おまえがいたから、オレは、透明にならずに済んだよ。
この偶然を、神様のいたずらを、ふたりで運命にしたんだ。
「オレって、素直になったよな」
「そうだな」
「それでも、まだまだ、洸太郎に話せてないことばっかりあるよ」
「そうなのか? 遠慮すんなよ」
月のように優しい微笑みが、オレだけに向けられている。
「うん。あのね、」
欠けてなお、綺麗だと思うよ。月の満ち欠けと同じ。
朝、目覚める度に、4つの空席と、それをひとつ埋めてくれたおまえを想う。
オレの中の、この苛烈な炎すら、好きでいてくれる人がいる。
これが、正真正銘のオレ。全てを灰に帰す炎ではなく、おまえを照らす光になった。
全身全霊で、燃え続けるのがオレなんだ。
火のない所に煙は立たぬ。ってな。意味が全然違うけど。
視界を閉ざす煙の中から、オレを見付けてくれた人。
愛してる。
◆◆◆
帰宅すると、洸太郎が先に家にいた。半同棲状態。
「おかえり」
「ただいま」
何度繰り返しても、このやり取りが嬉しい。
ネクタイを緩めると、洸太郎がオレをじっと見つめていた。
「なに?」
「いや…………」
少し恥ずかしそうにしている顔。
「好きだなって」
「オレも好きだよ」
「どうしようもねーな」
「ほんとに」
お互いの愛情深さを笑い合った。
部屋着に着替えてから、キッチンに立つ恋人を眺める。
やっぱり、この日常が愛しい。
今夜のメニューは、豚肉の生姜焼きだ。
「いただきます」と声を揃える。
「美味い」
「おまえのせいで、料理の腕が上がる」
「ありがとう? ごめん?」
「前者」
「はは。ありがとう」
料理のセンスがないオレのために、おまえが作ってくれるようになったの、いつからだっけ?
ほんと、お人好しな奴。そんなだから、オレに惚れられたんだぜ?
一度目の告白をした時は、フラれたんだよなぁ。遠い昔のことみたいだ。
今では、オレのこと愛してるんだって。オレが、おまえと違うから。
現実が嫌で。受け入れたくなくて。自分が嫌い。
虚勢を張って、真実を煙に巻いていた自分。
自分を好きになれたのは、おまえのおかげだ。
生きていていいんだって思えた。隣にいるには、走り続けてなくちゃダメなんだと思ってたけど、おまえは立ち止まって、手を差し伸べてくれたから。今は、並んで歩いてる。
おまえがいたから、オレは、透明にならずに済んだよ。
この偶然を、神様のいたずらを、ふたりで運命にしたんだ。
「オレって、素直になったよな」
「そうだな」
「それでも、まだまだ、洸太郎に話せてないことばっかりあるよ」
「そうなのか? 遠慮すんなよ」
月のように優しい微笑みが、オレだけに向けられている。
「うん。あのね、」